羊の国のイリヤ の商品レビュー
健美フーズに勤める入矢は会社の食品偽装を知り、知り合いの記者に情報をリークする。が、社内闘争に破れ、子会社に飛ばされた。そこでのパワハラを公にしようすると、やってもいないのに、パソコンに児童ポルノをダウンロードしたとして逮捕される・・・娘は半グレに拉致され・・・会社をクビになり、...
健美フーズに勤める入矢は会社の食品偽装を知り、知り合いの記者に情報をリークする。が、社内闘争に破れ、子会社に飛ばされた。そこでのパワハラを公にしようすると、やってもいないのに、パソコンに児童ポルノをダウンロードしたとして逮捕される・・・娘は半グレに拉致され・・・会社をクビになり、留置所で知り合った者を頼った先では今まさに殺人が行われようとしていた・・・殺し屋四科田のストイックな生き方を見習い・・・ 最初はかったるいなと思っていたら、ウエスタンラリアットをガツンとくらった。途中から激しく面白くなる。大薮春彦原作、村川透監督、松田優作主演の映画を彷彿とさせる 。 果てしない暴力と怨念で、羊としてぬるま湯に生きるイリヤが再生+四科田の哲学の物語だった。 「この世は自分以外になにもない。あんたは自分の人生という映画を観ている、たった一人の観客だ」 「世間のこたあ、どうでもええ。客観ちゅうのは想像上の主観や」 「過去は記憶、現在は感覚、未来とは想像だ」 「恐怖も苦痛も実体はなく、意識の範疇にある。意識の範疇にあるものは意識で制御できる。苦痛とは、物質である肉体が非物質である意識に影響して起きる。意識もまた肉体に影響を与える。ストレスからくる病がその典型だ。恐怖や苦痛を克服するには、意識と肉体のつながりを断ち切ればいい。それには死を覚悟することだ」
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12月-10。3.5点。 平凡な食品メーカーのサラリーマン、出向→冤罪での退職と転落の一途。 大学生の娘が詐欺に遭い、救出のために奔走するが。。 面白い。スピード感あり、冴えないサラリーマンの変貌ぶりが凄い。あっという間に読んだ。
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私が福澤徹三を好きになったきっかけは『Iターン』という作品だった。これが滅茶苦茶面白くて一気にファンになった。 この作品もIターンと似ていて、冴えないサラリーマンが裏稼業の人間と関わりを持ち、翻弄されつつも次第に成長ひていく物語。こちらは気の良いヤクザではなく、冷酷な殺し屋...
私が福澤徹三を好きになったきっかけは『Iターン』という作品だった。これが滅茶苦茶面白くて一気にファンになった。 この作品もIターンと似ていて、冴えないサラリーマンが裏稼業の人間と関わりを持ち、翻弄されつつも次第に成長ひていく物語。こちらは気の良いヤクザではなく、冷酷な殺し屋が相手なので、さらにパンチが効いているが。 会社の闇を暴くことに関わった入谷は、罠に嵌められ刑務所に入ることになる。その後、出所した入谷は、刑務所で出会った男に聞き、頼った先で殺し屋と遭遇。半年後に殺すと宣告される。 その半年の間に離婚。娘はヤクザの親分に囲われ、人生最大のピンチを迎えた入谷。しかも、半年後には死が待っている。タイムリミットは半年!その間に娘を助け出すことはできるのか。 それにしても娘のために意を決したオヤジはカッコいい!途中までは家でも職場でもハッキリと意見を言えない入谷にイライラしつつも、成長していく様は読者をスカッとさせてくれる。 そして、脇役たち。まずは冷酷で凄腕の殺し屋の四科田。入谷を殺すと宣告しながらも、入谷のピンチには必ず現れて助けてくれる。 掃除屋の西岸も壮絶な過去を持ちながらも、頼り甲斐のある楽しいオヤジだし、便利屋の美蘭もいい。 みんな裏の世界に生きながらもしっかりと入谷をサポートしてくれる頼もしいメンバー。 できれば四科田に生きててもらい、続編が読みたいと願うのは私のだけだろうか?
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※このレビューにはネタバレを含みます
平凡なサラリーマンの没落と覚醒。 食品会社に勤めていた入矢だが、内部告発のあおりを受け、子会社に左遷された上に、復帰を目論むと罠にはめられ、警察につかまってしまう。 会社を追われた入矢は、殺し屋との生死の期限付きの約束で特殊清掃の仕事に。しかしその裏稼業は死体の始末屋だった。 殺し屋やその仲間たちとディープな世界に落ち込みながら、入矢の生に対する本能が覚醒し、かつて自分を陥れた者たちへの復讐へと突き進んでいく。 東京難民や白日の鴉のような構成。 ちょっと出来過ぎ感もありましたが、普段の生活に空いた穴に落ち込んでいく人生の様が上手く描写されていると思います。
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序盤の救いようの無い展開、正直者とか、真実とか、善意みたいなものが、全て裏目に、出たり助け様のないストーリーには、どんどん気分が、落ちて読み進めるのしんどい! だが、 四科田が、出て来てから、物語の雰囲気が変わって、ハードボイルド的な、悪の中でも、筋が通る感じが、スカッとするとい...
序盤の救いようの無い展開、正直者とか、真実とか、善意みたいなものが、全て裏目に、出たり助け様のないストーリーには、どんどん気分が、落ちて読み進めるのしんどい! だが、 四科田が、出て来てから、物語の雰囲気が変わって、ハードボイルド的な、悪の中でも、筋が通る感じが、スカッとするという、一風変わったお話でした! 個人的には、四科田が、生きていて、入矢と共にお話が、展開する続編が、読みたい!
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