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中国の海洋強国戦略 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/09/24

結論:米国とその同盟国は、伝統的な武力闘争のように勝利する必要は無い。彼等が実施する必要があるのは、中国の拡張に正々堂々と抵抗することである。 海上保安庁を質・量共に強化して、北京のグレーゾーン戦略に付き合うしかないって事だ。 フィリピンとベトナムの例を見てもわかるように、北...

結論:米国とその同盟国は、伝統的な武力闘争のように勝利する必要は無い。彼等が実施する必要があるのは、中国の拡張に正々堂々と抵抗することである。 海上保安庁を質・量共に強化して、北京のグレーゾーン戦略に付き合うしかないって事だ。 フィリピンとベトナムの例を見てもわかるように、北京は抵抗されると引く。

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2020/08/09

中国の、海上民兵や海警などを用いた海洋グレーゾーン戦略について、米海大でまとめられたもの。 東シナ海や南シナ海で起きていることとその意味、中国の目的と、グレーゾーン戦略の問題と対策について。 本書を読めば、中国の海洋グレーゾーン戦略や、今日の尖閣諸島を取り巻く課題なども概ね見えて...

中国の、海上民兵や海警などを用いた海洋グレーゾーン戦略について、米海大でまとめられたもの。 東シナ海や南シナ海で起きていることとその意味、中国の目的と、グレーゾーン戦略の問題と対策について。 本書を読めば、中国の海洋グレーゾーン戦略や、今日の尖閣諸島を取り巻く課題なども概ね見えてくるだろう。

Posted byブクログ

2020/07/12

日本語タイトルだけ読むと、中国による、軍事、政治、経済といった全体的な海洋強国化の取り組みの話のようにも読めてしまうが、内容的には副題の「グレーゾーン作戦と展開」のとおりである。 海警や海上民兵のあらまし、それらを使った中国による海洋権益確保のやり方、ベトナム、フィリピン及び日...

日本語タイトルだけ読むと、中国による、軍事、政治、経済といった全体的な海洋強国化の取り組みの話のようにも読めてしまうが、内容的には副題の「グレーゾーン作戦と展開」のとおりである。 海警や海上民兵のあらまし、それらを使った中国による海洋権益確保のやり方、ベトナム、フィリピン及び日本での対応の事例、米軍の関わりのあり方等、中国の「グレーゾーン作戦」に対応していく上で理解しておくべき幅広い事柄が、日米の軍人・元軍人、シンクタンクの専門家等により語られている。 海上民兵についてはほぼ全く知らないので、位置づけ、役割、指揮系統等基本的なことが理解できた。 その使い方及びそれを使った「戦い方」を含めて、中国という国は西側諸国の常識が通用しない国だなと感じた。 ただ、それをダメと断じても意味がなく、否が応でも中国という厄介な隣国と向かい合って安全保障を確保していかなければならないわが国として、このような本を通じて、相手の行動、考え、意図等を理解していく試みを今後も続けていかないといけないと感じた。

Posted byブクログ

2020/05/19

邦題と違って原題の方が的確。中国の海洋におけるグレーゾーン作戦についての本で、現状、課題、そしてなすべきことがしっかりまとまっている論文集。 第二、第三の海軍としての海警と海上民兵。グレーゾーンとハイブリッド戦の違い。伝統的な戦時と平時の考えを曖昧にする海警と海上民兵の使用拡大は...

邦題と違って原題の方が的確。中国の海洋におけるグレーゾーン作戦についての本で、現状、課題、そしてなすべきことがしっかりまとまっている論文集。 第二、第三の海軍としての海警と海上民兵。グレーゾーンとハイブリッド戦の違い。伝統的な戦時と平時の考えを曖昧にする海警と海上民兵の使用拡大は抑止と強制力の概念を複雑化する危険がある。沿岸警備隊と海上民兵というエスカレーションラダーの低い段階の運用ツールに関して非対称性が存在する。人民戦争の概念は毛沢東の時代に海洋にも当てはめられたが、現在は傍流的概念である。2013年の4つの海上法執行機関を中国海警局に統合、2018年に同局を国家海洋局から人民武装警察に移管した。オイルリグ981事件がこの改組に与えた影響は大きく、今まで漁政などの文民組織しか船を出していなかったところに軍の構成要素である辺防海警の船と人員が出ることにより前線が軍事化されている。エスカレーション曲線はホワイトハルの対立がグレーハルの対立に線形に繋がるのではなく、ホワイトハルとグレーハルと別個に存在すると考えられ、ホワイトハルの武器使用閾値が日本の予想より低くする可能性がある。対応方針としては迅速で自動的、そしてやや反比例的な対応により中国側のコストを引き上げる戦略を提案。ヒズボラに対するイスラエルのドクトリンが参考になるよう。フィリピンとベトナムの事例の比較から、米国は支援を期待できる国ではなく、国際法は大国によって受け入れられ実施された場合にだけ責任ある弱国の行動を形成する働きをする。一方で中国は偉大な復興を狂わすリスクを持つ戦争を望んでおらず、またASEAN諸国や主要な貿易相手国からの圧力に敏感である。ここに我々にやれることがある。

Posted byブクログ