プライベート・エクイティ投資の実践 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
一橋大学大学院で2019年に行われた講義が書籍化されたもの。 感想。 貴重な本。思った以上にVCの記載が多め。法務や受講生との質疑応答の記載も面白い。 備忘録 ・日本のバイアウトファンドの課題を、ファンド組成から投資実行、バリューアップ、投資回収の各段階別に整理されたp12の図は分かりやすい。ビット案件の価格高騰、経営人材の不足、海外展開のサポートが弱い、パフォーマンス情報が少ない、あたりは特に腹落ち。 ・VCの課題は、p24の日米比較がわかりやすかった。EXITがIPO主体の日本と、大企業へのM&A主体の米国。キャピタリストが金融機関系が多い日本と、企業家や事業会社出身が多い米国。とか。 ・VCのEXITとしてM&Aが少ないの原因として、ある講師は、買手の経験・ノウハウ不足を指摘。細かく買って、PMIして、失敗して、という数が少ない、と。乾坤一擲のデカイM&Aに手を出しがちだと。 ・大企業側のNIH、Not Invented Here症候群、という言葉があるらしい。 ・あと、創業者を支える優秀なミドルが少ない、とも。「企業家は経営者ではない」「VC側も例えばシード段階の企業家に経営能力やビジネスモデルわ期待していない」等のご意見に、なるほど。 ・VCにおける割引率の考え方、モニタリングの力点、等の記載(p124)もなるほど。 ・ファンドの収益モデル、Two-Twoenty。管理報酬が年2〜2.5%、成功報酬が超過収益の20%という水準。 ・法務の話は貴重でした。なぜビークルとして投資事業有限責任組合が多いのか、利益相反に気をつけて、販売(投資家募集)は業法に気をつけて、スクイーズアウトの時はお馴染みの問題あるよ、あたり。
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