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はっぴーえんど(9) の商品レビュー

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2020/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全巻読破。たいへん読み応えがあった。 この漫画は、終末期医療の美談だけを取り上げてはいない。 周りの家族の悩みや医療者の葛藤、本人の人生観も含め、それぞれの物語がある。 それらはどれもリアルで、決して正論や理想論だけでは語れない難しさをも描いている。 主人公の天道先生は、一見軟派男で主体性のないように見えるかもしれないが、そうではない。 「絶対に自宅で過ごした方が良い」とは言わない。本人の決定を最大限尊重する。 しかし、プロセスが足りていないと感じれば、「もう少し考えてみてはいかがですか?」と少しだけ助言する。 自分の経験を押し付けがましくなく伝え、あくまでサポートに徹している。 治してあげたい、感謝されたい、私の方が正しい、といったエゴが医師には生まれがちだ。 それは遠くから眺めれば正論かもしれない。 だが、人の生と死はそんなに単純なものではない。 一人ひとりに人生があり、その周りの人の人生も密接につながっている。そんなものに、一言で答えを与えることは不可能だろう。 終末期や緩和ケアと聞くと、どうしてもネガティブな印象を受ける人も多いとは思う。 それでも、様々なケースを知り、シミュレーションすることには大きな意味がある。 人生をどう終えるかは、人生をどう生きてきたかと同じくらい大切だ。 私ももっと、真剣に向き合っていこうと思った。 備忘録として、特に心に残ったエピソードを以下にまとめます。 ↓↓ 2巻 12-13話 カゴノトリ 2巻 14-15話 言えない想い 3巻 19-21話 命をつなぐ 3巻 23-24話 カリフォルニアの親戚 5巻 33-34話 遠い雷鳴 5巻 36-38話 母帰る 6巻 47話 慟哭 7巻 50話 しあわせであるように 7巻 54-56話 ケアマネ屯田さん 他 8巻 57話 幸せな場所 8巻 58-59話 食べることは生きる喜び 他 8巻 60-61話 おばあちゃんと僕 8巻 62話 長生きしたくない 9巻 65-69話 どうして私なの 他 9巻 70-最終話 最期まで 他 特に8,9巻は読み応えがあった。

Posted byブクログ