ピカソになれない私たち の商品レビュー
自分自身の影を見つめる作業。 なかなかできることではないけれど、彼らのように私も、すこしずつ見つめていけますように。
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東京藝大をモチーフにしたと思われる一冊。油画科の森本ゼミに所属した4人の四年生が、もがきながら課題と卒業制作に取り組む様子。 どうやったら認められるのか、成功するのか、売れる画家になれるのか、才能とは「自分の絵」とは何なのか、、、自意識との葛藤やライバルである同級生への複雑な思...
東京藝大をモチーフにしたと思われる一冊。油画科の森本ゼミに所属した4人の四年生が、もがきながら課題と卒業制作に取り組む様子。 どうやったら認められるのか、成功するのか、売れる画家になれるのか、才能とは「自分の絵」とは何なのか、、、自意識との葛藤やライバルである同級生への複雑な思いが主に描かれている。 「この世の中、言われたことを守っても、なんの保証もない。自分で自分の道を決めていくしかないのだ。美術を学びたいという衝動は、好きなことをして生きていきたいと震災以来考えていた和美の心にぴたりとはまった。」 「自分で判断したことを信じなさい。自分で判断していいと思ったものを、妥協せずに描きなさい。その先に、きっと答えはあるから」 最後まで読むと、これは森本先生の話だったのかなーなんて。一人一人に真剣に向き合ってくれるのは有り難いけど、三日間断食をした後に絵を描く課題とかは勘弁だな…
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努力だけではどうにもならない、選ばれし才能が輝く美大生たち。美術芸術の世界に身を置く学生たちは嫉妬や羨望の中で心は壊れていく。登場人物にイライラしたり、特に詩乃には途中まで拒絶反応が出てしまった。
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ひだまりトマトさんの本棚から図書館予約 著者は芸大美術学部卒業 やはりリアルな描写だ 落書きすらもかけない私だけれど 絵を観るのは好きだ オリジナルなものを創り出す苦しみ 認められる「才能」 全頁からヒリヒリと感じた ゼミの学生4人の未来を信じて本を閉じた ≪ キャンバス...
ひだまりトマトさんの本棚から図書館予約 著者は芸大美術学部卒業 やはりリアルな描写だ 落書きすらもかけない私だけれど 絵を観るのは好きだ オリジナルなものを創り出す苦しみ 認められる「才能」 全頁からヒリヒリと感じた ゼミの学生4人の未来を信じて本を閉じた ≪ キャンバスは 夢と悪魔を 写し取る ≫
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筆を離してもう10年以上経つ。 あの頃の感情が鮮明に蘇る描写に、 私が憧れたもう一つの未来が見えた。 諦めずに描き続けていたら 頭の片隅にはぼんやりした思いがいつもあった。 だけど、湧き上がるイメージもなければ、 技術も衰えている。 自ずと筆が走ったあの頃には戻れない。 理屈っ...
筆を離してもう10年以上経つ。 あの頃の感情が鮮明に蘇る描写に、 私が憧れたもう一つの未来が見えた。 諦めずに描き続けていたら 頭の片隅にはぼんやりした思いがいつもあった。 だけど、湧き上がるイメージもなければ、 技術も衰えている。 自ずと筆が走ったあの頃には戻れない。 理屈っぽい大人になってしまって、感覚が鈍い。 自然にできていたことなのに。 夢と情熱は何処へ。 錆びた技術や鈍った感覚を取り戻すには、 倍以上の努力をして磨かなくてはならない。
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著者さん初読みですがけっこう好きかもしれません 美大生を主人公にした本も初めてです 美術とか、アートとかってどう評価していくんだろう?思うように描けたと思っても、なってないって言われるのはツラい 自分の中にあるものは何か? 描きたいものは何か? どう表現をするのか? 才能って...
著者さん初読みですがけっこう好きかもしれません 美大生を主人公にした本も初めてです 美術とか、アートとかってどう評価していくんだろう?思うように描けたと思っても、なってないって言われるのはツラい 自分の中にあるものは何か? 描きたいものは何か? どう表現をするのか? 才能って言葉に苦しんだり、嫉妬したりすることもあるけれど、それでもそう表現するしかないこともある 自分で判断していいと思ったものを、妥協せずに描きなさい。その先に、きっと答えはあるから 美術だけじゃなくて、いろんな世界に通じるものがあると感じます
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爽やかな読後感。 東大よりも難しいとされる藝大。 その中で切磋琢磨し自分自身の表現を見つけていく学生達の青春小説。 感性や感覚で判断されてしまうものの指導の難しさを感じるとともにそれぞれが乗り越えてブレイクスルーしていく瞬間にたまらなくわくわくする。 2020年 幻冬社 アルビ...
爽やかな読後感。 東大よりも難しいとされる藝大。 その中で切磋琢磨し自分自身の表現を見つけていく学生達の青春小説。 感性や感覚で判断されてしまうものの指導の難しさを感じるとともにそれぞれが乗り越えてブレイクスルーしていく瞬間にたまらなくわくわくする。 2020年 幻冬社 アルビレオ 新宅加奈子
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国内唯一の国立美術大学の油画科を舞台に、芸術を志す者たちが迷い、立ち止まり、また悩みながら「自分の絵」を見つけて行く過程を描く青春小説。 東京藝術大学美術学部卒業し、学芸員として勤務する作者だからこそ描ける、芸術の道を歩む者たちが抱く葛藤、妬み、絶望などがヒリヒリと伝わってくる...
国内唯一の国立美術大学の油画科を舞台に、芸術を志す者たちが迷い、立ち止まり、また悩みながら「自分の絵」を見つけて行く過程を描く青春小説。 東京藝術大学美術学部卒業し、学芸員として勤務する作者だからこそ描ける、芸術の道を歩む者たちが抱く葛藤、妬み、絶望などがヒリヒリと伝わってくる。 凡人には計り知れない苦悩に満ちた世界。才能というはっきりと定義できないものに翻弄される辛さ。 美しいばかりじゃない芸術の世界の厳しさに怯むばかり。 それだけに、4人の学生がそれぞれ、自分の道を見出すラストはどこまでも希望に溢れる。嫌な役回りだった森本教授が秘めた思いが明かされるラストは泣けた。 初読みの作家さんですが、俄然他の作品も読んでみたくなりました。
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東京藝大美術学部らしき大学を舞台にした青春小説。才能とは何か…とても考えさせられた。将来に漠然とした不安を抱えている若者に贈りたい本。登場人物の言葉から勇気をもらえると思う。この著者の作品は読後に爽やかな風が吹く。好きだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後半にかけてどんどん盛り上がっていった印象。 芸術ってなんだという問いに、4人の学生がそれぞれ十人十色の答えを出していった。 芸術には疎い私だが、こういう方向の芸術もあるなと思わされた。 最終盤、突然投げやり感を感じた、病気の必要あったかな…?
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