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発注いただきました! の商品レビュー

3.8

155件のお客様レビュー

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    30

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2023/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近朝井リョウさんの本よく読んでる、『何者』で堅めな小説を書いてると勝手に思ってたけど『ままならないから~』で違うな?と気づいた そして朝井さんが書く文章がわりかし好みだ 企業から依頼を受けた短編集たちをまとめて、振り返りコメントと新作短編を1本追加して1冊にまとめた本 なかなか新鮮でおもしろい ふだん1冊に3~5本入ってる短編集ぐらいしか読まないから、話ごとに頭を切り替えるのが少し大変で思ったより読むのに時間がかかった 「十八歳の選択」好き 「生きている限り、選択は続いていく。生きている限り、あなたの選択は続いていく。 だけど大丈夫だ。二度目の選択をするあなたは、一度目の選択をすることができたあなたなのだ。」p.113 新作短編の「贋作」、工房が置かれている状況も相まって辛い 司会の話を途中で遮ってたからたぶん黄泉硯の名前は知られずに終わってしまったし、誰かと一緒に表彰されているのに自分だけが受け取らない、というのは一緒にいた人物も居心地悪いよ 祥久の気持ちすごく心当たりがある 周りの評価と自分の評価が違った時、しかも自分のいちばん身近な存在がそれをものすごく評価していた場合、あなたはわたしが知らない人物にぬるっと成り代わっているような気がして その変化に戸惑っている自分と相手をどう受け止めたらいいのか でも本当に難しい そこに込めた思いを一瞬でなかったものにしてしまうことの恐ろしさ 時永を謙虚と表していたけど 謙虚ってなんだ 伝統文化の踊りも、硯も、謙虚って言葉でカバーしてそこにかかる労力を見ないフリしてるだけ 今まで何度そうやって人知れない思いや努力を0にしてきたの? 時永、ファンレターとかプレゼントとか受け取り不可にしてそう たしかにプレゼントやサプライズって自己満要素も少し入ってるけど時永の行為はそこに含まれた純粋な気持ちすらも否定してしまうね

Posted byブクログ

2023/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

星3(自己基準:素敵な本・1度読んで満足) 朝井リョウの世界観を小分けの袋で沢山楽しめる。そんな素敵な本でした。 各依頼に対して書かれている物語もさることながら、コメントも制作裏が垣間見れて物語が自分に染み込んでいく。 街中に溢れてる商品やコンテンツに、この本に載っている物語が一緒になっている姿を見ておきたかった。 「以下少しネタバレ」 最後の書き下ろしのみ、どうしても憤りが納められずしばらく頭に血が登ったままになってしまった。 何故こんな話を!?とも思ったが、それは妻の立場、夫の立場それぞれに共感し過ぎてしまったからでもあるし、書道家に自分がなってしまうこともあるのでは?という恐怖からでもある。 結果、自分はこの話を現代イソップの様な教訓としての物語として飲み込むことにした。(でなければこの気持ちの振り回されてしまいそうだから) 謙遜や謙虚さは行き過ぎれば卑屈であり周りを傷付ける自己中心的な暴力になる。 相手からの好意や、賞賛は丁寧に受け取り心から感謝を返す。 自分が本当に納得できていないなら、中途半端に受け取るふりをして相手を期待させてはならない。 これは決して相手基準で考えろという訳ではなく、自分の軸を持ちそれに従うこと。素直に相手とコミュニケーションを取るということ。

Posted byブクログ

2023/06/16

朝井リョウさんの作家デビュー10周年を祝して刊行された短編中編集。企業タイアップ作品が20本収録されており、各作品は発注内容・作品・筆者による今読んでみての感想の3セクションで構成される。 作品の幅広さに感心するとともに、感想戦で朝井さんの人間性が垣間見えて楽しく読了。 個人的に...

朝井リョウさんの作家デビュー10周年を祝して刊行された短編中編集。企業タイアップ作品が20本収録されており、各作品は発注内容・作品・筆者による今読んでみての感想の3セクションで構成される。 作品の幅広さに感心するとともに、感想戦で朝井さんの人間性が垣間見えて楽しく読了。 個人的にすごいなと思ったのは、作中に出てくる多種多様な仕事をする人たちの生活、そのどれもが現実のものとして感じられること。作家さんのインプット力、表現力には本当に脱帽する。

Posted byブクログ

2023/05/27

デビュー十周年を記念して、さまざまな企業からオーダーされた宣伝用の短編。 発注元、発注内容、発表媒体とともに、作者の感想(言い訳?)があって、面白かった。

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2023/04/16

朝井リョウさんのどんな仕事をしてきたかのまとめのような本。作家さんは自身の作品のみならず、企業からの依頼で書くことも多くあるのだなということが分かるし、それぞれの企業のこんな感じで書いてほしいという条件などもあるし、それに合わせて書くってすごいなと思う。それぞれ、短編ではあるけど...

朝井リョウさんのどんな仕事をしてきたかのまとめのような本。作家さんは自身の作品のみならず、企業からの依頼で書くことも多くあるのだなということが分かるし、それぞれの企業のこんな感じで書いてほしいという条件などもあるし、それに合わせて書くってすごいなと思う。それぞれ、短編ではあるけど、面白い作品が多く、それぞれの話で発展させて作品が完成しそう。

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2023/03/27

単行本として出版されないとなかなか出会わないけど、こんなにもいろんな媒体で小説って書かれてるんだなぁと思いながら一つずつ読み終えた。 宣伝したいものや伝えたいこと、そして物理的な限りがあるから当たり前なんだけど、決められたテーマ、分量などなど、制限のある中で書けるってすごい。朝井...

単行本として出版されないとなかなか出会わないけど、こんなにもいろんな媒体で小説って書かれてるんだなぁと思いながら一つずつ読み終えた。 宣伝したいものや伝えたいこと、そして物理的な限りがあるから当たり前なんだけど、決められたテーマ、分量などなど、制限のある中で書けるってすごい。朝井さんの感想?も読めておもしろかった。 この中ではわりと長めのお話が好きだったかな、ウイスキー、たばこのお話あたり。お酒が飲みたくなる〜。

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2023/02/15

森永製菓、アサヒビール、資生堂など様々な企業からのお題を元に書いた小説・エッセイ20篇が収録。 普段、単行本になった作品しか読まないので企業からこんなに発注がある事にまず驚く。 肝心の中身よりも、結構アバウトな発注内容と、作者に取って馴染みのないテーマに関わらず発想を飛ばして...

森永製菓、アサヒビール、資生堂など様々な企業からのお題を元に書いた小説・エッセイ20篇が収録。 普段、単行本になった作品しか読まないので企業からこんなに発注がある事にまず驚く。 肝心の中身よりも、結構アバウトな発注内容と、作者に取って馴染みのないテーマに関わらず発想を飛ばして一つの作品を作り上げる事に感服する。 各作品の終わりに著者本人の感想が書かれているのも新鮮で面白い。 私も朝井さん自身が書かれている様に著者には「心地いい読後感」より「心ざわつくような違和感」を求めているけれどこれはこれで興味深く面白かった。

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2023/02/11

デビュー十周年、これまでに有名企業からの依頼に応えて書いた小説や随筆を集めた作品集。発注内容→作品→感想という構成で出来ています。 なるほどね、こんな依頼が来てこんな作品が出来上がるんだ。その依頼内容と作品の間の捻り具合が中々に楽しく(原田マハが不動産会社からの依頼で書いた『スイ...

デビュー十周年、これまでに有名企業からの依頼に応えて書いた小説や随筆を集めた作品集。発注内容→作品→感想という構成で出来ています。 なるほどね、こんな依頼が来てこんな作品が出来上がるんだ。その依頼内容と作品の間の捻り具合が中々に楽しく(原田マハが不動産会社からの依頼で書いた『スイート・ホーム』の捻りの無さとはだいぶ違うなぁ)。 この発注内容→作品→感想という構成は小川洋子とクラフト・エヴィング商會の共著『注文の多い注文書』を思い起こさせます。こちらは注文書(小川)→納品書(商會)→受領書(小川)の構成で描かれる物語。「粋」さが際立った『注文の多い注文書』に比べ、本当の発注なのでリアル。それをユーモラスな「感想」でうまく遊んではいるのですが、やはり少々生々しい気もします。 どうも私は朝井さんとの相性が悪いようで、これまで5冊、ピタッと来るような本に当たりません。この本の中でも『17歳の繭』や『贋作』は引き込まれはしたもののエンディングがうまく嵌らず。もう一冊、話題作の『正欲』に行くか、それとも原点回帰で『桐島・・』に戻ってみるか?

Posted byブクログ

2023/01/16

著者のデビュー10周年を記念して、過去の企業とのタイアップで書かれた小説やエッセイなどを集め作られた本。最後に新作短編も一つ。 さまざまな企業との色や温度の異なる文章計20本、楽しめた!それぞれの終わりに著者自身による文章への感想やコメントがあるのが面白いところ。

Posted byブクログ

2022/12/28

いろんな発注に対してのコメント付きで、どんな視点でストーリーを考えつくのかわかりやすかった。 その商品なりを知らなくてもストーリーとして面白く、後味も比較的さっぱり。 個人的には最後の話だけ朝井リョウっぽいちょっとだけざらざらした読後感。 謙遜のラインって難しいよなぁと…

Posted byブクログ