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人材育成と職場の人間関係 の商品レビュー

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2020/03/16

かつて経営学の領域ではホーソン実験ということを知った、そしてキャリアではホール、シャイン、スーパーなどの理論も学んできた。メンタリングという領域もかじってきた。それぞれが独立した全くの別世界のように感じていたものが、見事に一本の筋を持って説明されたように感じる。組織の中でも職場レ...

かつて経営学の領域ではホーソン実験ということを知った、そしてキャリアではホール、シャイン、スーパーなどの理論も学んできた。メンタリングという領域もかじってきた。それぞれが独立した全くの別世界のように感じていたものが、見事に一本の筋を持って説明されたように感じる。組織の中でも職場レベルでのマネジメント、その中に存在するインフォーマルな関係を通じて、キャリア形成、成長していくという主張は私自身の会社時代の経験からも実感がある結論だ。上司の影響だけではなく、かつての上司の存在!というのは確かに意味があることだった。キャリア目標に影響があった人として現在の上司以上の相関を示す数値は興味深い。ⅮN(Developmental Network)という用語がこの書物のキーワードだった。同じ上司に仕えた人たちの会、◯◯会というものが良く存在し、その中での先輩後輩関係が大きかった!キャリア初期におけるⅮNの特性のキャリア形成への影響を2社のアンケート調査の結果から論証していくという過程が、正に社会科学の面白さということなのだろう。惜しむらくはB社の監督職のサンプル数が少ないということ。ビッグファイブ論なるものは近年の性格特性論の中で定説となっているとの説明もあったが、これについてはさらなる研究に興味を感じる。

Posted byブクログ