パレスチナ/イスラエル論 の商品レビュー
本書は、パレスチナとイスラエルの関係性を多くの視点で描かれている。よくニュースで報道されているのは、テロリスト「ハマス」をターゲットとしたイスラエルの奮闘だが、本書を読んで、イスラエルが行ったパレスチナにおけるエスニッククレンジングを考えれば、必ずしもテロリストとは言えないのかも...
本書は、パレスチナとイスラエルの関係性を多くの視点で描かれている。よくニュースで報道されているのは、テロリスト「ハマス」をターゲットとしたイスラエルの奮闘だが、本書を読んで、イスラエルが行ったパレスチナにおけるエスニッククレンジングを考えれば、必ずしもテロリストとは言えないのかもしれない。ましてや、テロリストというレッテルは、一方向から見たものであり、逆方向から見たら、希望の戦士なのかもしれない。 そして、このイスラエルの行動について、シオニストは、どの国でも起こった建国時の内戦であると言うが、21世紀の現代において、その主張は無理がある。中世と現代を比較しても、道徳倫理観が全く異なるからである。
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パレスチナとイスラエルのことを知りたいならば、これを読むのはとてもおすすめできる。 第I部は早尾さんの専門でもある歴史哲学に関わる章だから、馴染みのない(私のような…)人は少し苦戦するかも。でも、ちゃんとどういう思想か説明があるから大丈夫だった。案外、哲学が好きな人はスラスラ読...
パレスチナとイスラエルのことを知りたいならば、これを読むのはとてもおすすめできる。 第I部は早尾さんの専門でもある歴史哲学に関わる章だから、馴染みのない(私のような…)人は少し苦戦するかも。でも、ちゃんとどういう思想か説明があるから大丈夫だった。案外、哲学が好きな人はスラスラ読めちゃうのかも? 第II部はアートや映画などの表象分析だから、ぐんぐん読めた。なんなら最初に読み始めた。早尾さんの批評は的確で、自分に気付かず染みついた色眼鏡を剥がしてくれるような感じで、痺れます…。 第III部は歴史認識について。イラン・パペやサラ・ロイの詳細な解説もありがたかった…。真実を認め、責任の明確化がされたうえでの賠償がなければ、和解とは言えない。日本と韓国の例もあった。実証史の作業と「橋渡し」が大事。それをパペはやっている。
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