ポラリスが降り注ぐ夜 の商品レビュー
7人の女性のセクマイとしての物語がとあるレズビアンバーで交錯する。 まず風景描写が良かった。 二丁目近辺の描写がびっくりするほど精確になされていてゲイの自分としては感心した(李琴峰さん自身もレズビアンとのこと)し、 台湾のひまわり運動についても雰囲気や温度感、匂いまでも伝わって...
7人の女性のセクマイとしての物語がとあるレズビアンバーで交錯する。 まず風景描写が良かった。 二丁目近辺の描写がびっくりするほど精確になされていてゲイの自分としては感心した(李琴峰さん自身もレズビアンとのこと)し、 台湾のひまわり運動についても雰囲気や温度感、匂いまでも伝わってきて、当時facebookで繋がっていた台湾の友人がたくさん情報発信をしていたが、むしろSNSを見るより伝わったかもしれない。 またセクシャルマイノリティの中でもバイセクシャル・レズビアン・トランスジェンダー、アセクシャル、日本人・台湾人・中国人と多様な恋模様・人間模様が見られていて、このあたりの解像度の高さもLGBT界隈の作品では意外と見られないものだと思った。 7人の物語が今ひとつにつながって大団円に…!という展開ではなくあくまで平行的で、それぞれの物語が淡々と進む。 苦い話も多く、特にトランスジェンダーの登場人物はやはりセクマイの中でも苦しいことが多いが、最後に少しだけ希望があるような終わり方をするのはやはりそれらの物語が交差する場がきらりと光る「ポラリス=北極星」だからだろうか。 ★時間とお金のムダ ★★普通〜微妙 ★★★よかった ★★★★心が動いた(感動した、意表をつかれた、ショックだった) ★★★★★人生の本棚に入れたい
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私意外が仲の良い、あまり知らない人たちのグループの中で、身を潜めている。 会話の内容が、私の日常の円とは全く重ならなくて、でもその集団では、当たり前でくくられている。 そんな感じだから、会話に入ることもできなくて、かと言って無表情なのも異物になってしまうから曖昧に微笑んでいる。...
私意外が仲の良い、あまり知らない人たちのグループの中で、身を潜めている。 会話の内容が、私の日常の円とは全く重ならなくて、でもその集団では、当たり前でくくられている。 そんな感じだから、会話に入ることもできなくて、かと言って無表情なのも異物になってしまうから曖昧に微笑んでいる。 そんな気持ちに似ているのだろうか。 想像したところで、本当のことは当事者でないと分からない。分からないけれど、知ることはできる。
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意味合いが違うけど ジュンパ・ラリヒさんの「その名にちなんで」を思い出した。 マイノリティとして生きること、そういう風にカテゴリーに分けられること。そしてカテゴリーに分けることは誰がやるの?…そんな疑問はいつも持っとかないと知らずに「たくさんいる派」の理論で押してしまう…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏の白鳥のお話が好きでした。一つ一つの物語の登場人物が繋がっていてそれぞれ全く違う背景があって中国台湾日本オーストラリア昔の日本と複数の場所と時代を横断しているけど繋がっていて面白かったです。あと街中人生相談やってる人に相談しに行くところも、どんな相談乗ってくれるんだろうと思ってたので少し知れて良かったです。
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レズビアン、トランスジェンダー、ゲイ… それだけの名称では収まらない多様化する性の形は、むしろ表面化したことによりやっと”多様な性のあり方”が本当はずっと見えない場所にあったのだと私たちに教えてくれる 在日台湾人の筆者が記す、イマの新宿二丁目の昼と夜
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様々なジェンダー、人それぞれの捉え方、そして物語の中に深く織り込まれた台湾、中国の歴史。 ひとつひとつの章の重みが、とても短篇集とは思えないものだった。
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ジェンダーっていうのはアイデンティティの根幹を為す部分だと思うから、そこが揺らいでいたり、周りに認めてもらえないというのはすごく辛いだろうな。あと、オードリー・タンの印象が強いけど、台湾でももちろんまだLGBTへの差別が強いんだなと改めて感じた。 読み進めるうちに連作小説になって...
ジェンダーっていうのはアイデンティティの根幹を為す部分だと思うから、そこが揺らいでいたり、周りに認めてもらえないというのはすごく辛いだろうな。あと、オードリー・タンの印象が強いけど、台湾でももちろんまだLGBTへの差別が強いんだなと改めて感じた。 読み進めるうちに連作小説になっていることに気づいて、構成もよかった。多種多様な人たちのジェンダーが描かれているけれど、この作品から感じたのは今の時代に至るまでの新宿2丁目の文化を気づいてきた人たちへの敬意だった。まだ広くLGBTという知識がなかった時代から地道に、連綿と居場所を築き上げてきてくれたことへの感謝の念に溢れた作品だった。
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連作短編集7編 夏子の新宿2丁目のレズのお店「ポラリス」にやってくる傷ついたマイノリティ.性に関わる生きづらさがいろいろな形で現れ,哀しい結果になったり癒されたりする.この本で性差に関するあり方の多様性を知った.偏見に負けないでほしい.
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読んでいる最中からずっと、帯に書いてある「純愛小説」という単語があまりしっくりこなかった。確かに女性同士の恋愛を描いた作品ではあるけど、純愛小説というよりもっと生々しくてリアリティのある、ほとんどドキュメンタリーのような文章じゃないか。後半の作品では新宿二丁目の歴史までまとめられ...
読んでいる最中からずっと、帯に書いてある「純愛小説」という単語があまりしっくりこなかった。確かに女性同士の恋愛を描いた作品ではあるけど、純愛小説というよりもっと生々しくてリアリティのある、ほとんどドキュメンタリーのような文章じゃないか。後半の作品では新宿二丁目の歴史までまとめられている。登場人物一人ひとりの切実な生き方が全部刺さった。読んでいて苦しいほどだった。 というレビューを投稿しツイートしたあと、エゴサしたらしき編集者さんから引用リツイートで「純『恋』小説なんです」と教えていただいた。帯をちゃんと見たらほんとうに「恋」だった! 確認不足で反省。それにしても純「恋」は純「愛」よりもずっとずっとしっくりくるなぁ。 セクシュアリティには細分化された名前がたくさんある。作品中でたびたび登場するさまざまな呼称は、その呼称をつけることそのものについても考えさせられた。名前をつけることで自分の類型がわかって安心する人もいれば、名前をつけられることで枠にはめられたような気分になる人もいる。私はどうだろう。少なくとも、その名前だけで自分や他人を判断することがないように生きたいと思う。 【読んだ目的・理由】著者の記事を読んで興味を持ったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.0 【一番好きな表現】自分が子供なんて作らなくても、自分の遺伝子なんて後世に残さなくても、自分が刻んだ命の軌跡は人間の営みと共に、連綿と受け継がれていく。(本文から引用)
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新宿にあるバー「ポラリス」に集まる人たちの、それぞれの物語。 知らない言葉がたくさん出てきて、勉強になった。
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