神域(下) の商品レビュー
再生医療でアルツハイマーを治療しようとしているが重大な副作用があることが発覚する。 それに関わる警察と医者と政治との関係が複雑に絡む
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面白い.ただ,心のそこから楽しめは出来なかった.それは,斯様な研究者が斯様な実験を行うことがあまりにも現実味がない,と感じてしまったからである. それは高い倫理観ゆえにではない.研究者は時として倫理観がない.恐怖心でもない.それは麻痺しなんらかのタイミングで消失することもある.組...
面白い.ただ,心のそこから楽しめは出来なかった.それは,斯様な研究者が斯様な実験を行うことがあまりにも現実味がない,と感じてしまったからである. それは高い倫理観ゆえにではない.研究者は時として倫理観がない.恐怖心でもない.それは麻痺しなんらかのタイミングで消失することもある.組織的なチェック機構でもない.案外結構ガバガバなので. ただ,それら全てが少しずつ考慮に入って,全部が起こる確率がびっくりするくらい低いと感じてしまう感性だと思う. 殺人だって起こる確率が低いのに楽しめる.それが科学の斯様な事象では抵抗感があったのは,ただ職業柄なのかもしれなく,残念.
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認知症と再生医療がテーマの本作、法を犯して認知症治療研究に取り込む医師と、徘徊老人失踪事件に挑む刑事、再生医療担当官僚が主人公。 再生医療の事は全く無知だったので、 興味を持たせてくれた一冊です。 認知症で感情が死んでしまうより、 人として少しでも長く生きられる未認可の細胞に ...
認知症と再生医療がテーマの本作、法を犯して認知症治療研究に取り込む医師と、徘徊老人失踪事件に挑む刑事、再生医療担当官僚が主人公。 再生医療の事は全く無知だったので、 興味を持たせてくれた一冊です。 認知症で感情が死んでしまうより、 人として少しでも長く生きられる未認可の細胞に 飛びついてしまう気持ちは理解できるが、 自分だったら、家族が患ったらどうするか、、 とても考えさせられた一冊です。
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※このレビューにはネタバレを含みます
脳細胞を再生させる新薬。残念ながら、完治するわけではない。一時的に発症前の状態に脳を戻せる。有効期限は数年、その後は死を迎える。この薬は、日本で承認されるだろうか? 恐らく日本では承認されない。治験も消極的。半面、海外(USAなど)では、承認、実用化される、きっと。 この違いは何だろうと、悩む。誰のための新薬か、と。苦しんでいる患者ともっと苦しんでいる家族のためには誰も動かない?のか。「99%成功していても、最後の1%で、多くの開拓者が壁に立ちはだかられ破滅していく」のとおり、日本は壁だらけなのかもしれない。 「未承認の薬があったら、使用するか」と、主人公が父に問うが、一蹴される。少なくとも、自分の母親の痴呆を死を受け止めているハズなのに。やはり、医者の立場としては、勧められないのかもしれない。けど、自分で使うなら…。 きっと、私は使用を躊躇わない。人間としての尊厳は死守したい。外国で合法なら、渡航してでも、と。 短くても、人間らしい最期を、と考えるのは罪悪ですか。現実を直面していない戯言でしょうか。
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上巻に続き、下巻も一気読み。 ※神域 上 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4620108472#comment 下巻になって、ミステリーの謎もほぼほぼ解消され、 あとは ・どう謎が解かれていくのか? ・どう物語がクローズし...
上巻に続き、下巻も一気読み。 ※神域 上 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4620108472#comment 下巻になって、ミステリーの謎もほぼほぼ解消され、 あとは ・どう謎が解かれていくのか? ・どう物語がクローズしていくのか? に読者の関心が収束していきます。 個人的には、(民王などの異色作はあるものの) ハゲタカの印象が強すぎる真山さんだったので、 ビジネスに寄り過ぎていなかった本作は、 自分のイメージとは若干異なりましたが、 それなりに物語を楽しむことができました。 医療関係者は、ちょっとあり得ない設定に、 気分を害する人もいるかもしれないですね。 ミステリーを解決する側にいる警察関係者の 何が起こっているの?からこいつが怪しい!に至る過程が 若干ジャンプ感があったかなという印象。 最後の結末(物語のクローズのやり方)も、 そういう展開なのね…という感じで、 多少の好みが分かれるかもです。 アルツハイマー病の薬が日本の製薬企業で開発されつつある昨今、 ホットトピックな内容の小説かなと思います。
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真山さんの小説は相変わらず面白い。 医療小説と経済小説のちょっとどっちつかずな所もありましたが、痴呆というテーマの本はあまり読んだ事が無いので面白かった。
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この手の医療小説はSFより面白い。誰も悪い奴はいないのでできればもう少し当人たちの主義主張がぶつかり合う様子が欲しかったなぁ...
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※このレビューにはネタバレを含みます
読書備忘録609号(上下巻)。 ★★★★。 下巻終わって・・・、まあいい感じで終わりました。 アルツハイマー病を治す奇跡の人口万能幹細胞(IUS)フェニックス7。IPS細胞の上級グレード細胞ですね。 主なプレイヤーは以下の通り。 ①アルキメデス科学研究所:奇跡の新薬としてフェニックス7の開発を東大先端生命科学研究センターと連携して進めている。 ②政府:国家の威信を掛けて日本の経済再生プロジェクトとして後押しする。 ③アメリカ:フェニックス7に対し政治介入して奪うことを画策する。 ④宮城県警:アルキメデス科研の所在地、宮城県で高齢者の行き倒れ死を捜査する。 ここからは完全なネタバレ。 アルキメデス科研の理事長氷川はアルツハイマー病家系であり、自分もその兆候が現れていることで焦り、フェニックス7の開発を加速させたい。 ただ、フェニックス7は処方後に脳細胞の増殖が止まらなくなり、脳を破壊することがあるという問題を抱えていた。 その解決の為には原因因子を特定するため人間を使った治験(人体実験)が必要。アルキメデス科研所長の篠塚は、徘徊老人を拉致しフェニックス7を処方することで闇の治験を進める。しかしやはり脳の膨張で死者が出てしまう。もともと徘徊老人であることから、死体をそれらしく遺棄する。 徘徊老人の行方不明事件から数か月後に、死体で発見されることに違和感を覚えた宮城県警は最終的にアルキメデス科研の闇に行きつく。 捜査の手が伸びてくるアルキメデス科研。人間での治験を米国に移すことを画策する氷川。フェニックス7は日の目を見るのか!それとも司法の手に掛かって消滅するのか!という感じです。 徘徊老人はフェニックス7の処方でボケる前の状態を凌駕するくらい回復する。どうせボケが進み死ぬ運命だった老人たちは無条件に感謝する。例え副作用で死ぬことになったとしても・・・。 これは人助けなのか?神の領域に踏み込んだ犯罪なのか? 最後の終わり方はなるほど!あるかも知れないなぁ、と思わせるものでした。
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高齢者失踪事件の全貌。アルツハイマーの新薬開発における老人たちへの治験であった。事件が明るみに出そうになると、国家機密扱いとなり真実は闇の中へ葬り去られる。
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昨日はコロナのNスペ出演し「感染防止と経済対立させることがおかしい」小説は、どう着地させるのかとハラハラ。横紙破りの横暴極まる国家権力発動、特定秘密保護法発動。それでも読み終えて後味悪くないのは異次元キャラ、松永がテンポ生み出し、重いテーマをすんなりと。
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