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十字架のカルテ の商品レビュー

3.9

126件のお客様レビュー

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2024/08/12

精神鑑定がテーマの連作短編集。精神疾患の実態や、それに対する世間の偏見が生々しく描かれており、すごく勉強になった。それに加えて、謎解き要素もしっかり用意されており楽しめた。特に最後の話が良かった。

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2024/06/05

目に見えない闇を暴いていく。 繋がってはいるが短編でまとめられていて読みやすかった。 精神医療の勉強にもなった。

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2024/05/20

最後の短編集はめちゃくちゃ面白かった!あのままでは終わらないだろうなぁー、と思いながら最後にまさかの結末。知念実希人の作品はハラハラ、ドキドキが止まらない内容でした。

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2024/03/16

知念実希人は精神鑑定の世界も題材とすることができるのだな〜と感嘆。エピソードを積み上げ、プロローグを回収していく構成はとても面白かった。

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2024/02/10

精神鑑定がテーマの短編連作。 目には見えない心に相対する難しさがよく伝わってきた。 また、鑑定対象の嘘を見破っていく推理にわくわくした。 物語に大きな起伏がなくて、すらすらと読めるものの物足りない感じがしたが、最終話の謎にはしびれた。 ☆3.8

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2024/01/30

鑑定という馴染みのないジャンルでした。 刑法39条の「心神喪失者の行為は罰しない」この法は本当に必要なのだろうか。深く考えさせられた。

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2024/01/21

鑑定というなかなか馴染みのないジャンルの本でしたが、大変読み応えがありました。 犯罪を犯してしまった人というと、何か自分とは違う得体の知れない怖さを抱きますが、この本を読んでみて、それぞれ犯罪を犯すまでの背景があり、面白かったです。 登場人物がどんな場所にいてどんな喋り方をして...

鑑定というなかなか馴染みのないジャンルの本でしたが、大変読み応えがありました。 犯罪を犯してしまった人というと、何か自分とは違う得体の知れない怖さを抱きますが、この本を読んでみて、それぞれ犯罪を犯すまでの背景があり、面白かったです。 登場人物がどんな場所にいてどんな喋り方をしているのか等々…想像しながら読むのは楽しいです。 以前、本当にすごく昔の話ですが、天久鷹央の推理カルテも好きで集めていたなぁと思い出しました。 まだ実家にあるのかな。ちょっと帰省した時に手に取ってまた読んでみようかな。医療系の小説は、作者が医師ということもあるのでしょうが、ノンフィクションみたいな気がしてたまりません。 おもしろかったです。

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2023/12/12

精神鑑定医ならではの考察によるミステリー要素も絡めつつ、司法制度について考えさせられた。「医療観察法」についても無知だった…。 「心神喪失者の行為は罰しない」という刑法39条は、なんと不合理な制度だろう。 罪に問われるか否かを見極める精神鑑定が重責を担っていることを知れた。 シリ...

精神鑑定医ならではの考察によるミステリー要素も絡めつつ、司法制度について考えさせられた。「医療観察法」についても無知だった…。 「心神喪失者の行為は罰しない」という刑法39条は、なんと不合理な制度だろう。 罪に問われるか否かを見極める精神鑑定が重責を担っていることを知れた。 シリーズ化希望。

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2023/12/03

短編集のように思えましたが、最終章で一本の物語になりました。精神病というのは、本当に難しいですね。環境次第では、誰にでも起こり得る病気だと思います。周囲の理解が大切ですね。

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2023/07/25

Audible読了 興味深く読めた。 新米の助手と、名探偵のドクター。 ミステリーとしては手がかりが後出しで、トリックを楽しむものでもないと思う。患者の持つ痛み、そして心の闇を、金田一少年が解決していくがごとくを楽しむ。そんなエンターテイメントだった。ただ、その題材は深い。 精...

Audible読了 興味深く読めた。 新米の助手と、名探偵のドクター。 ミステリーとしては手がかりが後出しで、トリックを楽しむものでもないと思う。患者の持つ痛み、そして心の闇を、金田一少年が解決していくがごとくを楽しむ。そんなエンターテイメントだった。ただ、その題材は深い。 精神鑑定に持ち込まれた被疑者を、無罪の上で強制入院とするか、起訴されて罪人とするか。その者の人生にとっても、社会への影響を考えても、その診断が未来を大きく左右させる。その意味で、私たち一般人はその中身を知らなさすぎる世界。 卑劣な犯行に及んだ人間が、心神に支障があり無罪、というニュースが流れると、そんな馬鹿な!司法はどうなってる!と誰しもが憤りを抱くだろう。 その中を覗かせてくれた。遅ればせながらも十字架の意味に気付き、タイトルセンスのスパイスにもしびれた。 ── (未だに)多くの人が、精神疾患に対しては極めて無知だ。無知は恐怖を呼び、恐怖は差別を生み出す。彼らにとって、精神疾患患者がそばに存在しているということは、怪物とともに生活しているようなプレッシャーになる。 患者からすれば、自分たち健常者こそが怪物に見えているということも知らずに。 ドクターが、そう主人公に伝えるシーン。 この精神病の世界も、家庭も、患者自身も、多くは社会から隔離されており孤独だ。いくら発達障害とか、うつ病だとか社会認知が上がってきているとしても、他者に危害を加えてしまったら途端に悪魔扱いされる。 たまたま『名もなき毒』を読んだ後だけに、この差別という強い毒性は、自分の前に強烈に立ち上ってきた。 何か、簡単に納得してはいけないものがあるのを感じる。 一体誰がこの悪魔を産んだ。 いや犯人探しよりも、どう癒すかの方が先か。 すると、罪はどこに消えることになる。 消えない炎からは、悪魔がまた易々と産まれてしまうだろう。 輪郭のない精神医療の中で、自分の仕事の領域をきっちり守る。そんなドクターの姿勢からは、居住まいを正されるような気持ちになった。 読後にもこの作品の真価を見たような気がする。

Posted byブクログ