空洞電車 の商品レビュー

朝倉宏景(著者)

2023/07/06

バンドのメンバーそれぞれが、ミツトを失った空洞を抱えながら自分の生活を続けていく。音楽やバンドに対する思いや家族との関係が描かれていて、引き込まれた。空洞電車の持つ意味が良かった。

2020/09/18

78それぞれが想いを抱えて、次のステップに挑もうとする、音楽を通して自分を振り返る青春のお話し。劇中歌を作ってジャニーズ以外で映像化して欲しい

2020/09/15

北上次郎氏の書評とリーダーを失ったロックバンドの物語ということで読み出したが、三分の一くらいで中断。なかなか音楽が聴こえてこない、歌詞の魅力もわからない、そうなると登場人物にも思い入れするのが難しい。相性の問題だな。

2020/07/08

メジャーデビューを果たし、これからという時にボーカルが突然の死。残されたメンバー達は、どう一歩前に踏み出すのか。今おかれている状況、悩み、今後のバンド活動などが赤裸々に描かれています。全5章＋αという構成で、それぞれの章では、一人ずつにスポットを当てています。
穴がポッカリと開いたような心をどう埋めていくのか、ボーカルと会ったときの謎のメッセージを絡めながら、みんな一歩踏み出そうと頑張っています。

ちなみにボーカルの死の真相は明確には語られていません。遺書はなく、事故なのか、自殺なのかわかりません。
それよりも残されたメンバーが、色々苦しみ、もがき懸命に踏み出そうとしている姿には、泥臭いながらも前に踏み出す勇気を与えてくれます。文章は重くなく、コミカルな部分もあるので、重い気持ちにはなりませんでした。

また、この作品では、死んだボーカルが残した歌詞がそれぞれメンバーに最後のメッセージかのように心に突き刺さります。架空のロックバンドですが、曲を聴いてみたくなりましたし、応援もしたくなりました。

改めて音楽は、人を癒したり、心を動かしたりと色んな影響を与えてくれるんだなと思わせてくれました。
自分も頑張ろうと思いました。

2020/04/15

天才を擁するバンドがメジャーデビューをし、これから順風満帆で音楽業界を駆け抜けていこうとするその取っ掛かりで、その天才が転落事故で死亡。
途方に暮れたバンドメンバー達の選択は？バンドの内部はどうだったのか。一章ずつメンバーの姿を描いていて、同じ音楽をしているものとして興味深く読みました。

天才ヴォーカルで天才ソングライターが抜けたとして(生死問わず)、バンドが存続出来るのか。過去にも世界中の色々なバンドが直面した事態だと思います。
各パートであっても置き換えの効かない人もいれば、無情にもあまり影響のない人もいたりするかもしれません。
一番有名な所ではQueenのフレディーが思い浮かびますが、その後もメンバーは別のヴォーカリストを入れてプロジェクト的にバンドを続けています。これは巨大バンドだったからできたとも言えますが・・・。

一人一人のエピソードは短いのですが、個性的でしかも親しみ深く、短期間で共感させる力が有って、聞いたことも無い架空のバンドなのに、存続をとても祈りながら読んでいました。どういう歌なのかと音を想像しながら読んでいるのはとても楽しかったです。
バンドは終わっても演奏は終わらないし、どこでだって人を感動させることは出来ると思っています。成功そのものが音楽のモチベーションになるのは確かですが、違うベクトルで音楽の喜びを持てることが一番幸せな事なんじゃないかな。