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銀河の片隅で科学夜話 の商品レビュー

4.2

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2020/12/12

物理学者による、科学エッセイ22編。 題材の選定から、タイトルや装丁を含めて、マーケティングの勝利だなぁと思いました。 解説本かストーリーものになりがちな科学の分野において、「美しさ」を前面に出して、読んだ先にある理解や感動と言うよりも、読む時間そのものの価値を高めてくれる本とい...

物理学者による、科学エッセイ22編。 題材の選定から、タイトルや装丁を含めて、マーケティングの勝利だなぁと思いました。 解説本かストーリーものになりがちな科学の分野において、「美しさ」を前面に出して、読んだ先にある理解や感動と言うよりも、読む時間そのものの価値を高めてくれる本という印象。 ある意味、暖炉のある山荘で、スコッチでも飲みながら読むような贅沢な時間だと「錯覚」できるような不思議な本です。実際には、自分は都会の狭い自宅にいて、お供は缶ビールだったりするのですが(笑 このジャンル、もっと花開いたら面白いですね。 ちなみに、個人的には序盤は少々読みづらかったので、後ろの「生命編」あたりから読むと良いのではと思いました。 総論としては以上で、あとは細かいツッコミです。 まず、通常挿絵の脇に何らかの解説がついているものですが、本著は無いものの方が多いくらい。概ね文脈で理解できるものの、一部は「わざわざこの絵を入れる理由は何?」となるものも。 (例えば、ラグランジュ点の末尾についている"North American Hotel"のブローシャ-らしきもの(関係ないですが、これってスティーブン・フォスターが亡くなったホテル?)) 個人的には「まぁ理解しなくて良いから気楽に読んで」だと解釈しましたが、ちょっとモヤモヤする人もいるかも。 あと、意図的に漢字を多くしているようにも思える文章はちょっと読みづらいです。「在る」「何処」「亘って」等々、コレを漢字で書いても偏差値は上がらないと思うのですが、マーケティング上の理由でしょうか。 続巻はもちろん期待したいところですが、このジャンルに色々な著者が参加してくると、もっと面白くなりそうです。

Posted byブクログ

2020/12/05

8ページ程の科学ものエッセイが22編。 寝る前に1編づつ読めば、ひと月弱楽しめます。 なんですが、図書館で借りて予約待ちの人がいるのでチョット急いで2週間で読みました。 最近読み終わった「脳はすこぶる快楽主義」に出てきたじゃんけんで勝つ方法の話題がここでも出てきた。 グー、チョ...

8ページ程の科学ものエッセイが22編。 寝る前に1編づつ読めば、ひと月弱楽しめます。 なんですが、図書館で借りて予約待ちの人がいるのでチョット急いで2週間で読みました。 最近読み終わった「脳はすこぶる快楽主義」に出てきたじゃんけんで勝つ方法の話題がここでも出てきた。 グー、チョキ、パーを出す確率と負けた時に次にどれを出す確率が高いかというデータに基づいている。 本書は、今年発行と新しいためか、人工知能の話題もあって楽しめた。 有名なトロッコ問題で、「あなたならどうする?」ではなく「自動運転のAIにどう判断させる?」という問いかけをしている。 老若男女の誰を大事だと思っているか、人数の大小をどれだけ優先するか、国ごとの文化風土で違いが出る。 10人のじいさんを助けるか、若い女性と赤ちゃんの2人を助けるか、どちらかを選ばねばならない問題だ。 自動運転のAIでは、このような突発的な非常事態をどのように回避するかを実装しなくてはならず、対応方法の正解はない。 結局は国によって判断を変える、ということを考慮して自動運転車の開発を進めることになる。 実際はそこにこだわるまで開発が進んではいないでしょうけど。 ヒトの脳には10億のニューロンがあるらしいが、アリの脳のニューロンは人の1000分の1しかない。 とは言え、100万ものニューロンがあるとは意外と多いと思う。 現在の人工知能はまだ数万だそうだから、アリに追いつくのもまだまだ先だ。 アリって凄い頭脳を持っているのだ。 理系の人には少し物足りないかもしれませんが、気軽に気楽に科学のおもしろさに触れることができるいい本だと思います。

Posted byブクログ

2020/12/02

物理の話など,素養のない私には理解しにくいものもありましたが,新しい世界が広がるようで,興味深く読みました。 三人寄れば文殊の知恵,アリの社会性の話,宇宙の話が特に印象に残りました。

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2020/12/01

「数理社会編」の確率や多数決の理論、「生命編」の反乱を起こす奴隷蟻、世代を継いで長旅をするモナーク蝶等々…知的好奇心を刺激するネタばかりで面白かった。各章が短くサクッと読めるのが良い。

Posted byブクログ

2020/11/27

「銀河」がタイトルに含まれているので、宇宙エッセイが読みたいと思って手にとったのだが良い意味で裏切られた。 もちろん宇宙がテーマの文章も含まれているが、他にも原子、社会、倫理、生命とテーマに広がりがあり、それぞれが品質の高い文章で、興味深い内容が語られている。 「宇宙の中心はど...

「銀河」がタイトルに含まれているので、宇宙エッセイが読みたいと思って手にとったのだが良い意味で裏切られた。 もちろん宇宙がテーマの文章も含まれているが、他にも原子、社会、倫理、生命とテーマに広がりがあり、それぞれが品質の高い文章で、興味深い内容が語られている。 「宇宙の中心はどこであろうか。実はこの質問には答えがない。宇宙は、より多次元の空間に埋め込まれた、両端がつながった閉じた空間だからである。ちょうど地球の表面の二次元世界に生きる生物にとって、地球のどの地点が中心かという質問が無意味なように」(P.28) この文章が一番印象に残っている。 地球が三次元の球体であるということは今では誰でも知っていることだけど、その知識がなければ自分たちは平面の大地の上で生きていて、大地や海にはどこかに終りがあるかもしれないと思える。実際昔の人々はそのように解釈していた。 それと同じように、三次元空間に見える宇宙も、時間を越えて端と端がつながっているということは十分ありうることだと思う。宇宙を見る目が変わった気がする。 判型や重さもちょうど手に取りやすいサイズで、装丁や挿絵がおしゃれで、何となくリビングのその辺に置いておきたくなるような本です。

Posted byブクログ

2020/11/09

佇まいも文章も、与えてくれる知識まで、美しい科学の本。『ここにはSF100冊のネタが詰まっている』という大森望さんの書評はまさに。繋がってはない、だけどどこか繋がっている科学のエッセイたちが、読み始める前とは違う世界の観方を、抒情な美文とともにそっと授けてくれる。

Posted byブクログ

2020/10/21

読みやすい語り口で難解な科学話を面白く語っている本書。夜話という題名通り、宇宙の真ん中で読んでいるような落着きと広がりを感じた。内容は物理、化学、生物、宇宙など多岐にわたり、政治や歴史の話まで織り込まれ教養の深さに魅入った。文系でも読みやすいのでおすすめの本。

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2020/10/14

池澤夏樹さんの『エデンを遠く離れて』を思い出した。 装幀や使われている図版も美しく、どこから読んでも愉しい。

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2020/10/10

宇宙から数理、倫理や生命など多岐に渡る科学話をまとめた一冊。一編が10分程度で読めるので、寝る前にベッドで一編ずつ読み進めていくのは楽しかったなぁ。"三人よれば文殊の知恵"という格言が科学的にいかに的確かを解説する話がお気に入りでした。

Posted byブクログ

2020/09/17

装丁が綺麗だし、すごく詩的に科学の小話みたいなものを書いた作品。 読みやすいと思うけれど、広く浅く書いてあるので、そもそも科学に興味を持っている人や好きな人には物足りない…かもしれない。 興味を持つキッカケになるかもしれない一冊。という感じかな。

Posted byブクログ