沖縄「戦争マラリア」 の商品レビュー
1日で読み終えてしまった。 戦争マラリアと現状の日本をしっかりと知れる。 軍隊、自衛隊、基地の本質をもっと日本人は知識をつけて見極めるべきであると感じた。 昨日で、沖縄日本復帰50年。 しかし、復帰を素直に喜べない人も中にはいたこと、この本で知った。
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【琉球大学附属図書館OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29831105
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ドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」を撮った大矢さん。映画を観た時にも強く思ったけれど、戦争になったら軍隊は住民なんて守ってくれないことをみんな分かっとくべき。国も守ってなんかくれない。怖い。
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映画「沖縄スパイ戦史」の共同監督の1人、大矢英代さんの魂のこもった取材過程の書籍化である。既に書いたが、「ー戦史」は、2018年97作観た映画でのマイベストワンである。貴重な事実の発掘と鋭い視点を持つ傑作だった。私は映画を観るまでは「戦争マラリア」を全く知らなかった。本書は、映画...
映画「沖縄スパイ戦史」の共同監督の1人、大矢英代さんの魂のこもった取材過程の書籍化である。既に書いたが、「ー戦史」は、2018年97作観た映画でのマイベストワンである。貴重な事実の発掘と鋭い視点を持つ傑作だった。私は映画を観るまでは「戦争マラリア」を全く知らなかった。本書は、映画を観ていない圧倒的多数の日本人に、それを知らせる役割を持つだろう。 大矢英代(おおや・はなよ)。1987年生まれ、現在まだ33歳?若い!いまから10年前の2010年、千葉県生まれのジャーナリスト志望の女性が大学研究として沖縄の波照間島に訪れて、一つの知られざる事実に出会う。それから8年間、1年間休学して波照間島で生活しながら取材、やがて沖縄テレビに就職、フリーランサーになっていく。眩しいような真っ直ぐな人生である。現在カリフォルニア大学並びに早稲田大学ジャーナリズム研究所客員研究員。 1945年沖縄戦の最中、波照間島の当時の全人口の1/3にあたる552人が死亡した。原因は戦闘ではなかった。そもそも西表島や石垣島のある八重山列島では、米軍の上陸は無かった。しかし、大勢の住民は、マラリアの無い波照間島から蔓延する西表島のジャングル地帯へ、日本軍の命令によって強制的に移住させられ、マラリアによって病死したのである。戦争マラリアは、八重山列島全域で起き、犠牲者は3600人にのぼった。中でも最も深刻な被害を受けたのが、波照間島だった。 「思い出したくも無い」「他を訪ねてくれ」一介の学生は取材拒否に遭う。だから彼女はサトウキビ畑で働きながら8ヶ月間住み込んだ。そしてやがて消えゆく運命だった貴重な証人の姿をフィルムに収めたのである。この本は、もう1人の監督三上智恵が上梓したスパイ戦史の「証言集」とは全く趣が違って、1人の若者が瑞々しい精神を持ちながらもジャーナリストとして成長していくノンフィクションのようにも読めた。 島民周知のマラリアが蔓延する地域への強制疎開はなぜ起きたのか?そこには、沖縄北部で起きた「スパイ活動」と同じく、陸軍中野学校出身の青年の存在があった。山下虎雄(偽名)には任務があった。情報収集、住民の戦闘員化が文書として残っている。45年3月、米軍の波照間島上陸の「可能性」を理由に、山下は強制移住を「命令」した。この頃になると、住民の誰も山下に逆らえなかったという。 波照間島には、ある慰霊碑がある。そこには、通常の記念碑には絶対書かれない言葉が書かれている。 「かつてあった山下軍曹(偽名)の行為は許しはしようが決して忘れはしない」 それは、1人の個人への「究極の非難」の言葉だろう。そして、1人の個人であると同時に国家そのものへの非難の言葉だろう。 波照間島で世話を受けた浦仲おじいは、生前(2017死去)英代さんに繰り返し語ったという。 「戦争になると、国家は「国」というものを大事にして「民」を犠牲にする。でも「国」は「民」があって初めて成り立つものでしょう?戦争になるとね、そんなことも国民は忘れてしまうんですよ。八重山の人たちも、「お国のため」「天皇のため」と言って、マラリアで死ぬと分かっていながら軍の命令に従ったんだから」 琉球列島には、現在中国最前線として、与那国島に自衛隊レーダー、石垣島に自衛隊ミサイル、宮古島に自衛隊ミサイル、沖縄本島に自衛隊ミサイル、米軍、奄美大島に自衛隊ミサイルと、配備が完了している。見事な中国に向けた弓形の軍事基地である。新たな「捨て石作戦」が始まろうとしている、そう感じたのは私だけだろうか。有事の時に国が守るのは、民か、国か、本書を読んだ人には答は明らかだろう。
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現地の人と生活を共にした著者ゆえ、単純な聞き取り取材では得られない深みが感じられた。戦争が残した過去の歴史を生々しく感じられた。
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