小川洋子と読む 内田百閒アンソロジー の商品レビュー
百閒先生のおはなしって 妙な女の人、いろいろ出てくるよね。 『雲の脚』の 「まだ鬼とおつきあいですか」なんて 不思議なことを言い置いて帰る女性も 『サラサーテの盤』の 故人のレコードを返してと訴える女性も。 でも『長春香』に登場する お弟子の長野初さんの思い出や 『柳検校の小閑...
百閒先生のおはなしって 妙な女の人、いろいろ出てくるよね。 『雲の脚』の 「まだ鬼とおつきあいですか」なんて 不思議なことを言い置いて帰る女性も 『サラサーテの盤』の 故人のレコードを返してと訴える女性も。 でも『長春香』に登場する お弟子の長野初さんの思い出や 『柳検校の小閑』の三木さんの姿は ほんのり甘く優しい。 『柳検校』は他にも ホロリとくる箇所があって…好きです。 初さんのことは『アジンコート』 という題でも書いているそうなので そちらもまた読みたいな。 あと『布哇の弗』は今も通用しそうな詐欺です。 こんなんにひっかかってたら そりゃ借金減らんわねぇ、先生。
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なんとも幻想的。筋を追う小説ではこうは行かない。 何か語られない裏の話や秘密があって、それが小川洋子の解説ではっとさせられる感じ。それを理解できるほど、私には読む力がない。解説も多くは語らない。 サラサーテの盤は、最初読んだ時はよく分からなかったが、ネットで解説を読むと恐ろし...
なんとも幻想的。筋を追う小説ではこうは行かない。 何か語られない裏の話や秘密があって、それが小川洋子の解説ではっとさせられる感じ。それを理解できるほど、私には読む力がない。解説も多くは語らない。 サラサーテの盤は、最初読んだ時はよく分からなかったが、ネットで解説を読むと恐ろしくなった。
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それぞれの作品に小川洋子先生のコメントがついてるのが良かった。なるほど、こういう読み方もできるのか、と発見があったり、同じような感想を持ったことが分かると嬉しい。「冥途」と「件」、「とおぼえ」あたりが好きだな〜。「とおぼえ」はこちらの本で初めて読んだんだけど、じっとり怖くて好きだ...
それぞれの作品に小川洋子先生のコメントがついてるのが良かった。なるほど、こういう読み方もできるのか、と発見があったり、同じような感想を持ったことが分かると嬉しい。「冥途」と「件」、「とおぼえ」あたりが好きだな〜。「とおぼえ」はこちらの本で初めて読んだんだけど、じっとり怖くて好きだ。
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渋い本だと思ったけど最高に良かった。何度も読みたい。 「旅愁」「柳撿挍の小閑」「サラサーテの盤」「長春香」が好き。 特に故人の位牌を闇鍋にしてしまうエピソードが狂っていて、でも個人を偲んでいてとても好き。 小川洋子さんの解説が各エピソードごとについているところも良い。
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百閒の小説や随筆を小川洋子がセレクトし解説している。 鋭い観察力がありユーモアもあり、どんどん引き込まれる。 「サラサーテの盤」「黄牛」がお気に入り。 小川洋子の解説で、そういうことかと頭の整理もできた。
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虚実入り混じって、どれが作り話やらほんとやらわからない。 不思議な世界に入り込んでしまった気分。 小川さんのひとことが、またよい。
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夢うつつ 現代よりも死が身近な 少し前の知ってるようで 知らない世界 関東大震災と戦争 現実とそうでない世界との 境界線がより曖昧に なったのだろうか? 本ひとしずくにて購入
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内田百閒の写真は口をへの字に歪めたものばかり、という記事と写真をどこかで読んだので、頑固親爺のイメージをもって初めて読んだ。とにかく面白い。気の向くままに動く筆の先には壁や境界というものがないではない。あの世や夢の世界、小鳥や猫、兎の毛の中まで立ち入ってしまう。人の観察や弟子への...
内田百閒の写真は口をへの字に歪めたものばかり、という記事と写真をどこかで読んだので、頑固親爺のイメージをもって初めて読んだ。とにかく面白い。気の向くままに動く筆の先には壁や境界というものがないではない。あの世や夢の世界、小鳥や猫、兎の毛の中まで立ち入ってしまう。人の観察や弟子への愛情などもしみじみと描かれ、痛快であると同時に郷愁を誘う。小川洋子氏が其々の作品の後にピリリとした評を載せているが、なるほど作家はこのように文学を楽しむのかと感心した。「柳撿挍の小閑」、「他生の縁」が心に残った。
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小説と随筆が混ざっていることに読み進めるまで気付かなかった。 読みづらい訳ではないのだが、なかなか読み進められなかった。 「冥途」「件」「サラサーテの盤」「琥珀」「雀の塒」が好き。
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小川さんがあとがきで「小説と随筆をあえてわけずにまぎれさせて並べたがまったく違和感がない。百閒からしてみれば小説と随筆とジャンルわけしたところであまり意味をなさない」 の、ようなことを書いていらっしゃらるけど、 まさにその通りだと思った。 読んでいる途中で随筆だということに気づい...
小川さんがあとがきで「小説と随筆をあえてわけずにまぎれさせて並べたがまったく違和感がない。百閒からしてみれば小説と随筆とジャンルわけしたところであまり意味をなさない」 の、ようなことを書いていらっしゃらるけど、 まさにその通りだと思った。 読んでいる途中で随筆だということに気づいたりこれは小説だったんだ気づいたりする感覚がとてもおもしろくて そういうところも夢うつつといった感じで内田百閒を読んでいる、実感があった。 『雀の塒』がとても好き。
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