薔薇はシュラバで生まれる の商品レビュー
作者は1970年代に美内すずえ先生ほかのアシスタントを務められ、後に三原順先生の著作復刊にも貢献された方です。本作にはお二方のアシスト時のエピソードにもページが割かれています。 かの時代の少女漫画アシスタントの現場の雰囲気は、当時の漫画家さん自身による近況報告や単行本のおまけペー...
作者は1970年代に美内すずえ先生ほかのアシスタントを務められ、後に三原順先生の著作復刊にも貢献された方です。本作にはお二方のアシスト時のエピソードにもページが割かれています。 かの時代の少女漫画アシスタントの現場の雰囲気は、当時の漫画家さん自身による近況報告や単行本のおまけページ、あるいは同人誌などでは描かれていましたが、本作のようにアシさん側の立場から語られた「商業作品」(ここ重要)は恐らく少ないのではないでしょうか。 レジェンドな作家さん方へのリスペクトだけでなく、同じ時代を生きた戦友かつ仲間としての意識が感じられ、いずれの思いも押し付けがましくなく自然なので、読後感が半端なく良いです。 特に印象に残ったのは樹村みのり先生の大人の聡明さと凛とした優しさに溢れるアドバイス。あとはやはり山岸凉子先生の『天人唐草』執筆に関するエピソードでしょうか。あの全く救いがありませんが疑いなく名作である作品に関して紹介されたエピソードを読み「さもありなん」と思いました。
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今読んでいる本が、ちょっと年明け最初にしては物騒な内容なので、買ってからずっと読みたくて我慢していたこの本を。 もう、読んでいてわくわくがとまりません。 美内すずえ、くらもちふさこ、三原順、樹村みのり、山岸涼子等のアシスタント経験のある作者。 アシスタント仲間として、槇村さとる、倉持知子、浅川まゆみ、夢野一子、小野弥夢等々。 その他勉強会やら通りすがりやらでかかわった漫画家、市川ジュン、和田慎二、原ちえこ、名香智子、はざま邦、はやせ淳、柴田昌弘、長岡良子、あさぎり夕、木原敏江等々。 登場メンバーが豪華すぎる。 そして「ガラスの仮面」、「はみだしっ子」、「蘭丸団シリーズ」、「天人唐草」どれもこれも読んでたよおぅ! パソコンもスマホもない時代、知り合いの知り合いにどんどんツテを辿ってアシスタントに依頼をしたこと。 トーンが高かった頃、網掛けや点描など手描きの背景の見事さ。 エピソードの数々にもいちいち胸が高鳴ります。 いやあ、面白かった。 今年も漫画、たくさん読もう。
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このマンガがすごい2021オンナ編第3位。 マンガ家デビュー後から少女マンガ黄金の70年代 をアシスタントとして木原としえ、くらもちふさこ 三原順、樹村みのり、山岸涼子などを支えた。 特に「ガラスの仮面」美内すずえはネームが押しいつも締め切りは完徹のシュラバだったそう。 残念なが...
このマンガがすごい2021オンナ編第3位。 マンガ家デビュー後から少女マンガ黄金の70年代 をアシスタントとして木原としえ、くらもちふさこ 三原順、樹村みのり、山岸涼子などを支えた。 特に「ガラスの仮面」美内すずえはネームが押しいつも締め切りは完徹のシュラバだったそう。 残念ながら少女マンガほとんど読んだこと ないので先生たちのお名前よく存じませんが マンガにかける女性たちの情熱には感動。
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美内すずえさんや山岸凉子さんら、たくさんのマンガ家さんたちのアシスタントを務めた笹生那実さんによるエッセイマンガ。数々の名作が生まれる瞬間を共有してきたアシさんの視点は、作家さんご本人の作とはまた違った味わいと感慨に溢れています。現場を離れて久しいとおっしゃってるのに、絵のクオリ...
美内すずえさんや山岸凉子さんら、たくさんのマンガ家さんたちのアシスタントを務めた笹生那実さんによるエッセイマンガ。数々の名作が生まれる瞬間を共有してきたアシさんの視点は、作家さんご本人の作とはまた違った味わいと感慨に溢れています。現場を離れて久しいとおっしゃってるのに、絵のクオリティの高いこと! 時代や現場の空気を感じられる貴重な作品ですねー。
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これはもう、70年代に少女漫画を読みふけっていた人にはたまらない一冊。少女漫画が大きく花開いていった時期に、今では大御所となった先生方の若い頃、掛け持ちのアシスタントをされていた著者による回想で、おおーっというエピソードがてんこ盛りだ。 著者自身も漫画家としてデビューしたが、自...
これはもう、70年代に少女漫画を読みふけっていた人にはたまらない一冊。少女漫画が大きく花開いていった時期に、今では大御所となった先生方の若い頃、掛け持ちのアシスタントをされていた著者による回想で、おおーっというエピソードがてんこ盛りだ。 著者自身も漫画家としてデビューしたが、自作は描かなくなり、アシスタントとして様々な作品に関わってこられたそうだ。登場する顔ぶれがすごい。美内すずえ先生をはじめ(以下敬称略)木原敏江・三原順・樹村みのり・山岸涼子・くらもちふさこ・槙村さとる…、私が読んでいた「別マ」系の方が次々出て来て、うううっ感涙ものであった。オマケに先生方の姿がそれぞれの絵柄で描かれているし、登場キャラクタもそっくり!さすがプロのアシさん。 とりわけ身を乗り出すように読んだのが、著者とは同学年で、高校生でデビューされた頃から親しかったという、大好きなくらもちふさこ先生のエピソード。「わずか5cmの~」蘭丸団シリーズ(懐かしい!)誕生にまつわる話とか、あのラストで倫子が歌ったのは本当は…とか、読んでいると時を飛び越えて、10代の自分に引き戻されるようだった。 他にも、三原順先生が「はみだしっ子」を、山岸涼子先生が「天人唐草」を描かれていた頃のことなど、今読むとしみじみしみるものがある。本当にあの頃少女漫画と出会えて良かったなあ、幸せだなあと心から思いました。
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日頃はマンガは読まないけれど、 もちろん10代の頃は読んでました。 やっぱり「ガラスの仮面」が1番好き。 そのアシスタントをされてた方が書かれたという事で読んでみました。 アシスタントといってもご本人も漫画家さん。 中学、高校の頃から漫画の世界で頑張ってらっしゃるんですね。 知ら...
日頃はマンガは読まないけれど、 もちろん10代の頃は読んでました。 やっぱり「ガラスの仮面」が1番好き。 そのアシスタントをされてた方が書かれたという事で読んでみました。 アシスタントといってもご本人も漫画家さん。 中学、高校の頃から漫画の世界で頑張ってらっしゃるんですね。 知らない世界でした。新人さんはいろんな漫画家さんのアシスタントをするんだな~ 徹夜や何日もお風呂に入れないのは当たり前の世界。 なんか新鮮だったな~また「ガラスの仮面」読み直してみたい!
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ドジ様こと木原としえ先生が出てくると知って購入。出てくる漫画家・作品がどれもツボ(ほぼ所有)で、70年大漫画を愛するものとしては当時に戻れたような、ご褒美をもらったような、読んでいて幸せな一冊(漫画家の先生方・アシさん方は大変なのだけど)。松苗あけみ先生にとっての師匠・メンターが...
ドジ様こと木原としえ先生が出てくると知って購入。出てくる漫画家・作品がどれもツボ(ほぼ所有)で、70年大漫画を愛するものとしては当時に戻れたような、ご褒美をもらったような、読んでいて幸せな一冊(漫画家の先生方・アシさん方は大変なのだけど)。松苗あけみ先生にとっての師匠・メンターが一条ゆかり先生なら、笹生那実先生にとってのそれは美内すずえ先生(読み終わって「人形の墓」を読み直してしまったw)。包容力のある方だとわかる。樹村みのり先生のお言葉、私も作者のようなところがあるので痛い(けど歳を言い訳にしたくないので頑張ってみようと思う)。山岸涼子先生のエピソードは、ご本人のとオークショーで語られてなかったので驚き・そして感動。さらにご褒美をいただいた気分に。
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ご本人のアシスタント体験を描いており、当時は歴史的な傑作として今に至る作品に携わっていたとは意識していなさそう。つらくても漫画に携わる喜びが溢れていて、読んでいて楽しくて元気が出る。 僕はアシスタントはほぼやったことがないので、若い時にやっていればもうちょっと出世できていたのではないだろうか。それにやっぱり師匠みたいな人がいるときっと心強い気がする。 大島弓子先生の現場が出てきたらとワクワクしたけどなかった。
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今もなお読み継がれている名作が次々と生まれた1970年代。その時代に漫画家としてデビューし作品を発表しながらも、ヘルプアシとしていろんな少女漫画家のところへ出入りしていた著者の体験を綴るエッセイ漫画。締め切りに追われた漫画家とアシスタントたちが夜も昼もなく働く「シュラバ」の様子や...
今もなお読み継がれている名作が次々と生まれた1970年代。その時代に漫画家としてデビューし作品を発表しながらも、ヘルプアシとしていろんな少女漫画家のところへ出入りしていた著者の体験を綴るエッセイ漫画。締め切りに追われた漫画家とアシスタントたちが夜も昼もなく働く「シュラバ」の様子や美内すずえ、くらもちふさこなどレジェンド的漫画家たちの仕事ぶりや言葉を知ることができる、少女漫画ファンならずとも興味深く楽しく読める一冊だ。
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「薔薇はシュラバで生まれる」懐かしい70年代少女漫画の裏事情。三原順先生は早世していて人となりの情報など伝わってこないので嬉しかった。未読でずっと気になっていた「天人唐草」買う!
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