ヤマト王権の古代学 の商品レビュー
考古学をベースとしながら、文献資料ともつき合わせて検討し、弥生時代から古墳時代にかけてのヤマト王権の実態にせまる。古墳だけでなく、支配拠点や生産拠点である遺跡にも着目し、総合的に考察しているのが特色。 考古学の成果がふんだんに盛り込まており、通説と異なる見解も示されていて勉強にな...
考古学をベースとしながら、文献資料ともつき合わせて検討し、弥生時代から古墳時代にかけてのヤマト王権の実態にせまる。古墳だけでなく、支配拠点や生産拠点である遺跡にも着目し、総合的に考察しているのが特色。 考古学の成果がふんだんに盛り込まており、通説と異なる見解も示されていて勉強になったが、一定の時期までオウ(王)が並立していたという見解など、ちょっと考古学的成果から結論を導き出すロジックが弱いと感じる部分もあった。
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第8章「ヤマト王権と有力地域集団 -大王と氏族の出自-」に「「ふる」の有力地域集団と物部氏」がある。物部氏の淵源は庄内式期~布留式期の平等坊・岩室遺跡にあり、布留遺跡へ継続するその有力地域集団を6世紀にウヂが成立した後、祖先の活動として伝承化したという見方。 考古学の立場にありな...
第8章「ヤマト王権と有力地域集団 -大王と氏族の出自-」に「「ふる」の有力地域集団と物部氏」がある。物部氏の淵源は庄内式期~布留式期の平等坊・岩室遺跡にあり、布留遺跡へ継続するその有力地域集団を6世紀にウヂが成立した後、祖先の活動として伝承化したという見方。 考古学の立場にありながら文献史学を軽視しない、まさに坂靖氏の師・森浩一氏が提唱した「古代学」を継承するこころみ。
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