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同性愛文学の系譜 の商品レビュー

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2021/08/10

とにかく面白い。同性愛が一般にタブーとされていたと認識されがちな明治期からの日本文学にスポットを当て、鴎外、漱石、武者小路、志賀、芥川、太宰、川端、三島、といった名だたる作家たちが同性愛を描いていることを指摘したり、女性作家の同性愛が抑圧されてきたことを指摘したり、とにかく類書を...

とにかく面白い。同性愛が一般にタブーとされていたと認識されがちな明治期からの日本文学にスポットを当て、鴎外、漱石、武者小路、志賀、芥川、太宰、川端、三島、といった名だたる作家たちが同性愛を描いていることを指摘したり、女性作家の同性愛が抑圧されてきたことを指摘したり、とにかく類書を見ない稀有な研究書で、読み応えがあった。村田沙耶香や山崎ナオコーラなどの現代の文学にも触れている。

Posted byブクログ

2021/02/17

日本の近現代文学における同性愛(者)表象について広く浅く取り上げた本。 五章六章で現代の日本文学を扱っている。坂上秋成や加藤秀行、山崎ナオコーラや村田紗耶香の作品が論じられている。が、高く価値づけられるのは吉本ばななや吉田修一といった既に大物化した作家たちであった。 結論にあたる...

日本の近現代文学における同性愛(者)表象について広く浅く取り上げた本。 五章六章で現代の日本文学を扱っている。坂上秋成や加藤秀行、山崎ナオコーラや村田紗耶香の作品が論じられている。が、高く価値づけられるのは吉本ばななや吉田修一といった既に大物化した作家たちであった。 結論にあたる「終章」では吉田の『最後の息子』を対象として「ただ、自分が今たまたまこの人を愛しているということ、その時その相手の性別に囚われないでいる、という〈自由〉」(p.254)が言祝がれるが、正直なんとも通りの良さそうな愛の賛歌に鼻白んだ。

Posted byブクログ