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2010年代SF傑作選(1) の商品レビュー

3.7

14件のお客様レビュー

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2024/04/09

アンソロジーでは、いろいろなことがある。 読んで嫌な気分になったのは久しぶり。 受け付けないものは受け付けない。 ダメなものはダメだった。 ただ、“読んでみないとわからない”という点では、読んだことによって確認できた。 どれとは言わない。

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2023/04/21

――  1のレヴューしてねぇじゃん。  表紙の名前を見れば満足、と云えるくらいのベスト・オブ・ベスト。1巻はベテラン勢揃いということもあって、質実剛健。現代の日本SFのメインストリームを感じることができる格好のガイドブックになっていると思います。  SF何読めばいいかなぁ? ...

――  1のレヴューしてねぇじゃん。  表紙の名前を見れば満足、と云えるくらいのベスト・オブ・ベスト。1巻はベテラン勢揃いということもあって、質実剛健。現代の日本SFのメインストリームを感じることができる格好のガイドブックになっていると思います。  SF何読めばいいかなぁ? というひとは取り敢えずこれを読みましょう。そして気に入った作家の短編集へ、長編へ、誘われていくとよいですよ。さぁさぁ。  やはり一番のお気に入りは小川一水「アリスマ王の愛した魔物」。SFでありながらどこか御伽噺のような、けれど仄暗い怪しさも持っている千一夜的な、あらゆる物語の要素を持った傑作のひとつだと思っている。  上田早夕里「滑車の地」も鮮烈で、飽和しそうなくらいの世界観の中に現代と変わらぬ、変わりたくない生命を描く良作。  神林長平「鮮やかな賭け」。スピーディに入れ替わり、落着したようで展開する、まるで空戦をみているかのような筆致は神林節、と云えるのでしょう。雪風のイメージ強すぎィ。  円城塔「文字渦」は、個人的には文字“禍”の表記のほうが合っていると思っているのだけれど、ともかく表題とする短編集をレヴュしているので気になる方はそちらをどうぞ。  飛浩隆「海の指」も、モチーフこそあまりにはっきりとしているけれど、その中にこそある残した者、残された者の情感をSF的技術に依ることで繊細に書き出していて名作。これぞSFの役割、と思う部分もある。  流石さすが、と何度云っても足りないけれど、一番の流石、はこれらを一冊にまとめてくれたことだと思います。  ひとに本を貸すのが苦手なわたしのような人間には必携。何冊か持っていてもいい。  ☆4.2

Posted byブクログ

2022/02/09

素晴らしい作品ばかりでした。日本のSF作品はほとんど読んだことがなかったので好きな作家さんが増えてしまった。この当時のSFだとファンタジーやラノベやゲームなどと重なる要素が多いのかと思ったが、そんなことはなくてしっかりとした作品ばかりです。

Posted byブクログ

2021/10/03

2010年代に発表されたSF作品のアンソロジーの1巻。1巻には2010年以前にデビューした作家の10作品を収録。 「滑車の地」 終焉がすぐそこに迫っているかのような世界。限られた生活圏で暮らす最後の人々を描く。諦観の中にほんの少しの希望が生まれたかのような瞬間に、襲ってくる絶望...

2010年代に発表されたSF作品のアンソロジーの1巻。1巻には2010年以前にデビューした作家の10作品を収録。 「滑車の地」 終焉がすぐそこに迫っているかのような世界。限られた生活圏で暮らす最後の人々を描く。諦観の中にほんの少しの希望が生まれたかのような瞬間に、襲ってくる絶望。どんな状況でも、人間は自分でなすべきことをするべき、という読後感かな。全体的に暗いのだけど、もしかしたら未来は明るいのかも、と思ってしまう。 「大卒ポンプ」 この世界の裏側にあるものを知っているか?という口上で語られそうな怪異を経験した青年の物語。世界の根幹に関わるような大きなものでないけども、個人の世界に楔を打ち込むには十分な出来事。理解できないものとの共存。それを知らない過去と、知ってしまった現在。それでも、変わりはしない日常。 不安定な気分にさせるのだけど、その連続が安定になりつつある。何かのきっかけで、踏み外しそうな安定だけど。怖さがあるけど、馴染んでいる自分もある。 不穏な気持ちになりました。そして、これが心地よい。 「海の指」 この世界観の短編は、他にもどこかで読んだ記憶がある。他のアンソロジーかなぁ。 この世界観は好き。「滑車の地」と同じく諦観と絶望があるように思えます。希望がどこにあるのかと問われたら、世界でなく人の心の中か。情がこわい世界。 どんな未来を迎えるのかはわからないが、この世界をぶっ飛ばしてしまいたい、という感情があるから好きなんだと思う。自分の中に。 2010年代ベストSFアンソロジー。収録されている「アリスマ王の愛した魔物」「ミーチャ・べリャーエフの魔物」は積読になっていました。 なんだかなぁ。欲しい本買う時って、収納や積読考えないで買うのだけど、こういった出会いをすると、考えものだなあ、と思ってしまう。 そうはいっても、見つけたら一期一会なので、買ってしまいます。読みたい時が買いたい時。見つけた時が読みたい時。

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2021/08/15

アリスマ王、鮮やかな賭け、文字渦、海の指は以前読んでいたが、全部ひっくるめて素晴らしい作品ばかり。まさにベスト級の面白さ!初読みの作家もいたので、読みたい本が増える増える。伴名練の飛浩隆でのまえがきで、「零號琴」前日譚の書き下ろし長編の2020年刊行の予告に対して、「俄かには信じ...

アリスマ王、鮮やかな賭け、文字渦、海の指は以前読んでいたが、全部ひっくるめて素晴らしい作品ばかり。まさにベスト級の面白さ!初読みの作家もいたので、読みたい本が増える増える。伴名練の飛浩隆でのまえがきで、「零號琴」前日譚の書き下ろし長編の2020年刊行の予告に対して、「俄かには信じがたい」の一文にはちょっと笑った。

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2021/03/15

2010年代SF傑作選2部作の「1」は若手編とのこと。正直、ちょっと期待してたのと違って、なかなか読む速度が上がらない収録作品が多かったけど、多様な作品が読めて、気になる作家さんが見つけられれば丸儲けかなと。

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2021/02/11
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小川一水「アリスマ王の愛した魔物」★★★ 上田早夕里「滑車の地」★★★ 田中啓文「怪獣惑星キンゴジ」★★★ 仁木稔「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」★★★★ 北野勇作「大卒ポンプ」★★★ 神林長平「鮮やかな賭け」★★★ 津原泰水「テルミン嬢」★★★★ 円城塔「文字渦」★★★★ 飛浩隆「海の指」★★★★ 長谷敏司「allo,toi,toi」★★★★★

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2020/09/21
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流石、最新SF集 現時代に判明している、そこから想像、創造される世界 崩れ去る世界 近代のSFを読んだことがなかったので、驚きの世界だった アリスマ王の愛した魔物 小川一水(オガワイッスイ)  語り部が語るおはなし 滑車の地 上田早夕里  なぜー?!!その終わり方ー!!! 怪獣惑星キンゴジ 田中啓文(タナカヒロフミ)  なぜー?!!その終わり方ー!!!パートツー(笑) これは… 解明される日はくるのかっ?!! ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち 仁木稔  ★★★★★ 大卒ポンプ 北野勇作  ★★★ 鮮やかな賭け 神林長平(カンバヤシチョウヘイ)  オバアと私の賭け  テルミン嬢 津原泰水(ツハラヤスミ)  能動的音楽療法 文字渦(モジカ) 円城塔(エンジョウトウ)  秦の始皇帝の陵墓から発掘された三万の漢字。 海の指 飛浩隆(トビヒロタカ)  灰洋(うみ)に完全に支配された地球  志津子と和志、元旦那の昭吾 allo,toi,toi 長谷敏司(ハセサトシ)  性犯罪者の矯正機能をもつ脳に埋め込む機械のモニタリングに選ばれた、小児生虐待者で終身刑で収監されているチャップマン  最後は後味の悪い感じ(嫌な作品という意味ではなく) ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち 「… 多年にわたる観察と研究から、彼らは次のように結論付けた。 人間の行動原理は、欠乏の充足である。暴力は欠乏を埋めるための最も短絡的な手段だ。欠乏の根源をなすのが、自尊心である。他と対等であることで満たされる者もいるが、他より優位に立たねば満たされない者は多い。だから暴力はなくならない。…」 「誤信念は自尊心の欠乏と結び付いている。如何なる反証も受け付けない…」 “不適応者”を排除する 攻撃性の低い(他と対等であることで満たされる者)個体だけを、選択的に交配する 誤信念にしがみ付き続ける攻撃性の高い者は、次世代に遺伝子を残すことをできなくし、 不敵者廃絶する ドミトリ・ベリャーエフ ロシアの遺伝学者 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%95

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2020/08/10

時間に余裕ができたことから、これまで積読だった本を積極的に読み始めた。特に、若い時に熱中していたSF小説を中核として、推理小説・科学系新書も時々織り交ぜている。 専ら、所謂SF第一世代中心、若い方は梶尾真司までというスタンダードなものが中心だが、第一世代で存命なのは筒井康隆なの...

時間に余裕ができたことから、これまで積読だった本を積極的に読み始めた。特に、若い時に熱中していたSF小説を中核として、推理小説・科学系新書も時々織り交ぜている。 専ら、所謂SF第一世代中心、若い方は梶尾真司までというスタンダードなものが中心だが、第一世代で存命なのは筒井康隆なので、新作に触れる機会が激減している。 そこで、最近のSFは一体どういう状況、どんな作風のものが流行しているのか調査をしようと考えた。本書は最近10年間の著書のアンソロジーと言う事で、情報収集には全く以ってうってつけの本と言える。 最後まで読むのははっきり言って苦痛で時間もかかったが、何となく最近の流行りが判ったような気がする。この作家なら集中して読み込んでいこうという作品は無かったが、もうちょっと調査は継続していこうと思う。焦らずマイペースで出会いを求める予定。

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2020/07/23

最近出過ぎな日本SFのアンソロジー(^_^;読む方も追っかけるのが大変で正直ちょっと食傷気味ではありますが、それだけ日本SFに勢いがあるということでしょうから、喜ばしいと思うことにする。うん。 1は2000年以前にデビューしたベテラン中心、2は2000年以降にデビューした新鋭中心...

最近出過ぎな日本SFのアンソロジー(^_^;読む方も追っかけるのが大変で正直ちょっと食傷気味ではありますが、それだけ日本SFに勢いがあるということでしょうから、喜ばしいと思うことにする。うん。 1は2000年以前にデビューしたベテラン中心、2は2000年以降にデビューした新鋭中心のラインナップ。とは言っても、古いSF者である鴨的にはどちらも十分「最近」感ありますなヽ( ´ー`)ノ 1はベテラン中心のラインナップだからか、流石の安定感。冒頭の小川一水から締めの長谷敏司まで、「あーSF読んでるなー」と充実感を持って読み進められました。 鴨的に既読は2編、飛浩隆「海の指」と長谷敏司「allo, toi,toi」。編者が解説している通り、それぞれの作者の代表的な短編を収録することを第一としてセレクトしたため、他の本と重複している作品もそれなりにあるそうです。それを勘案してもなかなかの読み応え。最近の日本SF入門編としてもオススメです。ただ、アンソロジーの宿命として、相性というか「好き嫌い」はそれなりに出てくるわけで、中には「?」って作品もあります。が、それはもぅ本当に相性というしかないかな、と。

Posted byブクログ