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クラウドガール の商品レビュー

3.3

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

    1

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2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大切だと思うことを大切な人が大切だと思っていないことに人は強烈に傷つく 地下鉄で読んでて数秒フリーズした 自分でできることを人にやってもらうことに意味があんじゃねーの? うまいこと言うなぁ 金原ひとみ 頭はキレキレで一見ドライなようで時々すごい力で人の心を掴む作品をかく ありがたい 次は何読むかな

Posted byブクログ

2024/05/16

全くタイプの違う姉妹の両視点より話が進む。タイトルのクラウドとは感情の比喩としてのものと記憶貯蔵のクラウドを意味し 姉の理有と妹の杏の異なる属性というかキャラクターが興味深い。記憶の連続性の中に生きない杏は彼氏に浮気されても気づけば許してしまう。ちょっと痛い感じのメンヘラ気質を感...

全くタイプの違う姉妹の両視点より話が進む。タイトルのクラウドとは感情の比喩としてのものと記憶貯蔵のクラウドを意味し 姉の理有と妹の杏の異なる属性というかキャラクターが興味深い。記憶の連続性の中に生きない杏は彼氏に浮気されても気づけば許してしまう。ちょっと痛い感じのメンヘラ気質を感じなくもないが、実は杏は悪い娘ではない。我々の一生でも実は同じことが繰り返されてはいないだろうか?昨日の自分と今日の自分は全く違う人間なのではないだろうか?記憶の改竄も興味深い。 この作品も面白かった。

Posted byブクログ

2024/02/19

私達は巨大なデータベースで生きていて何を引き出して何を採用しているかで人生が決まっていく、みたいなフレーズがある。自分もあの時違う選択をしていたら、全く違う人生だったのかなーと考えさせられる。子供は母親の影響を大きく受ける。気をつけねば!! 濃いなーと思う内容だけど、読んでいくと...

私達は巨大なデータベースで生きていて何を引き出して何を採用しているかで人生が決まっていく、みたいなフレーズがある。自分もあの時違う選択をしていたら、全く違う人生だったのかなーと考えさせられる。子供は母親の影響を大きく受ける。気をつけねば!! 濃いなーと思う内容だけど、読んでいくと止まらない感じ。

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2024/05/12

登場人物が皆病んでる なあと嘆息した後から、 ちょっと待て、彼らと 比べて私はどうなんだ と・・・ コタツに足突っ込んで 育ったようなボンヤリ した顔。 顔のつくりというより 生気の問題。 現在の私はそんな顔に なってしまってるかも。 人は逡巡と躊躇いの中 で生きてると...

登場人物が皆病んでる なあと嘆息した後から、 ちょっと待て、彼らと 比べて私はどうなんだ と・・・ コタツに足突っ込んで 育ったようなボンヤリ した顔。 顔のつくりというより 生気の問題。 現在の私はそんな顔に なってしまってるかも。 人は逡巡と躊躇いの中 で生きてると言うけど、 うーーーん、どうかな。 私は惰性と卑屈の中で 生きてる気がします。 いろんなことを諦めて 人の目ばかり気にして ・・・ もっとイキイキとして スッキリしたいい顔で 生きていきたい。 物語とまるで関係ない けどそんなことを思い ました。

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2024/01/05

人間の内面の全ての部分をさらけ出す金原作品が好きだ。 全てが自分の人生とは全く相まみえないし生きてる世界が全く別物なのに何故か嫌な感情を持たず読んでしまう。 作者の持つ世界観、人生観を全否定出来ない自分に気付かされる。 最後はよく理解出来ないが、読み応えはあった。

Posted byブクログ

2023/11/01

自分の感情の赴くまま、自己中心的に生きる高校生の杏と、自分の欠落した部分に気づき、理性的に内面の再構築を試みている大学生の理有。この二人の姉妹が、交互に各々の章にて一人称で語っていくかたちの小説です。 仲が良く、内面的な結びつきの強い姉妹です。両親は離婚しており、小説家の母親と...

自分の感情の赴くまま、自己中心的に生きる高校生の杏と、自分の欠落した部分に気づき、理性的に内面の再構築を試みている大学生の理有。この二人の姉妹が、交互に各々の章にて一人称で語っていくかたちの小説です。 仲が良く、内面的な結びつきの強い姉妹です。両親は離婚しており、小説家の母親と暮らしていたのですが、その母親はある日亡くなってしまう。それから姉妹は短い間、祖父母に引き取られますが、ほどなくして、新たな場所で姉妹だけで暮らしていく。それらは小説内で次第にわかってくる事情で、物語自体は妹の杏が彼氏の晴臣をボコボコに殴り散らすシーンから始まります。 洗練された文章だと思いました。序盤1/3くらいまでの間、文章の緩急や構成など、書く人にとっては教科書になるような、パキッとできあがっている美術品のように感じられもしました。そして中盤から終盤へと、深い気づきを得られる箇所がいくつも出てきます。 強迫神経症で鬱でアル中の小説家である母といっしょにいると、「時空が歪む」という理有のセリフ。あれ、こうじゃなかったっけ、何でだっけ、とか思うことが多くて、と(p160あたり)。これよくわかるんですよ。そういうタイプの人っています。たとえばうちの父と暮らしているとそうなので。これってけっこう世の中では特殊な例だと思いますが、それを著者は知っていて、なおかつここまでうまく言い表すのですから、すごいぞ、と思いました。たとえば強迫神経症(強迫症)は、一昔前には、その患者の家族がQOLを著しく下げることになる五大疾病のひとつとして、WHOで数えられていたそうです。度合いにもよるでしょうけど、この病気に持たれているイメージよりも実際はずっと大変なんですよね。本作の主人公である姉妹は、こういった影響下で育ちました。二人の抱える内的な問題の源流にあるのはおそらくこのような過去の影響です。でもですね、まだ姉妹で良かったんですよ。子どもを二人つくっただけでも親としてはフェアなことをやったほうだと思う。これがひとりっ子だとフェアにはいきませんから。 そんな理有と杏、正反対の個性ともいえる二人であっても、共通している価値観があったりします。 __________ 人の裏にあるものを覗き見ようとしない人、人の隠したいものを暴き立てようとしない人、そういう人なら、結婚していようが、歳の差があろうが、いいような気がした。(p121・杏視点の章) __________ __________ 光也にはデリカシーがある。彼は人の踏み込まれたくないところには踏み込まない。人が常に逡巡や躊躇いの中で生きていることを、よく理解している。(p169・理有視点の章) __________ ここで言われている性質って、僕自身も他者とコミュニケーションするときに見ておきたいところですし、自分も他者に向けてそういうことの無いように気を付けたいところでもあります。 本作が金原ひとみさんの作品に触れたはじめての機会でした。人を描くのはもちろん、関係性の描き方に作者のそうとうな力量を感じました。関係を通して関係性をよく見ていて、そこからクリアかつ慎重に分析出来ていて、その知見が創造に使えるくらい消化されて血肉になっているような気がします。 さて、金原さんは文學界新人賞の審査員をつとめていらっしゃいます。WEBでは応募を募るためのコメントが掲載されていますが、「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」と、とても気さくで軽いのです。新潮新人賞でも審査員をつとめていらっしゃいますが、同じように、「本当に何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」とある。出合いがしらでは、「ネタなのかな」とちょっと笑っちゃいもしました。 ただこれは、「大丈夫。この世界はあなたに対して、ちゃんと開かれているからね」というメッセージを含んでいると思うのです。表面的には軽いノリのコメントなのだけれど、小説を応募するくらいの人たちならば、たぶんそのような意味をくみ取っているのではないでしょうか。小説を書く人には、言葉にしていかないとこの世界で溺れ死んでしまうタイプの人もたくさんいると思います。言葉にしていくことが、浮力なのです。言葉にしないと、社会の海に沈んでいって溺死してしまう。そういった人たちに向けて、「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」は、あなたが生きていくのに向いているのかもしれない世界への門戸は大きく開かれている、と伝えるメッセージ。そりゃ、腕っぷしで生きていく世界、人生丸ごとぶつけるような世界ですから、めちゃくちゃ厳しい世界ではあるけれども、<開かれている>。それはとても大切なことなんだと思います。

Posted byブクログ

2023/10/28

この小説にはギミックがしっかりとあって、そこは充分に楽しめるものの、個人的には暴走気味に思えるくらいの金原ひとみの方が好きだ。

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2023/04/25

どれだけお互いのことを大切に思い合って、思い出や体験を共有しても完全に理解し合うことはできないものだ。 自分自身のことさえ理解しきれないのに。 同じ物事を体験していたって、その時々の受け取り側の個人の状態や性質、与えられる影響や印象は違う。 相手のことがわらなくなって、恐怖を覚え...

どれだけお互いのことを大切に思い合って、思い出や体験を共有しても完全に理解し合うことはできないものだ。 自分自身のことさえ理解しきれないのに。 同じ物事を体験していたって、その時々の受け取り側の個人の状態や性質、与えられる影響や印象は違う。 相手のことがわらなくなって、恐怖を覚えることがあったとしても、丁寧に読み解いていけば、案外芯に残る部分は大抵普通の人間なんだ。怖がる必要はない。 必要以上に怖がって大切な存在を手放してしまうのは勿体無い。 綿矢りさの解説はなんだか的を射ていないような気がしてしまったのはわたしだけだろうか。

Posted byブクログ

2022/08/15

記憶の中にしかいない人との思い出って、妙に美化されていたり、逆に思い出すのもしんどいくらいの嫌悪感しかなかったりするよね。 見る人によって、ひとつの事実やひとりの人間の印象って変わってしまう。理有が見てる現実と杏が見てる現実は全然違うけれど、どちらも間違ってないんだと思う。

Posted byブクログ

2021/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結局、お母さんも、姉妹も、ちょっと病んでるのかしら?お母さんの死因は結局どっちがホント?お父さんとは離婚したから離れたのじゃないのね?死んだのね? ↑こんな感じが、普通の感想なんかも。 でも私は、こういうちょっと病んでる話、好きだなぁ。 杏の生き方憧れるわぁ 自由なようで病んでる。 理有も真面目に生きてるようで病んでる。 みんな誰かに必要とされたくて 誰かを必要としてるんだよな… 姉妹は共依存なんかな?

Posted byブクログ