社会的処方 の商品レビュー
医学では解決できない問題について、コミュニケーションやコミュニティの力で解決を試みていく内容。 事例が多く、著者なりの考察があるのも特徴的。
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社会的孤立が進行している世の中で、地域資源である人や場所や取り組みと困っている人を繋げるリンクワーカーが必要。 各地の実例を挙げながら社会的処方の仕組みと役割を伝える。 ああこれは、今住むこの町のあれやこれだなと思い至る。ほんの少しの動きで社会は変わる。
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医療者は普通、病院の中だけで診療する 特に心不全では日常の送り方が病気の状態に影響するので自分が医師として病院でできることに限界を感じるが、一方でどこまで患者さんの日常に踏み込んで良いものかという葛藤が生じる 孤立が大きな問題となっている今、社会的処方の意義は大きい
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社会的処方は、きっとこれからもっと話題になると思う。 studio-Lの方がこの本に携わっていて、何だか腑に落ちた感じがあった。 studio-Lの活動や仕事は、これからも気にしていきたいなって思います。すごく、考えが伸びやかになる気がします!
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薬ではなく人とのつながりや関係性を「処方」することで人々の健康や幸福に寄与するという取組み、社会的処方。日本でも孤立・孤独が社会課題として認識される場面が少しずつ増えていますが大きな社会課題としてではなく街レベル人レベルでつながりの種をつくる取組みとその効果を色々知り、考えること...
薬ではなく人とのつながりや関係性を「処方」することで人々の健康や幸福に寄与するという取組み、社会的処方。日本でも孤立・孤独が社会課題として認識される場面が少しずつ増えていますが大きな社会課題としてではなく街レベル人レベルでつながりの種をつくる取組みとその効果を色々知り、考えることができてなかなか面白かった。私もABD認定ファシリとして仕事以外でも読書を使って色々模索していけたら面白そう、と前向きなパワーが湧き上がってきます。
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医療ではなく、社会とのつながりの中で治療する「社会的処方」について、医師である著者が各地での取り組みを紹介している。社会的処方について、この本で初めて知ったが、素晴らしい取り組みだと思う。こんな取り組みが進んでいけば、心の病はもちろん、他の病気にも大きな効果があると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
薬ではなく、社会的つながりを提供することで問題を解決しようとしている。具体的に取り組んでるNPOや地域の取組みを紹介。 面白い!!再読したい。 孤立が問題になっている昨今、「社会的つながり」を生み出すことが必要不可欠。 ■メモ: ・社会的処方とは、薬を処方することで患者さんの問題を解決するのではなく、「地域とのつながり」を処方することで問題を解決するというもの。 ・日本は社会参加の頻度や人との付き合いが先進国の中でも低いことが指摘されており、高齢化の進展や、家族構造の変化、地域社会とのつながりが薄れたことなどの複合的な要因によって、このままの状況が続くと、社会的孤立は国内において大きな問題となって浮上してくるだろう。 ・イギリスの社会学者であるピーター・タウンゼントは「社会的孤立」とは、「家族やコミュニティとほとんど接触がないということ」と定義している。孤立とは客観的な概念で、一方、孤独は主観的な概念である。「仲間づきあいの欠如あるいは喪失による好ましからざる感じを持つこと」。 ・医療機関を受診する患者の約2-3割が社会的問題とされ、例えば仕事がなくストレスがかかっている・・・など、根っこは「雇用」という社会課題なのだ。 ・福祉環境設計士。drawing life。 ・社会的処方は人々が健康に過ごすための5つの方法を助けることが目的。 ○Give:人から施されるだけでなく、自らが支援する側にも立てる。 ○Connect:他の人たちとつながることができる ○Keep learning:学び続けるものを持っている ○Be active:身体的、精神的に活動的である ○Take notice:周囲で起きていることに注目している ・「健康とは社会的、身体的、感情的問題に直面したときに、適応し自ら管理する能力があること」と定義し、それをポジティヴヘルスという言葉で提言した。つまり、逆境や不利な状況に陥ったときに、それを跳ね返す力があるという強さではなく、その時の状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟性、というイメージだ。 ・健康は手段であって、目的ではない。 ・リンクワーカーらしさとは、人と地域に好奇心を持ち続けること。 ・リンクワーカーのスキルとは、 ○聴く:おばちゃん力で入り込む ○経験を宝にする:どんな経験も誰かのおもろになる ○笑わせる:嬉しい、楽しい、ふるえる ○つなげる:おせっかいは大切に ・社会的処方を市民の手で。 社会は専門分化することで発展して来たが、その弊害として、他分野との連携や連続した介入が難しくなった。→Lay navigatorの存在。 ・モバイル屋台de健康カフェ ・社会的孤立という社会の上流の問題を解決できるキーは、社会的処方である。 ・年が離れた友達がいることは健康にとっていいという指摘がある。 ・元気のヒント ①毎日飽きずにすることを持つ(小さなことでも何でも) ②一日一回は出かける(外に出て人に見られ、人を見る) ③食べることに興味を持つ(食べたい気持ちがあれば元気) ④お礼を言う、お礼をする(和やかに人と繋がれる) ⑤身近な楽しみを持つ ⑥自分から声をかける ⑦ご近所付き合いを大切にする ⑧たまり場や行きつけを持つ ⑨来るものを拒まない(声がかかるうちが花) ⑩信頼できる友人を持つ(古くからの付き合いを大切に) ⑪年の差のある友人をもつ(行動や価値観の幅が広がる) ⑫楽しみを持つ準備を始める(50歳代がチャンス! !何かを始めてみよう) ・気になる活動 京都ソリデール事業、恋する豚研究所LUNCH TABLE、萩の風、アンダンテ、シェア金沢、グリーンバード武蔵小杉チーム、可児市文化創造センター ala&アートコンテンツ、ばば食堂あんもち部屋 ・「ごちゃまぜに支え合う」。地域の中で自分が必要とされている感覚や、人と何気なく話すことだけで孤立から救うことになる。 ・いま私たちに必要なことはカテゴリーを超えて、交流を増やすこと。 ・「存在の飢餓感」。自分が社会の中で役に立っている、愛されているという実感をもてること。それを芸術の力を持ってなしていく。 ・大切なことは、「世界を一歩でも先に進めること」 ・「1ミリを進めること」(湯浅誠) 子ども食堂があることで一体何が変わるんだという人もいるかもしれない。しかし、子ども食堂がない世界から、子ども食堂がある世界に変わった。1ミリに意味と価値を与え、1ミリを肯定しよう。何事にも限界はあるが、限界を恐れる必要はない。
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医療でなかく、何かをして楽しんだ結果の医療という考えを実践しようというもの。 医療の中には社会的な問題の解決もあり、孤立していることを解消しようというものが社会的処方。
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人はそもそもデコボコな存在なんだから、そのデコボコをデコボコのまま利用しつつ、しなやかに生きていければいい。 ただ、これらはどうやってサスティナブルな取り組みにしていくのだろう?
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