籠球五輪 の商品レビュー
協会の公式文書や研究論文をソースとした日本バスケットボール史。参加したオリンピック大会ごとに章立てしているので1980年代あたりはスッポリと抜けているが…。 論文形式なので取っつきにくいけど、読むとけっこう面白いです。 ネイスミス博士の下で歴史上初めてのバスケットボールの試合に...
協会の公式文書や研究論文をソースとした日本バスケットボール史。参加したオリンピック大会ごとに章立てしているので1980年代あたりはスッポリと抜けているが…。 論文形式なので取っつきにくいけど、読むとけっこう面白いです。 ネイスミス博士の下で歴史上初めてのバスケットボールの試合に参加した18人のうちの1人である石川源三郎は、長く外国で生活したため日本のバスケットボールにはほとんど影響を及ぼさなかった。 日本に本格的にバスケットボール(およぼバレーボール)を紹介した大森兵蔵は1912年のストックホルム五輪の日本選手団の監督を務めた後に現地で客死したため、そこでも日本バスケットボール史は断絶している。 といったことを初めて知った。2人の名前だけは見たことがあるのだけど。 バスケットボールが初めて五輪種目となった1936年ベルリンオリンピックに、日本は参加している。 その戦術や戦いぶりが紹介されていて、これも初めて読んだ。 そもそもこの大会のルールはヨーロッパルールで、シュート成功後はその都度センタージャンプを行うというので、長身選手の価値が大きかった。 また、ベンチ登録人数は7人で、選手交代で退いた選手は再びコートに立つことが出来ないとか、4ファウルで退場とか、退場者が出たらベンチにいる退いた選手を再び投入できるとか、ルールがいろいろ違っていて面食らう(面白い)。 戦後、メルボルン五輪以降の日本代表チームの編成や作戦も述べられており、なかなか面白い。 東京オリンピックで10位という、望外の結果を出した吉井四郎監督が、ナショナルチームを集中的にトレーニングした結果であって日本全体の底上げは出来ていないから続かないと総括しているのはさすが。 繰り返しになりますが、読みにくい体裁の本です。だけど、面白かったですよ。
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