新宿もののけ図書館利用案内(2) の商品レビュー
シリーズ2作目 収録は5篇 ・自由研究の参考資料はこちらです ・そのご要望には図書館では対応できません ・お探しの本はこちらではありませんか ・これから絵本の読み語りを始めます ・図書館は本を読みたい人なら誰でも利用できる場所です ・自由研究の参考資料はこちらです 市谷に...
シリーズ2作目 収録は5篇 ・自由研究の参考資料はこちらです ・そのご要望には図書館では対応できません ・お探しの本はこちらではありませんか ・これから絵本の読み語りを始めます ・図書館は本を読みたい人なら誰でも利用できる場所です ・自由研究の参考資料はこちらです 市谷に住む化け狸のリシヤが鉱物について調べたいという相談 人間の姿でも生活しているのに、本姫図書館に調べに来て、現物を持ってきていないという違和感 果たして、その正体は? ・そのご要望には図書館では対応できません その美貌で他者の人生を変えてきた於戸姫 最近、声をかけられた際にお断りの和歌で断わったにもかかわらず、それでも声をかけてくるという 断わっている事が伝わるわかりやすくて雅な歌はないかという相談 現代人に対して、和歌でお断りの意図が伝わる事ってそうそうないと思うけどね まぁ、司書の役割としては利用者様の要望に沿ったリファレンスをせざるをえないのは分かるんだけどね 雷電稲荷の血を引く化け狐のサラサ そんな事だろうとは思った ・お探しの本はこちらではありませんか 本姫様が昔贈られたという本 作者もタイトルも覚えていない、ふわっとしていて怪しくて奇妙、懐かしさを感じる多分明治以降の作家 わかってしまえばどストライクな作家なんだけど、本そのものは思い込みでなかなか対象として思い浮かばなかったというね 私は昔の本はあまり読まないので、昔の文豪の作品は馴染みがない 多少は読んだほうがいいのかも ・これから絵本の読み語りを始めます 子連れの産女 戸山ミテが連れていた子供の幽霊 カイルが絵本の読み聞かせをしてあげたが、下手で子供は興味を失う 図書館を訪れた姿をした上品な子供 読み聞かせをできるようになりたいというカイルの望み 一般的な公共図書館であれば、子供向けのイベントはありますよねー でも、専門図書館なんかだとそんなスキルがなくても働けますけどね 本姫図書館もどっちかというと専門性の高い図書館だと思うけど 子供の利用者もいないわけではないので、生真面目なカイルの性格が好ましく思える ・図書館は本を読みたい人なら誰でも利用できる場所です 図書館の利用者の正体が判明し、危険な存在なため封印しようとする本姫様 それに反抗するカイルと末花さん 図書館の職員として利用者のためにできること、自分の立場を失っても相手にしてあげたい事 これまでの登場人物の協力してくれる展開が胸熱 こんな構造のストーリーは大好き 冷静に考ええば、本姫様も決して間違った事をしているわけではない むしろ、俯瞰して観た場合は全体最適な選択をしているように思えるが その結果、しわ寄せが来る存在への想い入れというところがカイルと末花さんとの違い そして、終わってみれば本姫様も非道ではないのがよくわかる それにしても、カイルも末花さんも自己評価が低いというか何というか でも、そんな二人が選んだ選択肢 そして、これまでの二人の行動だからこそ得られた協力者 事柄の因果や関係性の繋がりがとても優しい物語だと想う ただ、誤字が気になる 見つけようと思って読んでいないのに、ゴロゴロ見つかる 初版なのを考慮しても多いレベルなんじゃないかと 校正通してないんだろうか?
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「自由研究の参考資料はこちらです」 彼が隠してまで探していた物は。 両親に知られたくないからこそ自ら探しに来たのだろうが、彼自身も普通じゃないと思ってはいたのだろうな。 本当かどうか誰も分からないが、彼の対応に間違いはないだろう。 「そのご要望には図書館では対応できません」 彼...
「自由研究の参考資料はこちらです」 彼が隠してまで探していた物は。 両親に知られたくないからこそ自ら探しに来たのだろうが、彼自身も普通じゃないと思ってはいたのだろうな。 本当かどうか誰も分からないが、彼の対応に間違いはないだろう。 「そのご要望には図書館では対応できません」 彼女の勘違いの始まりは単純で。 偶然にも知り合いだったからこそ拗れずに済んだが、勘違いから大事になる所だったな。 今までの経験もあるだろうが、彼女も今回の件で世間も変わっている事に気づいただろうか。 「お探しの本はこちらではありませんか」 思い出に残る一冊は曖昧な記憶。 一つ一つのピースを繋ぎ合わせたのだろうが、彼の知識量が多かったからこそ出来たことだろうな。 あれだけの情報のみから、たった一冊の本を探すというのは中々に無理難題だろう。 「これから絵本の読み語りを始めます」 本来の姿については触れてない子。 妖怪と聞くと長寿の為、子供に向けたサービスが無いのも無理が無いような気がするな。 彼の正体は知れたが、最後に残した言葉により祝福よりも大きな事件が起きそうだな。 「図書館は本を読みたい人なら誰でも利用できる場所です」 人と妖怪が共存する為にも守る事。 本姫様の言うことは確かに一理あるうえ、共に歩むためには必要な事かも知れないが無慈悲にも感じてしまうな。 二人の思いや今までの働きが、今回の騒動を丸く収めたのだろうな。
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新宿にゆかりのある文豪って、本当にこんなにいらっしゃったんだなと、カイルや詞織さんたちと一緒に驚きながら。 相変わらず自己肯定力の低い二人ですが、互いに司書として成長しつつあったところにあの展開は、かなり驚かされました(過度なネタバレ防止ゆえの曖昧表現) いざという時の行動力も、二人似ているなあ。 新宿の新たな(地方民からするとマニアックな)魅力を発見しつつ(例えば、今回でいうと都電荒川線や面影橋など)その土地ならではの妖怪から有名どころまで、今回も様々な妖怪のお話が味わえて満足。 今回は特に化け狸の少年の拾ったものが最後まで関わってきます。 この拾ったものから生まれた子がいい子でいい子で。 ですが、正体が正体だけに非常に苦しい展開と決断を余儀なくされますが。 存在そのものが「災い」となる場合、どう対処するのがいいのか、自分も二人と一緒に悩んだところです。 そして、自己肯定力の低い似た者同士な主役二人が出した答えに、これまで出会った人たちが協力して立ち向かっていく展開、前回とはまた違った緊迫感と興奮がありました。 前回では昇華しきれなかった悔いが残らない形で終われて本当によかった! 新キャラがこれまたいい人(妖怪)たちで親しみが持てたのもよし。 特にサラサさん好きだなあ。 緊迫した中でも、彼女のお蔭で息ができました。 いい緩和剤。 あそこまであっけらかんとしてくれると、こちらも付き合いやすそう。 ミテさんも本当にいいお母さんだったので、今後も出てきてほしいなと願っています。 主役二人がさり気に名前呼びになって親密度を上げてきたところもニヤニヤしつつ。 二人の司書としてもっと成長したお姿も拝見したいので、続きも期待しています。 新宿ならではなネタのお話、待っています! (そして、その度に何かしらの被害に遭う新宿御苑である……)
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