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それを、真の名で呼ぶならば の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2020/05/06

極端な個人主義、絶対主義、無関心…といったトランプ大統領就任後に顕著になっている大きな社会の流れに対して、虐げられてきた人々のナラティブ、グレーゾーンに目を向け、ストーリーを伝えつづける意義を語っている。 なかでも、現状維持バイアス、という言葉が深く刺さった。当たり前で疑問の余...

極端な個人主義、絶対主義、無関心…といったトランプ大統領就任後に顕著になっている大きな社会の流れに対して、虐げられてきた人々のナラティブ、グレーゾーンに目を向け、ストーリーを伝えつづける意義を語っている。 なかでも、現状維持バイアス、という言葉が深く刺さった。当たり前で疑問の余地もないと思っていることや、何かおかしいと感じても他に選択肢がないと思い込んでいることにこそ注意深く目を向けるべきだという気持ちにさせられた。 特に印象的だった部分を以下にメモ。 ◆聖歌隊に説教をする ・民主党の失敗は、自ら自分たちを支持しない人たちを獲得しようと躍起になったこと。トランプ陣営は見込み客に投票する意欲を与えることに成功した。 ・思想や倫理についての有益な議論がSNSで展開しているが、わたしたちが費やす時間の大半は、微妙なニュアンスや複雑さを伝えるのには適していないインターネットという闘技場で費やす時間に変わってしまった ※インターネットでは単純化、極論が起こりやすく、自分と異なる意見に対し暴力的になりやすい ◆ブレイク・ザ・ストーリー ・「客観的」というのは、あなたたちや主流メディアがたむろできる中立領域や政治的な無人地帯があるという、フィクションです。あなたが何を伝える価値があるものとみなすかさえ、政治的な判断なのです ・主流メディアには、それほど右翼あるいは左翼のバイアスがあるわけではなく、現状維持のバイアスがあるのだと思います。現状維持バイアスとは、権威がある人々を信じ、機関や企業、裕福な者や権力がある者、スーツを着たひとりよがりの白人男性ならばほぼ誰でも信頼する傾向のことです。そしてお墨付きの嘘つきがさらなる嘘をつくことを許し、その嘘を疑いもせずに報じることです。また容易に否定できる文化的な偏見をそのままにして前進することであり、その人の信頼を傷つけ、嘲笑い、あるいは無視するというやり方で、ほとんどすべての部外者を貶めることです。   

Posted byブクログ

2020/04/21

「暗闇のなかの希望」にとても共感しているレベッカ・ソルにとの新刊。 ここにただよう危機感は半端ではない。 なにに対する危機感かというと、トランプ政権に対するもの。トランプに言動に対する徹底的な批判。そして、トランプ政権がどんどんと破壊していく民主主義やコミュニティ、多様性の現...

「暗闇のなかの希望」にとても共感しているレベッカ・ソルにとの新刊。 ここにただよう危機感は半端ではない。 なにに対する危機感かというと、トランプ政権に対するもの。トランプに言動に対する徹底的な批判。そして、トランプ政権がどんどんと破壊していく民主主義やコミュニティ、多様性の現状を具体的に描きだす。 とても絶望的な状況のなかで、ソニットの筆致は、いつも以上に厳しい。 だが、にもかかわらず、この暗闇のなかでも、現在のストーリーを破壊する必要性と可能性、そして、目をこらすと見いだせる小さな希望、人間性の現れを希望のストーリーとして描きだしていく。 ある意味、「暗闇のなかの希望」の続編みたいな感じの本でもあって、強い一貫性がある。(比重としては、現在の状況の厳しさについての話が多いが) ソルニットは、今のコロナの状況をどうみているのだろう?

Posted byブクログ

2020/01/30

それを真の名で呼ぶならば:危機の時代と言葉の力 著作者:レベッカソルニット 岩波書店 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

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