魂の痕 の商品レビュー
血と骨の作家の作品 実の母親をモデルにしたとされるが 血と骨に至る前の人生を想起させる作品 済州島に富裕層の娘として生まれた春玉 慣習で同等の富裕層の子どもと結婚し 嫁ぎ先では酷使された上 実家は嫁ぎ先の策略で落ちぶれてしまう 日本がいかに土地を略奪し民を苦しめたか 心が苦しくな...
血と骨の作家の作品 実の母親をモデルにしたとされるが 血と骨に至る前の人生を想起させる作品 済州島に富裕層の娘として生まれた春玉 慣習で同等の富裕層の子どもと結婚し 嫁ぎ先では酷使された上 実家は嫁ぎ先の策略で落ちぶれてしまう 日本がいかに土地を略奪し民を苦しめたか 心が苦しくなった 人は貧しさを体験すると卑屈にもなり 欲のために行動してしまう 悲しい生き物だ 春玉は婚家を飛び出し日本へ 上司に犯され子どもを産む 時代は戦争を背景に大阪の済州島出身者が 多い土地で水商売をしながら生きる 物語の中の多くを占める暴力暴力暴力 それでも生きなければならない 人間の残酷さや情が詰まった作品 読了したけど心が重くなった
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梁氏の実母をモデルにした小説。 済州島から身籠った身で大阪へ逃避行のように来日し、苦労を通り越した凄まじい人生を歩む。 大阪で夫婦になったその後の生活を描いたのが『血と骨』となるのだが、何故に母親が日本の大阪で暮らすようになったのかを描いたのが『魂の痕(きずあと)』となる。 出版...
梁氏の実母をモデルにした小説。 済州島から身籠った身で大阪へ逃避行のように来日し、苦労を通り越した凄まじい人生を歩む。 大阪で夫婦になったその後の生活を描いたのが『血と骨』となるのだが、何故に母親が日本の大阪で暮らすようになったのかを描いたのが『魂の痕(きずあと)』となる。 出版の前後が逆になるのだが、この2冊は一対を成している。 今回の一冊から、性差別・人種差別、そして人間の心の弱さ・強さを改めて考えさせられてしまう。 ヤン氏が描いた世界は今の時代とは大きく変わったとはいえ、まだまだ多くの問題が山積していると考えさせられた。
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しかし 血と骨では いまいちわかりにくかった 母親の気持ちに クローズアップすることで 暴力からの支配を いかに逆手に取って たくましく生きていったか というのが 書きたかったのかな 父は 浅ましくも 最後に子供に執着したけれど 母は子を愛したけど 自...
しかし 血と骨では いまいちわかりにくかった 母親の気持ちに クローズアップすることで 暴力からの支配を いかに逆手に取って たくましく生きていったか というのが 書きたかったのかな 父は 浅ましくも 最後に子供に執着したけれど 母は子を愛したけど 自分の始末は自分でつけた そこが 女は強いな 強くなければ生きていけなかった 悲哀も感じました
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87母から見た朝鮮と日本のどちらにもあった差別。決して一方のせいではない現実を知ることが大切だと思う。しかしこの作家は実体験以外のストーリーは描けないのかな。発展性のない両国の関係に似て少し鬱陶しい。
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久しぶりに梁石日を読みました。血と骨をはじめて読んだときの衝撃を思い出しました。 血と骨につながる序章でもあり、女の物語でもあり、女性の生き抜く強さ、たくましさを感じ感動しました。 同時に男の弱さや滑稽さもあぶり出されて、ボクは男として情けなさすら感じてしまいました。 この流れで...
久しぶりに梁石日を読みました。血と骨をはじめて読んだときの衝撃を思い出しました。 血と骨につながる序章でもあり、女の物語でもあり、女性の生き抜く強さ、たくましさを感じ感動しました。 同時に男の弱さや滑稽さもあぶり出されて、ボクは男として情けなさすら感じてしまいました。 この流れで血と骨を読み直そうとも思います。梁石日は素晴らしい作家だと改めて感じました。
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著者の父親を描いたという「血と骨」は衝撃だった。 母親を描いた本書は期待はずれ。 特に終盤が破綻して、本として完成していない。
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