荒潮 の商品レビュー
サイバーパンク的な世界観と、中国の伝統的な道教の要素が融合したSFアクション小説。随所に出てくるボディフィルムや義体部品などが世界観を表現するためのみならずにストーリーにも深く関わってきていてよかった。ストーリラインはシリコン島のゴミ人、シリコン島経営層、シリコン島再開発を目論む...
サイバーパンク的な世界観と、中国の伝統的な道教の要素が融合したSFアクション小説。随所に出てくるボディフィルムや義体部品などが世界観を表現するためのみならずにストーリーにも深く関わってきていてよかった。ストーリラインはシリコン島のゴミ人、シリコン島経営層、シリコン島再開発を目論むアメリカ人などそれぞれの視点から進み最終的に一つの終着点へと収束する。ラストも単純な勧善懲悪ではない点も良かった。
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よくできてはいるが、アジア人の貧しい女の子がいやおうなく得てしまった異能力で人を国を歴史をすら変えようとする…って筋書きなら『ゲームの王国』のほうが上では…とかなんとか。『ねじまき少女』もあったし(ちょっと違うか)、ちょっと飽きたかもw
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誘惑に負けて読んでしまった。 三体の作者絶賛!とのことだったので読んでみた。 舞台は近未来の中国。政治、環境問題、差別問題(労働、居住区、古くからの地域の風習など)を絡めて事件は進行していく。生物学、医学的な知見をもっての科学的な描写は三体よりもライトであるが逆に生身の私たちの感...
誘惑に負けて読んでしまった。 三体の作者絶賛!とのことだったので読んでみた。 舞台は近未来の中国。政治、環境問題、差別問題(労働、居住区、古くからの地域の風習など)を絡めて事件は進行していく。生物学、医学的な知見をもっての科学的な描写は三体よりもライトであるが逆に生身の私たちの感覚にダイレクトに訴えてくることが多くて生々しい。ここが一番ハマるところかな。 近未来の中国の描写が、ギラギラしているのに古い中国らしさが根底にある感じがしていいなあ。 結構「血の気」の多い描写があるが、ストーリーの中心には少女と青年の純粋な想いがあり、登場人物たちもそれぞれの人生で重く暗い影を背負っていて生き様を見せてくれる。何を大事にして何を信仰しているか。そういうことの匂いが散りばめられている作品である。 ボリューム的にも三体のような読み応えはないが、人物の描き方が詩的で想像力がかき立てられる。自分の対岸にいる人間について考えることをしようという気になる。さらっと読みでも深読みでも面白く読める一冊。
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中国のSFがすごい、とよく聞くようになり、読んでみると実際すごい。これまでの海外SFとも国産SFとも違った情緒みたいなのがある。親や土地との繋がりとかそういう。 宗教観や歴史ももちろん絡んでくるんやろうけど、そのあたり疎いのが残念…… 体調と余暇の関係で細切れに読んでしまって、い...
中国のSFがすごい、とよく聞くようになり、読んでみると実際すごい。これまでの海外SFとも国産SFとも違った情緒みたいなのがある。親や土地との繋がりとかそういう。 宗教観や歴史ももちろん絡んでくるんやろうけど、そのあたり疎いのが残念…… 体調と余暇の関係で細切れに読んでしまって、いまいち波に乗りきれなかったので、通して再読したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近、話題作が邦訳されている中国SFの新刊。 サイバーパンク的な世界と、アジア的なカオスの入り交じった作風。一筋縄ではいかない感じがする。 ちょっとパオロ・バチガルピを思い出したのは私だけ?
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