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山岳遭難の傷痕 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2021/08/10

山登りを趣味にしてから、決して慢心しないよう、なるべくたくさんの過去の遭難についての本を読むようにしている。 この本は古くは1913年の学校登山から、新しいものは2009年のトムラウシの事故まで10の遭難事故について詳しく検証している。 しかし、すべては悪天候が原因なのだ。 さっ...

山登りを趣味にしてから、決して慢心しないよう、なるべくたくさんの過去の遭難についての本を読むようにしている。 この本は古くは1913年の学校登山から、新しいものは2009年のトムラウシの事故まで10の遭難事故について詳しく検証している。 しかし、すべては悪天候が原因なのだ。 さっきまであんなに晴れていたのに、こんなに暖かい日なのに、晴れていれば30分かからない距離なのに、すべては急変した天気により環境は変わり果ててしまう。 雨による低体温症、雪による凍傷、雷! 山での悪天候は本当に恐ろしい。 肝に命じることができた。

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2021/05/31

単独登山は不安だなと思っていたけれど人数が多いのも難しいんだな。人数が多いと安心してしまいがちだけどリーダーに頼るのでなく一人一人が知識を持って行動できることが必要。リーダー的な人がちゃんと統率出来る人なのか、導ける人なのかというのも最初から頼るつもりじゃ見極められないし。装備に...

単独登山は不安だなと思っていたけれど人数が多いのも難しいんだな。人数が多いと安心してしまいがちだけどリーダーに頼るのでなく一人一人が知識を持って行動できることが必要。リーダー的な人がちゃんと統率出来る人なのか、導ける人なのかというのも最初から頼るつもりじゃ見極められないし。装備にはお金をケチらない(装備を揃えられない山には登らない)、正しく使う、不安を感じる時は迷わず引き返す!取り返しのつかないことになるくらいなら引き返してやっぱり「行けたかもな…」と思うくらいで良し。山に行きたいならちゃんと勉強しよう。

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2021/05/23

死者に鞭打つ感じが無いのは、丁寧に結論を急がずに遭難の模様を検証しているからだろうと思った。上っ面だけ知っていた昔の遭難が知れたので読んで良かった。

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2021/04/26

日本近代登山史に残る10の重大事故について、事故報道、事故報告書等を題材になにが起きたか、原因として考えられるものは何か、そして事故を回避する対策としてどんなことが考えられるか等を分析したレポート。 その分析は、登山に関わらない私にとっても興味深く、また様々な分野で役に立つことも...

日本近代登山史に残る10の重大事故について、事故報道、事故報告書等を題材になにが起きたか、原因として考えられるものは何か、そして事故を回避する対策としてどんなことが考えられるか等を分析したレポート。 その分析は、登山に関わらない私にとっても興味深く、また様々な分野で役に立つこともあろうと思った。 興味本位ではない、きちんとしたレポートは読むに値する。

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2021/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前から気になっていてようやく読むことができた。 新田次郎『聖職の碑』にもなった学校集団登山事故や、井上靖『氷壁』の原案にもなったナイロンザイル切断事故など昔のものから、夏のトムラウシ山のツアー登山遭難事故まで。昔の事故については現代のように情報が得られたら起こらなかったかも知れないが、とにかく山の天気は予想通りにはいかないことがよくわかる。こんなはずじゃなかった、危機感はなかった、任せておけば大丈夫なはずだった…。ものすごく楽観的でおめでたい。しかし厳しい山の中では通用しない。容赦なくて行手を阻む。死を意識した時には既に遅し。登山は楽しいし自然の景色は美しいが、それはリスクマネジメントがあってこそ。念には念を入れ、登山中の状況判断は楽観視しないようにしたい。高校生に配られたという「夏山登山の注意」の「計画と準備」の項に書かれていたという内容(p243-244)は素晴らしかった。 <登山では立案が登山そのものと同じ比重をもつ。地図と財布と時刻表とにらみあわせながら立案する楽しみがわからなければ、その人は山に登っても半分の楽しみしか味えないといってよい。登山そのものが慎重でなければならないように、計画も慎重でなければならない。(中略)登山によって得られるものが大きいだけに、厳しい試練にさらされることを覚悟しなければならない。かりそめにも虚栄・流行・はったり・競争心などが登山の動機になったり、またそれらによって登山中の行動が左右されるようなことがあってはならない> 210319読了、図書館本。

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2021/03/03

山岳事故に少し興味があるので、ネットサーフィンで色々な事故を検索していますが、この本にはネットでは有名ではない、書籍としてもほとんど刊行されていないものも丹念に調べまとめているので、知らない事故が多かった。 まとめ方も丁寧で、自分ならどう行動するかな?と想像しながら読めるような内...

山岳事故に少し興味があるので、ネットサーフィンで色々な事故を検索していますが、この本にはネットでは有名ではない、書籍としてもほとんど刊行されていないものも丹念に調べまとめているので、知らない事故が多かった。 まとめ方も丁寧で、自分ならどう行動するかな?と想像しながら読めるような内容です。 大正時代の天気予報もほぼなかった時代に台風にあたってしまった学校の集団登山。冬の富士山の雪崩に巻き込まれた大学生達。ひとつの落雷で10人以上が犠牲になった事故。 どれも興味深かった。

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2021/01/01

有名な山岳遭難事件はおおよそのあらましは知っていても、その詳細はよく知らないことが多い。これは遭難の報告書を丹念に調べ上げ、わかりやすく再構成した労作である。判断ミスの積み重ねにより、どうしようもないところに追い込まれていく様子がよくわかる。撤退する勇気を持つことの大切さを改めて...

有名な山岳遭難事件はおおよそのあらましは知っていても、その詳細はよく知らないことが多い。これは遭難の報告書を丹念に調べ上げ、わかりやすく再構成した労作である。判断ミスの積み重ねにより、どうしようもないところに追い込まれていく様子がよくわかる。撤退する勇気を持つことの大切さを改めて感じた。

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2020/06/29

20206月29日読了。 読売新聞の書評でこの本を知る。 元山岳部としてではないが、山岳遭難のノンフィクションは数冊読んでおり、なじみのあるトムラウシ山の遭難事件も書かれているので読んでみた。 「失敗の本質」という本がベストセラーになっているが、「遭難の本質」も原因は極めて似...

20206月29日読了。 読売新聞の書評でこの本を知る。 元山岳部としてではないが、山岳遭難のノンフィクションは数冊読んでおり、なじみのあるトムラウシ山の遭難事件も書かれているので読んでみた。 「失敗の本質」という本がベストセラーになっているが、「遭難の本質」も原因は極めて似ている。 「あの時、引き換えしていれば」とだれかが思っても(誰もが思っても)結局声の大きい人の意見に引きずられ、集団遭難を招いてしまう。 「西穂独標の高校生落雷」以外はほとんどが遭難をどこかで回避できたはずなのにと思わずにはいられない。 中でも「立山の中高年凍死事故」は「なぜ、下山しなかったのか?」と強く思わずにはいられない。 数少ない生存者が固く口を閉ざすのもわかるような気がする。

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2020/05/21

大正時代から平成時代までの十件の山岳遭難事故を各一章ずつにまとめたドキュメント。 各章の題と発生年は ・木曽駒ヶ岳の学校集団登山事故/1913 ・剱澤小屋の雪崩事故/1929 ・冬の富士山巨大雪崩事故/1954 ・前穂東壁のナイロンザイル切断事故/1955 ・谷川岳の宙吊り事故/...

大正時代から平成時代までの十件の山岳遭難事故を各一章ずつにまとめたドキュメント。 各章の題と発生年は ・木曽駒ヶ岳の学校集団登山事故/1913 ・剱澤小屋の雪崩事故/1929 ・冬の富士山巨大雪崩事故/1954 ・前穂東壁のナイロンザイル切断事故/1955 ・谷川岳の宙吊り事故/1960 ・愛知大学山岳部の大量遭難事故/1963 ・西穂独標の学校登山落雷事故/1967 ・立山の中高年初心者遭難事故/1989 ・吾妻連峰のスキーツアー遭難事故/1994 ・トムラウシ山のツアー登山遭難事故/2009 各章40ページほどの短さで、すらすら読めます。 ただし、登山用語の注釈はないため、ある程度は登山に関する知識が必要です。 ところで、本書の題名に「十大事故」とありますが、 なにを基準にした「十大」なのかは記述されていません。 死亡者数でしょうか? ただ、あとがきを読むと、出版社のマーケーティング面の要請で、 元々は八件の事故をあつかう予定だったものに既出の二件を足して 「十大」にしただけなのかなという気も・・・

Posted byブクログ