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2022/10/04

本を読んで泣いたのはいつぶりだろう。 とある外科医が義父のがんと闘い、三度の手術執刀をしながら最期まで向き合っていくまでを描いた回顧録なのだが、とあるシーンに感情移入して涙が止まらなかった。 人は必ずいつか死ぬ。でも、本人やその家族にとっては、生きたい、生きて欲しいという想い...

本を読んで泣いたのはいつぶりだろう。 とある外科医が義父のがんと闘い、三度の手術執刀をしながら最期まで向き合っていくまでを描いた回顧録なのだが、とあるシーンに感情移入して涙が止まらなかった。 人は必ずいつか死ぬ。でも、本人やその家族にとっては、生きたい、生きて欲しいという想いがあり、医者はそのための希望を託される。 医者は、いくつかの治療法がある中で、常に一つを選ばねばならない。頼りになるのは経験と勘。しかしその一つが正しかったかどうかは、やってみないと分からない。痛みを取るための治療が、また違う苦しみを生むこともある。また正解は人によっても異なることもある。家族が納得すれば良いのか?本人の意思は?家族の中でも意見は割れないか?周囲でサポートする医療スタッフのモチベーションはついてくるか?正解がなく、また極めて難しい判断を次々に迫られるのが医者の仕事なのだと知った。そして、この本に出てくる一人一人を主人公に描いたらどんな作品になるんだろうかと思いを馳せた。 この本を描くことには勇気がいったのでは無いかと思う。辛いことを思い起こす必要があるし、医療人のあり方を問いかけるエピソードもあるし、医療をどこまでやるのかという非常に議論のあるテーマに挑むには相当な覚悟が必要だったと思う。しかしいつか来るであろう親の死に備えるために非常に参考にかつ勉強になったため、執筆して下さったことを有難く感じる。 実は著者は最近お世話になっている病院の先生。 私の持病は命に関わるものでは全く無いが、いつもはさり気なくニコニコ気さくに悩みを聞いてくれる明るく優しい先生だ。この先生はなんでこんなに患者の気持ちに寄り添おうとするのかな?と思い、密かにこの本を読んだことで納得が行った。まずお医者さんは人間として信頼出来るかが全てだと私は思う。とても良い先生に出会えてよかったと思う。先生、これからも頑張ってください!

Posted byブクログ