現代人口経済学 の商品レビュー
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出生性比=男児/女児×100、通常は105程度。 粗出生率(普通出生率)=その年の出生数/その年の人口×100。年齢構造のバイアス、分母に年少者や高齢者を含む。そのため合計特殊出生率=合計出生率が使われる。 合計出生率=15歳女性が1年間に産んだ子供/その年の15歳女性人口+・・・+49歳女性の子供/49歳女性人口。 大正昭和初期人口論争=マルサス人口論とマルクス主義による貧困(過剰人口は失業を生み出し貧困層を作る)の対立。 人口学は統計学の分野だが、人口学を専門とする高等教育機関はない。 人口は戦後一貫して上昇を続けた。合計出生率は1956年には置換水準を下回り、1975年には2を割っている。2000年代まで人口が増加していたのであまり気にしなかった。過剰人口に対する問題意識が強く、少子化は問題になっていなかった。 1900年までのイギリスでは、0歳の平均寿命より15歳の平均余命のほうが長かった。乳幼児死亡が多いため。 生命表=毎年10万人生まれると仮定したとき各年齢別の死亡率を用いて平均余命を算出したもの。 人口転換論=多産多死→多産少死→小産少死。 マルサスの罠=人口の増加にとって食料供給が制約になる、食料の増加によって人口が増える、飢餓や戦争で人口が減り、食料と人口が上下変動を繰り返す。マルサスは結婚の延期など道徳的抑制によって出生率の低下を主張した。 新マルサス主義=マルサス主義連盟による。避妊運動などで急速に出生率が低下した。 ハンセン、ケインズは、人口の増加は有効需要が増えて景気刺激策になると主張した。 近代になると、技術進歩によって実質産出量の成長率が人口成長率よりも高くなれば成長できることが実証された。 ライベンシュタインの子供数の決定モデル。効用には、子供が家族を幸せにあうるという消費効用、子供が労働力になる労働効用、老後の面倒を見てくれる年金効用がある。費用は養育費教育費と、子育てのために収入が減る間接費用がある。 出生率低下を説明する仮説=合理的選択理論、相対所得仮説、リスク回避論、ジェンダー間不平等論、低出生率規範の伝搬拡散論、など。 出生率の低下、人口減少は短期的には経済成長を促進する。貯蓄が増え、投資が増えるため。日本の戦後や中国の一人っ子政策はその効果があった。長期的には高齢化になり生産人口が減少する。 ソ連では、急速な重工業化で短期的には成長したが、生産性の悪化による技術進歩率が低下して長期的には成長できなかった。 p86
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人口経済学、人口学を巡る諸概念や理論を幅広く扱っている貴重な本だと思う。 が、文章の主語述語が対応していない、助詞の用法に違和感がある等、個人的にはかなりの読み辛さを感じ、5章までで読むのを断念。
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