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ハロー、ここにいるよ の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2021/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

手に取る機会があって読んだ。 11歳の少年ヴァージル・サリーナスは、かけ算の九九ができず、一週間に一度、木曜の通級教室に通っている。 そこで出会った耳が聞こえづらい少女、ヴァレンシア・サマセットと友だちになりたいと思っていた。 そのことを《霊能者》カオリ・タナカに相談しに行こうするが……。 2018年ニューベリー賞受賞作。 おもしろかったです。 ヴァージル、ヴァレンシア、カオリ、それにいじめっ子のチェット・ブルンズ、それぞれの視点で短く章分けされていて読みやすい。 どの人物にも特徴があり自己投影はしづらいけれど、いろいろな人がいるよね、と思いながら読める。 「転」でヴァージルがピンチに陥るところは絶望的で、読むのがつらいかもしれない。(助かるんだろうと思えるから読める) 「井戸」は生まれ変わる場所としてわかりやすく、村上春樹を思い出した。 きっかけはなんでもいいのかもしれない。 そこで何を思って、どう変われるか。

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2020/03/22

ヴァージルはいじめっ子のチェットに森でペットのモルモットを入れたリュックを古井戸に投げ込まれてしまう。井戸には水はないが、助けに入ったヴァージルは、降りる時に使ったハシゴにとどかず、外に出ることができなくなぅてしまった。訪ねる予定だったカオリや好きな女の子ヴァレンシアの推理で助け...

ヴァージルはいじめっ子のチェットに森でペットのモルモットを入れたリュックを古井戸に投げ込まれてしまう。井戸には水はないが、助けに入ったヴァージルは、降りる時に使ったハシゴにとどかず、外に出ることができなくなぅてしまった。訪ねる予定だったカオリや好きな女の子ヴァレンシアの推理で助け出されるまでの一日間。 気弱なヴァージルが、この一日で大きく成長する。 ニューベリー賞作品。

Posted byブクログ

2020/03/08

ヴァージルはフィリピン系アメリカ人の11歳のおとなしい男の子。学校にも家にも居場所がないと感じていた。だけど一人、気になる女の子がいて、勇気を出して「ハロー」と話しかけたいと思っていた。ある日、ヴァージルが森を歩いているといじめっ子のブルにみつかり、リュックを井戸に落とされてしま...

ヴァージルはフィリピン系アメリカ人の11歳のおとなしい男の子。学校にも家にも居場所がないと感じていた。だけど一人、気になる女の子がいて、勇気を出して「ハロー」と話しかけたいと思っていた。ある日、ヴァージルが森を歩いているといじめっ子のブルにみつかり、リュックを井戸に落とされてしまう。中にペットのモルモットが入っているのに!井戸に降りていったヴァージルは…。 4人の個性的な少年少女それぞれの視点で語られる物語。ドキドキしながら最後まで読み切ってしまいます。2018年ニューベリー賞受賞。

Posted byブクログ

2020/02/16

ニューベリー賞受賞作品を全部読んでいる訳ではないけど、『からすが池の魔女』『クローディアの秘密』『闘牛の影』『とどろく雷よ、わたしの叫びを聞け』『きらきら』『ギバー』など、書いているだけで感動が蘇ってくるような、本当に素晴らしい作品がたくさんあった。アメリカの児童文学の質の高さに...

ニューベリー賞受賞作品を全部読んでいる訳ではないけど、『からすが池の魔女』『クローディアの秘密』『闘牛の影』『とどろく雷よ、わたしの叫びを聞け』『きらきら』『ギバー』など、書いているだけで感動が蘇ってくるような、本当に素晴らしい作品がたくさんあった。アメリカの児童文学の質の高さに驚いたものだった。 しかし、『月の光を飲んだ少女』もそうだったけど、これも、あれ?こんなもの?という感じ。 イマドキの作品らしくマイノリティへの配慮(登場人物はフィリピン系、日系、聴覚障害。レイシスト的な悪役は白人)は、ここまでしなくてもという感じで、文句はないが、肝心の物語の力はかつてよりかなり落ちている感じは否めない。 こんなにいろいろ配慮しなくても、『きらきら』には日系人家族の、『とどろく雷よ』にはアフリカ系のリアルな喜びと悲しみと歴史があった。それは圧倒的な力だった。しかし、公に差別されていた世代が年老いて少数派となり、平等が当たり前となった今、そういうのは歴史小説になってしまうし、作者自身も経験していないためリアルに語れないのだろう。 こんな現代の子どもに読ませるために、様々な工夫がされてはいるのだが、物語のために作ったような印象がどうしても拭えない。 具体的には主人公の一人のヴァージルが古い涸れ井戸に落ちている間に幻の女の子ルビーと会話するシーン。作ったなあ、と思わずにはいられなかった。 悪い本ではないけど、アメリカの児童文学が停滞しているのかもしれないと思った。 感動は、なかった。 古井戸に子どもが落ちるというシーンは『その年、わたしは嘘をおぼえた』にもあったけど、あっちの方が良かった。 カーネギー賞の『世界のはての少年』はすごく良かったんだけど、ニューベリー賞にはガッカリだ。

Posted byブクログ