犬と負け犬 の商品レビュー
ダメおやじとダメ犬の話だけれど 子持つ親の愛と切なさと苛立ちが 読んでいて、大変共感できた。ずっと苦笑いしながら読んでいたのに、 最後の1行に涙した。
Posted by
キングオブおしどり夫婦イヴァンアタル夫妻が映画化したそうで。子供四人(成人済み)と住む夫妻の話。主人公は作家。自分語りにも関わらず、子供っぽくデリカシーに欠ける人物で、早く子供が自立して家を出ていかないかと考えている。奥さんも頑張っているが、平らな積み木もある日倒れるように、時々...
キングオブおしどり夫婦イヴァンアタル夫妻が映画化したそうで。子供四人(成人済み)と住む夫妻の話。主人公は作家。自分語りにも関わらず、子供っぽくデリカシーに欠ける人物で、早く子供が自立して家を出ていかないかと考えている。奥さんも頑張っているが、平らな積み木もある日倒れるように、時々噴火して家出する。旦那はやっと反省する。秋田犬の出没をきっかけに子供らは出て行く。子供らも他人からみたら素晴らしい人物なんだろうけど、家族という距離に立った時に、お互い高め合うんじゃなくて、うんざりし合うのは世界共通。
Posted by
原題は「My Dog Stupid」、「馬鹿」という名の私の犬、あるいは、馬鹿な私の犬。けれど飼い犬が主人公な訳ではない。それを邦題は汲み取っているのだろう。突然、雨の日に表れたみすぼらしい犬に振り回される主人公の物語。主人公の中年男は傍目には成功者のように描写される。妻と四人の...
原題は「My Dog Stupid」、「馬鹿」という名の私の犬、あるいは、馬鹿な私の犬。けれど飼い犬が主人公な訳ではない。それを邦題は汲み取っているのだろう。突然、雨の日に表れたみすぼらしい犬に振り回される主人公の物語。主人公の中年男は傍目には成功者のように描写される。妻と四人の子供と共に住むのは、ロサンゼルス郊外の高級住宅地マリブ。いかにもハリウッド映画に出て来そうな家として描写される住まいは、ポイント・ドゥームというマリブの平坦な海岸に一箇所だけ突き出た陸票に所在している。そこではかつて「猿の惑星」のシーンも撮影されたという。 あとがきには、ジョン・ファンテのこの小説は多分に自伝的であると記されている。確かに小説のモデルは作家と作家の家族を擬えたもののよう。世間からは一定の評価を得て、商業的な成功も収めた作家の内なる葛藤を描いた作品ということなのだろうと思うが、そこから漂ってくるのは退廃的な、これまた如何にもハリウッド映画に出て来そうな物語(例えば「パルプフィクション」に出て来るよう、な?)のようにも感じられ、現実味は余り感じない。 いわゆるMidlife crisisを描いた小説ということになるのだろうか。これが50年以上前に書き上げられた小説であるということが信じられない程に、西海岸の特定の階層の人々の暮らしというのは、今も昔も変わらないのかも知れない。
Posted by
- 1