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黄金国の黄昏 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2021/06/22

よくある異世界召喚に物申すもの。たしかに、異世界に無理矢理連れてこられた日にゃあ迷惑千万ですわ…食い止めてくれる人とかいてホッとする。そして召喚する側のクソッタレ具合よ!絶対にコイツらのために働かんぞ!と言いたくなるクソッタレ具合。

Posted byブクログ

2020/01/26

強大なる中央集権国家を維持するため、稀代の悪法を用いて繁栄を極めてきたロジオン王国。王国維持のため召喚魔術の儀式が行われようとする。宮廷魔術師団長ゲーナ・テルミンは「私には、この大王国の黄昏の鐘が聞こえるよ」とつぶやく。  ゲーナの甥の孫・リヒテルは、生まれてすぐにその絶大なる魔...

強大なる中央集権国家を維持するため、稀代の悪法を用いて繁栄を極めてきたロジオン王国。王国維持のため召喚魔術の儀式が行われようとする。宮廷魔術師団長ゲーナ・テルミンは「私には、この大王国の黄昏の鐘が聞こえるよ」とつぶやく。  ゲーナの甥の孫・リヒテルは、生まれてすぐにその絶大なる魔力により大叔父ゲーナに引き取られ、我が子同然に遇されている。ゲーナはあまりに強い魔力を有するため「契約の魔術紋」により王命に逆らえない体となっており、そのために意にそまぬ魔術を行使させられてきた彼は、アントーシャの魔力までが王国に使われることがないように彼の魔力を一部を封印する。異世界からの強奪を意味する召喚魔術の執行を前にして、ゲーナはアントーシャの封印を解き、自分の死を賭してアントーシャに召喚魔術の儀式を失敗に導くように命ずる。 ゲーナの死により、アントーシャはゲーナの盟友エウレカ・オローネツ辺境伯爵とその護衛騎士と共にロジオン王国との対決を決意する。    出版社曰く「豊富な語彙を用いた重厚な文体」と言うことだが、こうした小説にありがちな回りくどい持って回ったような書きぶりはないので、ストーリーにスピード感がある。本編ではドロドロしたロジオン王国の陰謀劇が繰り広げられるが展開が早く、謎解きを楽しむがごとくに陰謀のからくりを読み解くことができる。ファンタージ長編叙事詩として、高田大介の図書館の魔女シリーズ、上橋菜穂子の精霊の守人シリーズを彷彿させるが、物語としては前奏曲というべきところでその世界観の全容はまだよく見えない。今後ストーリーが進んでいく中でスケールの大きい物語に成長することを期待したい。  一つ残念なのは、ヒロイン格にあたるような魅力的な女性キャラがいないこと。ネタバレになるので詳しくは書かないが、陰謀の陰に女ありの様相。テルミンは生涯独身で、アントーシャは身内と生まれたときから絶縁状態。ちょっと寂しいばかりである。

Posted byブクログ