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垂れ込み の商品レビュー

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22件のお客様レビュー

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2020/01/28

追跡捜査係シリーズ第9弾。 今作は沖田が15年前に上野駅で起きた通り魔事件の犯人を知っていると言う情報提供者と会う約束をするが、すっぽかされるところから始まる。 山岡と言う情報提供者に振り回される沖田だったが、2度目の約束を取り付けたところで、その山岡が殺害される。 現在進行形の...

追跡捜査係シリーズ第9弾。 今作は沖田が15年前に上野駅で起きた通り魔事件の犯人を知っていると言う情報提供者と会う約束をするが、すっぽかされるところから始まる。 山岡と言う情報提供者に振り回される沖田だったが、2度目の約束を取り付けたところで、その山岡が殺害される。 現在進行形の事件には関わらないのが追跡捜査係だが、今回は特捜とも連携し、山岡が何を知っていたのかを追い始める沖田と西川。西川もあるきっかけから10年前に起きた新宿駅での通り魔事件で、当時タレコミをした人間が山岡だと言う事実を掴んでいた。 一体、山岡が握っていた真実とは? と言うのが、今回のあらすじ。 一見、優良企業のエリートサラリーマン、マイホームパパと言う人間に隠されていたもう一つの顔。そこに行きつくまでに、謎が謎を呼ぶ展開で久しぶりに堂場作品を面白いと思った。いつも「しつこい」と感じていた食事シーンも少ないのも良かった。ただ、他のシリーズの高城、村野、大友のオンパレードはいただけない。終わっているシリーズはまだしも村野はまだ続いてるし、どうせならば一之瀬も出さなければ、それもそれで納得いかない。 個人的には他のシリーズに頼らない内容で、勝負してもらいたい。

Posted byブクログ

2020/01/24

“追跡捜査係”というのは、警視庁の捜査一課の係で、捜査が詰まってしまっている未解決事案を調べるというものである。激情家と見られ、動き回らなければ気が済まない沖田刑事と、捜査資料を丹念に読み込みながら丁寧に情報を整理して事件解決を図ろうとする西川刑事は同期の仲間である他方、本人達は...

“追跡捜査係”というのは、警視庁の捜査一課の係で、捜査が詰まってしまっている未解決事案を調べるというものである。激情家と見られ、動き回らなければ気が済まない沖田刑事と、捜査資料を丹念に読み込みながら丁寧に情報を整理して事件解決を図ろうとする西川刑事は同期の仲間である他方、本人達は仲が良いとも思っていない面が在りながらも、この“追跡調査係”の中核を担っている捜査員である。この2人の他、若い庄田刑事、庄田刑事に近い世代で女性の三井刑事、極端に無口で少し風変わりな大竹刑事、そして西川刑事が「あの人は?少し頼りない…」としている鳩山係長が“追跡捜査係”で活動している… 物語は沖田刑事が動く辺りから起こる。「15年前の上野で発生した通り魔殺人の真相を」という“垂れ込み”の電話を受け、電話の主に会おうとして出掛けたものの、残念ながら会えず終いであったという経過が在る…“追跡捜査係”は、未解決事案の情報提供を受けるべく、係の直通電話を公開していて、その番号に架かった電話を沖田刑事が偶々受けたのだ… そういう状況を知り、西川刑事は“通り魔殺人”ということで、整理を手掛けていた資料の中から「10年前の新宿で発生した通り魔殺人」という事案を見出し、当時の捜査関係者の中から探し出した退職者に話を聴こうとする。 沖田刑事は、「山岡」を名乗った“垂れ込み”の電話の主を何とか探し出そうとする。そしてもう一度会う約束を取り付けたのだったが、そこで思わぬ事態になって行く… 沖田刑事、西川刑事が各々に動いていたが、彼らの各々の捜査がやがて交錯し、思いも掛けないことが明らかになって行く… これ以上は詳述を避けておこうと思うが、目が離し悪い展開が続く… 「気に入っているシリーズ」の「新作」に関しては、「遠方の友人の消息?」という感でかなり愉しいのだが、本作も「独立した一作」として、前作までの各作品と無関係に愉しむことが叶う。今回も複雑な事件の真相が次第に解明されるという物語である…何か本作は「少し深い余韻」とでもいうような感じで結ばれる…御薦めだ!

Posted byブクログ