ファッションの哲学 の商品レビュー
2019年の本。男女のあり方に関する価値観は、この数年で大きく変わったことを感じる。2023年の今は「ファッション」の中でもその線を取り除く動きが大きくなってきているが、この本が書かれた時代はまだそこまでは至っていなかったことを感じる。 それはさておき、最高に面白かった。驚くほど...
2019年の本。男女のあり方に関する価値観は、この数年で大きく変わったことを感じる。2023年の今は「ファッション」の中でもその線を取り除く動きが大きくなってきているが、この本が書かれた時代はまだそこまでは至っていなかったことを感じる。 それはさておき、最高に面白かった。驚くほど示唆に富み、濃厚で充実した本だ。様々な哲学課題を、ファッションという誰にでも身近な話題を通して考えることができる。ファッションに対する自分の行動や価値観に注目することで、誰もが非意識の存在に気づかざるを得ない。哲学の入門に最適なのではないだろうか。 ファッションやマナーとされているそれが旧時代の価値観で人々を縛る機能があること(服装のマナーと人権は相反するのではないか)が気になり本書を手に取ったが、自己についてや身体についてなど普段から考えていた課題に広く触れられていて、感嘆の連続だった。ファッションに興味のない人こそ、一度読んでみてほしい。
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広義のデザインについての流れの中でのファッションの位置付けに感銘を受けた。特に装うことは自らの発信であるとともに抑圧を含めた社会・集団からの要請の相互作用である点には共感した。身体性についての記述も大変面白い。巻末の索引や参考文献も大変役に立つ。主観的で独りよがりな主張が多いこの...
広義のデザインについての流れの中でのファッションの位置付けに感銘を受けた。特に装うことは自らの発信であるとともに抑圧を含めた社会・集団からの要請の相互作用である点には共感した。身体性についての記述も大変面白い。巻末の索引や参考文献も大変役に立つ。主観的で独りよがりな主張が多いこの領域で、客観的でかつ興味深い研究を続けておられることは素晴らしい。
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