〈英国紳士〉の生態学 の商品レビュー
筆者の経験と新聞や当時の小説、テレビドラマから見えるイギリスにおける階級意識について読み解いていくのは面白かった 一言にミドルクラスと言ってもその中も複雑なんだなと
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英国における中産階級(ミドル・クラス)の生態を知る。同じミドル・クラスでも、アッパー・ミドル・クラスとロウアー・ミドル・クラスの溝が深い。元々ミドル・クラスの美徳だった「リスペクタビリティ(勤勉、清潔、礼儀正しさ、質素、純潔)」も、悪い意味でロウアー・ミドル・クラスの属性と見なさ...
英国における中産階級(ミドル・クラス)の生態を知る。同じミドル・クラスでも、アッパー・ミドル・クラスとロウアー・ミドル・クラスの溝が深い。元々ミドル・クラスの美徳だった「リスペクタビリティ(勤勉、清潔、礼儀正しさ、質素、純潔)」も、悪い意味でロウアー・ミドル・クラスの属性と見なされる。内容は興味深いが、実際こういう階級意識の中で育ったとしたら……。これから読む英国小説の隠し味になりそうな一冊。
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英国紳士と言われると、スーツを着こなす、表紙の絵のような物腰柔らかな人物を想像していました。 しかし、彼らの中には、はっきりと階級を意識した、均一化した世界があるのだと冒頭で著者は述べています。 「紅茶にミルクを入れるタイミング」などの細かいところまで異なる社会は、想像でき...
英国紳士と言われると、スーツを着こなす、表紙の絵のような物腰柔らかな人物を想像していました。 しかし、彼らの中には、はっきりと階級を意識した、均一化した世界があるのだと冒頭で著者は述べています。 「紅茶にミルクを入れるタイミング」などの細かいところまで異なる社会は、想像できませんが、それは差別的なものではなく、あくまで「階級に応じた振る舞い」だそう。 しかし、その階級の中でも、「ミドルクラス」は幅が広く、ロウアー(下流)とアッパー(上流)のあいだでは、歴史的に大きな溝があり、アッパーに憧れる「ロウアーミドルクラス」はいつも嘲笑の対象となっていたようです。 『「ロウアーミドルクラス(下流の階級)」が「アッパーミドルクラス(上流階級)」に近づけば近づくほど、アッパーミドルクラスはこの間の溝をはっきりさせようとする。』 『「リスペクダブル(もてはやされる人)」になろうとして身につけた習慣、趣味、持ち物が今度は逆ステイタスシンボルとなってしまう。』 アッパーミドルクラスと同じことをしようとすると、非難されてしまうのだそう。ここに、(少し違うかもしれませんが)日本でいうところの「成金」のような感じを抱きました。 イギリスに興味のある方は、この一冊も入れてみてはいかがでしょうか。
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イギリス階級社会の中のロウアーミドルクラスについての本。分不相応を嫌うイギリス社会の中で、必死に成り上がろうとする悲哀を感じる。 何年か前にBBCが今のイギリスは7つの階級があるなんて言ってたが、ロウアーミドルクラスが分化しただけにも思えたし、現代もやはり根強く残っているんだなぁ...
イギリス階級社会の中のロウアーミドルクラスについての本。分不相応を嫌うイギリス社会の中で、必死に成り上がろうとする悲哀を感じる。 何年か前にBBCが今のイギリスは7つの階級があるなんて言ってたが、ロウアーミドルクラスが分化しただけにも思えたし、現代もやはり根強く残っているんだなぁと改めて実感。
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