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まんぷく 料理 の商品レビュー

3.8

26件のお客様レビュー

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2021/09/20

6人の女性作家による、料理を題材にしたアンソロジー。 今まで読んだことのない作家や、シリーズもののつまみ食いもできるので、アンソロジーはたまらない。 「餡子は甘いか」 餡子作りが壊滅的に下手な菓子司の息子、栄吉。 砂糖泥棒を捕まえたことで、自分自身の気持ちに蓋をしたり、夢を諦め...

6人の女性作家による、料理を題材にしたアンソロジー。 今まで読んだことのない作家や、シリーズもののつまみ食いもできるので、アンソロジーはたまらない。 「餡子は甘いか」 餡子作りが壊滅的に下手な菓子司の息子、栄吉。 砂糖泥棒を捕まえたことで、自分自身の気持ちに蓋をしたり、夢を諦めたり、あるいは人生の機微を味わったり…。 少年の心身の成長を描いた物語は、不器用な人をそっと勇気づける。 65頁、 「才ある者が三月でつくれるようになったものを、三年で習得しても、客は文句を言わない」 という言葉は、不器用な全ての人への励みになろう。 「料理茶屋の女」と、「お勢殺し」は謎解き。 犯人、いや、下手人は誰だ? 煮豆やすいとん汁の香りが漂ってくるような物語だ。 前者は女性の苦労が偲ばれる。 なぜ彼女が、そんな結末に胸が締め付けられる。 後者は最初江戸川乱歩の物語を意識しているのかと思ったが、全く別物だった。 タイトル通り、お勢は亡くなっている。 どうして彼女は死んだのか、身勝手な人間に天誅を願わずにはいられない。

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2021/08/01

料理、菓子作りを生業としているところでのストーリー展開。 いろいろな作者さんのアンソロジーなので、ちょこっと読みにくい?と思う方もいらっしゃいましたが、全般的に面白かった。 餡子は甘いか 畠中恵 鮎売り 坂井希久子 料理茶屋の女  青木祐子 桜餅は芝居小屋で  中島久枝 清正の...

料理、菓子作りを生業としているところでのストーリー展開。 いろいろな作者さんのアンソロジーなので、ちょこっと読みにくい?と思う方もいらっしゃいましたが、全般的に面白かった。 餡子は甘いか 畠中恵 鮎売り 坂井希久子 料理茶屋の女  青木祐子 桜餅は芝居小屋で  中島久枝 清正の人参  梶よう子 お勢殺し  宮部みゆき 鮎売り、料理茶屋の女、桜餅は芝居小屋で、お勢殺しの4作品が好き。 お勢殺しの宮部作品は、何処かでも読んでいたのだが。。 はて、どこで読んだのだろ?

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2021/05/16

(借.新宿区立図書館) 図書館で借りたのだが、なぜかこのシリーズのうちこの本だけなかなか借出者が減らない。常に数人待ちの状態。読んでみても特に理由は不明。それほど素晴らしい作品ばかりというわけではないのだが(レベルはまあまあ)。まさか料理描写をレシピ代わりにしているとか?たしかに...

(借.新宿区立図書館) 図書館で借りたのだが、なぜかこのシリーズのうちこの本だけなかなか借出者が減らない。常に数人待ちの状態。読んでみても特に理由は不明。それほど素晴らしい作品ばかりというわけではないのだが(レベルはまあまあ)。まさか料理描写をレシピ代わりにしているとか?たしかに食べるのが好きな人にとっては垂涎の描写(だろうと思う)が多い。私はあまり食べ物には執着がないのでそれほどではない。とはいえ菓子などはうまそうと思う。作品自体としては畠中恵、宮部みゆきは既読。他もシリーズものの一部を載せたもの。それなりに面白かったが、特に続けて読みたいと思うものはなかった。

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2020/12/09

図書館の返却期限が迫っているので、とりあえずお目当ての宮部さんを読了。茂七の話でスルスル読めた。少しの毒と温かさ。宮部さんらしい短編でした。稲荷寿司屋気になるなー。初ものがたり読んだことあるはずやけど、キレイに忘れてるしまた読もう。 で、時間がまだあったのでとりあえず最初から読...

図書館の返却期限が迫っているので、とりあえずお目当ての宮部さんを読了。茂七の話でスルスル読めた。少しの毒と温かさ。宮部さんらしい短編でした。稲荷寿司屋気になるなー。初ものがたり読んだことあるはずやけど、キレイに忘れてるしまた読もう。 で、時間がまだあったのでとりあえず最初から読み始め……たらめちゃくちゃ面白くて一気読みしたわ(笑) どの話も最高。特に「鮎売り」のキャラクターはすごく好み。食事シーンの描き方も好きなので、このシリーズは読んでいこう(決意) 「料理茶屋の女」はミステリー好きにはたまらないラスト。読んでいて気持ちよかった。 「餡子は甘いか」と「桜餅は芝居小屋で」は扱う食べ物が似ているからか全体的に似た雰囲気。和菓子が食べたくなる。 「清正の人参」はコメディ枠かな?こちらもキャラ立ちがすごくて楽しく読めた。 新しい好みのシリーズに出会えるので、傑作集は楽しいなぁ。

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2020/11/18

岡っ引きの茂七は、謎めいた稲荷寿司屋台の 親父が出す料理をきっかけに事件の真相に 迫り…。宮部みゆき「お勢殺し」をはじめ、 女性時代作家による江戸の料理や菓子をめぐる 短編6編の収録したアンソロジー。

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2020/09/25

すごくよかった! 宮部みゆきさんの時代小説がなければ手にとっていなかっただろうな、と思う短編集。 宮部みゆきさんの江戸のお料理の描写がたまらなく好きだったので、とても嬉しい。 どの作家さんもよかったけど、 特に面白かったのは「鮎売り」と「桜餅は芝居小屋で」。「料理茶屋の女」もミ...

すごくよかった! 宮部みゆきさんの時代小説がなければ手にとっていなかっただろうな、と思う短編集。 宮部みゆきさんの江戸のお料理の描写がたまらなく好きだったので、とても嬉しい。 どの作家さんもよかったけど、 特に面白かったのは「鮎売り」と「桜餅は芝居小屋で」。「料理茶屋の女」もミステリ仕立てで面白かったな。 やっぱりアンソロジーはいままで出会ってこなかった、すてきな作家さんに出会えるのが良いですね。 坂井希久子さん、 中島久枝さんは他の本も読みます〜

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2020/06/24

女流作家による、料理にまつわる江戸の時代小説アンソロジー。 「餡子は甘いか」畠中 恵・・・餡子作りが苦手な修業中の栄吉。   意気消沈する事が重なり、菓子職人になるのを諦めた矢先・・・。 「鮎売り」坂井希久子・・・居酒屋の主・お妙が鮎売りの娘から  購入した鮎。料理し味わう隠し味...

女流作家による、料理にまつわる江戸の時代小説アンソロジー。 「餡子は甘いか」畠中 恵・・・餡子作りが苦手な修業中の栄吉。   意気消沈する事が重なり、菓子職人になるのを諦めた矢先・・・。 「鮎売り」坂井希久子・・・居酒屋の主・お妙が鮎売りの娘から  購入した鮎。料理し味わう隠し味は、細やかな人間模様と人情。 「料理茶屋の女」青木祐子・・・薬師・守屋は料理茶屋で女中と語らう。      煮豆売りの男の死の真相は。娘が忘れていた理由とは。 「桜餅は芝居小屋で」中島久枝・・・菓子屋牡丹堂の人々との関わり。  川上屋の嫁と姑。小萩は菓子作りと、世の中の事も学んでゆく。 「清正の人参」梶よう子・・・小石川の御薬園で草介は阿蘭陀通詞を   案内する。ちっぽけだけど国内と異国の物が混在する世界を。 「お勢殺し」宮部みゆき・・・醤油売りのお勢の、死の謎。  回向院の茂七は稲荷寿司の屋台の親父との語らいから糸口を得る。 様々な“料理”の話を集めた、女流作家による江戸の時代小説の アンソロジーです。人情、謎解き、ミステリー有りの作品集。 大福に鮎料理、煮豆、桜餅、せるでらいの葉の味噌汁、蕪汁。 あぁ、花梨糖や芹のお浸し、稲荷寿司にすいとんも美味しそう。 そして、どの短編作品も味わい深く、まんぷくに。ごちそうさま! 「餡子は甘いか」と「お勢殺し」は既読、宮部作品は秀逸だなぁ。 「桜餅は芝居小屋で」はシリーズで読みたくなりました。

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2020/06/21

時代小説が好き。特に市井の人々がメインに出てくるものが。アンソロジーは意外な作家さんとの出会いもあって嬉しい。「傑作選」なので人気シリーズからのチョイスだけど知らない人気シリーズもある訳で。中島久枝の「桜餅は芝居小屋で」が良かった。「日本橋牡丹堂菓子ばなし」シリーズらしいけど知ら...

時代小説が好き。特に市井の人々がメインに出てくるものが。アンソロジーは意外な作家さんとの出会いもあって嬉しい。「傑作選」なので人気シリーズからのチョイスだけど知らない人気シリーズもある訳で。中島久枝の「桜餅は芝居小屋で」が良かった。「日本橋牡丹堂菓子ばなし」シリーズらしいけど知らなかった。16歳の小萩、和菓子屋に奉公している、不器用だけど和菓子が作れるようになりたいと自分で思って、つてを辿って。おかみさん、ご主人、職人さん、みんないろいろな過去や思いがあって集まった人々。その人々が自分で未来を描いて前を向いて歩くよう背中を押す言葉をかけてくれる。この時代に女の子には難しいことだろう、でも、生きていく上で重要で必要な事だよと。作者がドラマでも人気の「これは経費でおちません」の人だったとは!意外。

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2020/05/15

時代小説傑作集、お題は料理です。 畠中恵・坂井希久子・青木祐子・中島久枝・梶よう子そして宮部みゆきと女性陣によるアンソロジーです。 知っている作家さんも、初めての作家さんも料理にまつわるお話、おいしい中にも人情も織り交ぜて、まことに結構でした。 坂井希久子は初めての作家さんでした...

時代小説傑作集、お題は料理です。 畠中恵・坂井希久子・青木祐子・中島久枝・梶よう子そして宮部みゆきと女性陣によるアンソロジーです。 知っている作家さんも、初めての作家さんも料理にまつわるお話、おいしい中にも人情も織り交ぜて、まことに結構でした。 坂井希久子は初めての作家さんでしたが、若干23歳の若手で料理小説で、高田郁賞(これを見ただけでもどんな作風か大体わかります)を受賞しているなど活躍めざましい作家さんです。 こんな若い人が、江戸の市井のありようを鮮やかに描き、料理の描写も見事なもので、なんだかお宝を掘り当てたみたいで大変うれしいです。今後も大いに期待したいところです。 こういう短編集は、普段手に取らない作家さんに触れるいい機会ですね。 満腹でございます、ごちそうさまでした。

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2020/03/02

食べ物にまつわるミステリ。 解説を読むと、シリーズ1作目というのがいくつかあって、「桜餅は芝居小屋で」は続きも読んでみたくなった。 「鮎売り」もよかった。 畠中さん、しゃばけから栄吉が主役の一編。 菓子作りが好きなのに餡子が作れないって、どれほどの悩みかと思うと、あの一生懸命さを...

食べ物にまつわるミステリ。 解説を読むと、シリーズ1作目というのがいくつかあって、「桜餅は芝居小屋で」は続きも読んでみたくなった。 「鮎売り」もよかった。 畠中さん、しゃばけから栄吉が主役の一編。 菓子作りが好きなのに餡子が作れないって、どれほどの悩みかと思うと、あの一生懸命さをひたすら応援したくなる。 最後の宮部さんはさすがの一言。 江戸時代を舞台にアリバイ崩し。 短編だけど、しっかり読ませてくれる。

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