滴水古書堂の名状しがたき事件簿 眠れぬ人の夢 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズの第2巻だが、クトゥルフ神話がメインテーマの作品としては、リプレイ小説とクトゥルフ神話小説のちょうど中間くらいの位置を保っていてちょうどいい。登場人物たちも、由宇子のように武道に精通した探索者もいるし、古戸さんも半分神話生物だろうが、まぁ狂信者的な立ち位置とも取れ、それぞれ探索者として違和感のない程度の能力値のように思える。他の登場人物たちも各々正気度を削りながら非日常と対峙している様が分かる。 小説としてどうこう、というよりも、クトゥルフ神話モチーフの作品として、私はこの作品をとても気に入っている。 古戸さんの正体もさることながら、これからもっと太刀打ちのできない神話生物が出てくればいいなと思う。 ただ、クトゥルフ神話を知らない読書が、この宇宙的恐怖と出会ったとき、どうなるのだろうという密かな楽しみ、いや、心配ごとがあるのも事実である。
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