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自分の力で肉を獲る の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2020/08/12

概ね『ぼくは猟師になった』と同じ内容。子ども向けに書かれているので、読みやすい。カラーページは解体の様子だけでなく、動物の足跡、ヌタ場、シカ、イノシシ、クマが木の幹につけたキズ、わなを仕掛ける様子などがあり、『ぼくは』よりさらに実践を意識して作られている。 著者にも2人の子どもが...

概ね『ぼくは猟師になった』と同じ内容。子ども向けに書かれているので、読みやすい。カラーページは解体の様子だけでなく、動物の足跡、ヌタ場、シカ、イノシシ、クマが木の幹につけたキズ、わなを仕掛ける様子などがあり、『ぼくは』よりさらに実践を意識して作られている。 著者にも2人の子どもがいる、とあるので、子どもたちに教えるイメージだろう。マダニへの注意、狩猟のきまりなど具体的なことから、何を残酷と感じるかなど、考えも述べていて、分かりやすい。 私が一番心に残ったのは、商業的シカ猟を止めるところ。 シカが増えすぎていることもあり、シカ肉の美味しさを知って欲しいということもあり、とって捌いた肉を安い値段でレストランなどに分けたところ評判になり、次々と注文が来るようになった。しかし、シカを獲るのが義務のようになり、狩猟のよろこびは消えてしまう。ロースやモモなど、調理しやすい部位ばかりを要求される。「わなに掛かったシカが不安げな表情でじっとこちらを見つめている。ぼくはその顔を直視できず、目をそらしてしまう。」(P168)あっ、これまさに「なめとこ山の熊」ではないか、と。自分が必要なだけ獲り、皮も骨も残さず利用している間はこんな気持ちにはならない。著者は売れない部位は自宅でミンチにするなどして食べていたが、もとより安く売っていて儲けになるわけでもない。無為に殺すことのうしろめたさ。これこそ小十郎の苦しみではないか。 家畜を肉にするのは、決まったルートがあるし、飼っている人が直接殺すわけでもないので、こんな気持ちにはならないだろう。しかし、森に生きている野生動物を、猟師は自分で殺して捌くのだから、それを粗末にされれば(もちろんレストランの調理師はそんなつもりはなかったろうが、普通に食肉を買うように「ロース五キロ」とか頼んでいたわけである)、これをしていいのか、という思いが頭をもだげてくるのは、良識があれば当然だと思う。シカの食害が問題になり、だったら食べればいいという声はよく聞くが、家畜ではない動物の肉は、家畜と同様には扱えないことを肝に銘じなくてはならない。 まあ、バンバン殺して、売れない肉は捨てるハンターもいるだろうけど、それはもちろん法には触れないが、どうなんだろうと思う。ここを掘り出すと哲学的になるけど。賢治が抱えた苦悩はこの辺にあるんじゃないかな、と直接この本とは関係ないけど、思った。

Posted byブクログ

2020/03/07

 狩猟に興味を持つ子供向けに、筆者が子供の頃、なぜ狩猟に興味を持ったのかなど、実体験を交えて具体的に書かれている。狩猟は子供にはできないが、子供でもできる獣道や、動物の痕跡の探し方などが詳しく載っている。  子供向けとはいえ、狩猟には免許がいることや、禁止鳥獣など狩猟の概要につい...

 狩猟に興味を持つ子供向けに、筆者が子供の頃、なぜ狩猟に興味を持ったのかなど、実体験を交えて具体的に書かれている。狩猟は子供にはできないが、子供でもできる獣道や、動物の痕跡の探し方などが詳しく載っている。  子供向けとはいえ、狩猟には免許がいることや、禁止鳥獣など狩猟の概要については書かれているため、狩猟に興味のある大人でも楽しく読める。  筆者は罠猟が専門のため、主に書かれているのはくくり罠を使った罠猟の方法である。銃猟、網猟などに興味を持っている人は別の本の方が役に立つかもしれない。  冒頭にカラー口絵があり、実際の獣道や動物の痕跡、大まかな解体の流れなどが写真で載っている。解体のシーンは子供向けに、ショッキングなシーンは省いてあるが、手順は説明してある。本文中はモノクロのイラストが使われている。  本文は子供向けに文字が大きく、すぐ読める。

Posted byブクログ

2020/02/15

子供向けに狩猟について書かれた本。冒頭にカラー写真ページ、本書内にもイラスト画も多く、猟の現場、野生動物の痕跡、肉への解体など想像しやすいように工夫されている。さすがに、内臓を抜き出した写真はなかったけれど。。。 自然や食、農業と駆除動物、高齢化が進む猟師の現状など、小学生も分か...

子供向けに狩猟について書かれた本。冒頭にカラー写真ページ、本書内にもイラスト画も多く、猟の現場、野生動物の痕跡、肉への解体など想像しやすいように工夫されている。さすがに、内臓を抜き出した写真はなかったけれど。。。 自然や食、農業と駆除動物、高齢化が進む猟師の現状など、小学生も分かりやすく、考えるきっかけになるべく、筆者の体験も交えて、綴られている。

Posted byブクログ

2020/02/09

罠を使った狩猟とはどういったものかを児童書として紹介してくれている一冊。写真も多めで色々楽しい。 本書には緻密な狩猟テクニックのがいくつか紹介されていて、猟師の知識と経験はすごいなあとつくづく思った。 猟にはいくらか興味があるけど本や映像だけではどうしてもその表面しかわからない...

罠を使った狩猟とはどういったものかを児童書として紹介してくれている一冊。写真も多めで色々楽しい。 本書には緻密な狩猟テクニックのがいくつか紹介されていて、猟師の知識と経験はすごいなあとつくづく思った。 猟にはいくらか興味があるけど本や映像だけではどうしてもその表面しかわからない。おこがましい限りだが、やっぱり一度猟を体験してみたい、そんな気持ちです。 そして、児童書は馬鹿にできないなってマジ思う!小学生には難しくても大人になったらスラスラ読める、だから大人が積極的に読むには最適なんだな。もっと色々な児童書を読んでいこうと思いました。

Posted byブクログ