ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀 の商品レビュー
もう線形性の時代ではない、という事だな。 数直線だけでは、世界認識の共有限界にあるっと事かな。まぁ、複雑性の時代なのね。 関数化した写像を生得的な感覚でもって、世界を、そして社会を構築し、そこに参加していくことが、必要になったって事かな。 個々人の体感、思想、文化の感覚の乖...
もう線形性の時代ではない、という事だな。 数直線だけでは、世界認識の共有限界にあるっと事かな。まぁ、複雑性の時代なのね。 関数化した写像を生得的な感覚でもって、世界を、そして社会を構築し、そこに参加していくことが、必要になったって事かな。 個々人の体感、思想、文化の感覚の乖離も考慮することが、必要条件になってもいるだろうな。情報の質量化を適正にすることが、急務ってことかな。 つまり、外部性のイメージ化ってことで、いいのか。
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タイトルに明示されているように、本書は、21世紀の一般的な人々からすればラディカル(急進的)だと思えるような提案が多数盛り込まれている本です。しかし思考実験としては良いきっかけを与えてくれます。彼らが提案する制度が導入されるとどんな世の中になるのだろう、という想像です。本書は所有...
タイトルに明示されているように、本書は、21世紀の一般的な人々からすればラディカル(急進的)だと思えるような提案が多数盛り込まれている本です。しかし思考実験としては良いきっかけを与えてくれます。彼らが提案する制度が導入されるとどんな世の中になるのだろう、という想像です。本書は所有権の部分共有による切り崩し(1章)、投票制度の改革(2章)、移民制度の改革(3章)、機関投資家の力の切り崩し(4章)、データを労働力としてみる(5章)、というような構成になっていますが、特にインパクトが大きく、著者らが特に力点を置いているのが前半の所有権の切り崩しと選挙制度の改革でしょう。 私は特に2章の投票制度について関心を持ちました。投票制度の問題は以前から議論されていて、アローの一般可能性定理やアマルティア・センが指摘したパレート最適の毒性問題があります(詳細は、たとえば『「きめ方」の論理』ちくま学芸文庫を参照のこと)。パレート最適の毒性問題を回避するための一つの方法は、「自分が関心の低い事案については投票しない(意見表明を差し控える)」ことです。これは自己抑制的という意味でアジア的な解決策と言えるのかもしれませんが、本書が提示しているQV方式と呼ばれるものはその逆で、「自分の関心が高い事案については、他人より多くの票を投ぜよ」という解決策です。私はこれを自己主張的な欧米型の解決策ととらえました(人間は自己主張しなければならないという欧米的な強迫観念が背後にあるとも言えます)。この場合、少数のその事案に高い関心がある人の意見が、多数のあまり関心がない人に勝つ可能性があるわけです。 その意味で、本書は確かにラディカルな制度提言が盛り込まれていて興味深く読みましたが、いずれも自己主張、競争、対立といった価値観が著者らの背後に見え隠れしており、そのような価値観に社会が覆われているという意味できわめて欧米的であります。つまり、逆に自己抑制、協調、和合の社会設計という選択肢についても可能性がないのだろうかと本書を読んで思いましたが、いずれにせよ頭を柔らかくする、想像力を働かせるという意味で面白い本でした。
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何度かの中断を経てようやく読み終わった。後半は読みやすかった。 私有財産をやめてオークション的に取引できるようにするCOSTは、正直微妙じゃないだろうか。資源分配の効率も大事だが、サステナビリティ面からむしろ効率的な運用を避けるべき面もあると思う。 選挙のQVはおもしろい。これは...
何度かの中断を経てようやく読み終わった。後半は読みやすかった。 私有財産をやめてオークション的に取引できるようにするCOSTは、正直微妙じゃないだろうか。資源分配の効率も大事だが、サステナビリティ面からむしろ効率的な運用を避けるべき面もあると思う。 選挙のQVはおもしろい。これはぜひ取り入れたい。DAOにも繋がる話。
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https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00027744/
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RADICAL MARKETS エリック ポズナー 東洋経済 『選挙制度の抜本的な改革案』 間接民主主義の基本である「選挙」が 一人一票という二択的な選択による現状で 利権者に都合のいい多くの矛盾が生み出されている そこで考えられたのが 二次的投票システム「クアドラティック・ボ...
RADICAL MARKETS エリック ポズナー 東洋経済 『選挙制度の抜本的な改革案』 間接民主主義の基本である「選挙」が 一人一票という二択的な選択による現状で 利権者に都合のいい多くの矛盾が生み出されている そこで考えられたのが 二次的投票システム「クアドラティック・ボーディング(Quadratic Voting)である これは『RADICAL MARKETS』2018年エリック・ボスナーとグレン・ワイルによって世に出たシステムである この制度において 有権者はそれぞれ99ポイントを持ち 投票では一票につき2乗のポイントを消費する つまり一人に1票を投票する場合は1ポイントを消費するが 同一対象に複数票を投じることもできる 例えば最高の9票を投じるならば その二乗9×9で81のポイントが消費される しかし99ポイントしかないので全部を一人に投票できない 最大でも9票止まりとなり 残り18ポイントについては棄権するか 別の候補を選ぶことになる ポイントを無駄にしないためには最低でも四人を選ぶことになる 最大では99人に投票できる このデジタル投票システムによって 透明化による不正な行為を減らすことができる 現状の比例代表などの極端な政党政治を抑えることができる 投票の結果が具体的に見えるので個々の参加意識が向上する このシステムの導入は 既得権益を得ている者達によって邪魔されることだろうが すでに台湾で導入が始まっているらしい 最初この題名を見たときには 市場経済の中で脱私有財産を目指すなど あり得ないと思ったが この本によって世の中の広さを痛感させられた
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資本主義が抱える現在の課題を踏まえ富の再分配について検討した書籍。 第5章「労働としてのデータ」は、GAFAなどデータプラットフォーマーとユーザーの関係について、ユーザーから提供されるデータを「労働」という切り口から考察している点が面白い。 特に、「労働」としてのデータを搾取する...
資本主義が抱える現在の課題を踏まえ富の再分配について検討した書籍。 第5章「労働としてのデータ」は、GAFAなどデータプラットフォーマーとユーザーの関係について、ユーザーから提供されるデータを「労働」という切り口から考察している点が面白い。 特に、「労働」としてのデータを搾取するプラットフォーマーの状態を「データ封建制度」として、ユーザーの経済的地位の向上のため労働運動のように団結することで、データに正当な評価を勝ち取ることを提言している。 現在、情報銀行などデータに関する権利とその活用に関する議論があり、所有権的な立場をとる米国と人権的な立場をとる欧州で別れているが、ユーザー側の積極的な権利行使という点で興味深いと感じた。
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経済的格差(だけじゃないけど)を変えていくための施策のアイデア集。 机上の空論とまでは言わないが、海外の著書が書いたこの手の本は、どうしても非現実的に感じてしまうのは何故だろう。 アイデアは面白そうだし、実現したら、素晴らしいかもしれない、もしかしたらやらないと行かないのかもしれ...
経済的格差(だけじゃないけど)を変えていくための施策のアイデア集。 机上の空論とまでは言わないが、海外の著書が書いたこの手の本は、どうしても非現実的に感じてしまうのは何故だろう。 アイデアは面白そうだし、実現したら、素晴らしいかもしれない、もしかしたらやらないと行かないのかもしれない。で、誰がやるの?
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図書館で。難しい。飛ばし読みしかできなかったのでじっくり読み直してみたい。 私的財産、政治・投票、国際労働力、機関投資家・企業統治、デジタル経済の課題と革新的な解決策なのかなぁ。 共同所有自己申告税。二次の投票。
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現代に生きる私たちは、ソ連の崩壊や北朝鮮の悲惨な経済情勢によって、共産主義は過去の遺物であり、もはや資本主義しか残されていないと思っている。一方で、資本主義が決して完璧なものでないのはリーマンショックを見るまでもなく明らかでもあり、資本主義をどう改良していくのか、という目線に囚わ...
現代に生きる私たちは、ソ連の崩壊や北朝鮮の悲惨な経済情勢によって、共産主義は過去の遺物であり、もはや資本主義しか残されていないと思っている。一方で、資本主義が決して完璧なものでないのはリーマンショックを見るまでもなく明らかでもあり、資本主義をどう改良していくのか、という目線に囚われている。 しかし、資本主義の未来とはそのような”改良”レベルで事足りるのか?、というのが本書が突き付ける疑問である。 本書は一般的な資本主義のルールに”No”を突き付け、極めてラディカルな、ただし、”サヨク”が牽引するような夢物語ではなく、一定の理論的実現性を踏まえた姿を描き出す。 たとえば、資本主義と共産主義を分かつ違いの一つは、私有財産を認めるか否かである。資本主義社会に生きる我々は、私有財産という制度を疑うことはまずないだろう。しかしながら、私有財産というルールによる弊害があるのも事実である。例えば、都市開発においては、99%の地権者が同意しても1%の地権者が自らの土地を手放さない(もちろん、その行為はなるべく交渉を長引かせた方が自らの利得が高まるという卑しさによるものであるのは論を待たない)。この点を実感するなら、赤坂のアークヒルズを訪れると良い。アークヒルズの2Fには、北大氏魯山人が黄泉の国から復活して、呪詛を吐きそうなくらい不味い蕎麦屋がある。なぜ、そんな蕎麦屋が存続しているか?それはその店がアークヒルズの地権者であり、土地を手放す代わりにテナントとしての出店権を獲得したからだ。 もちろん、不味い蕎麦屋を憎む私のようなスマートな人間は訪問することはないが、サントリーホールを訪れる貴婦人方は知らずにその店を訪れ、あまりの不味さに天を仰いでこう言うだろう、「逝ってよし」と。 酩酊しているので、前置きが長くなりすぎた。 本書がそうした私有財産という資本主義のベーシックなルールの代わりに提示するのは、"COST(共同所有自己申告税)"というルールである。これは、常に自らが保有する資産の時価を提示し、その時価に対して税が課せられる仕組みである。税金を抑えたいと思えば、その時価を低くすれば良いが、その一方で、その時価で資産を購入したいと思う他者には抗弁できない。このルールはつまり、資産を最も有効的に活用できる人間に、その資産の所有権が譲渡され、結果として資産活用によるベネフィットが最大化される。先の例でいえば、アークヒルズを訪れる貴婦人たちは不味い蕎麦屋で不幸な目に会うことがなくなる。 こうした点で本書は極めてラディカルな資本主義のルールを示す。もちろん、全てがすぐに実現可能なわけではない。それでも、今後の社会を考える一つの思考の”補助線”として、こうしたラディカルな改革案を知ることは、悪くはない。
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