稚児桜 能楽ものがたり の商品レビュー
(2023/10/19 1.5 h) 能の曲目8 つを下敷きにした短編集 話のすべてが毒の効いた繋がりの物語 能楽の知識がなくても楽しめる上に 基になった作品にも関心のもてる良作 「鮎」(国栖) 「照日の鏡」(葵上) の2 作が特に好き
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直木賞作家の作品ということで読んだ。時代小説のため、言い回しや漢字表記に馴染みがなかったが、そんなことが気にならないくらい、それぞれの人間模様に引き込まれた。他の作品も読んでみたい。
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能の名曲を元にした短編作品。 元の作品をあまり知らないものが多かったので調べながら読んだが、元の作品よりこちらの物語の方が良いと感じてしまう。とても好き。 能に興味が出てきたので見に行きたくなった。
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能にインスパイアされた短編ということで、そのものではない…と思う。どこか物悲しいような、やりきれないような気持ちになる。 2021/4/1
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短篇集。能の演目をベースに展開される、潔くかつ小気味良い短編たち。「あ、この話の元ネタ、何だったっけ…?」ってのが幾つか、いや幾つもあったので、元ネタの曲目が明記されてて助かった!倉橋由美子『大人のための残酷童話』を彷彿とさせる。
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時代を超えて不変なもの。人の心の醜さ、おぞましさ、それを乗り越える強さ。生臭坊主や平安貴族の時代は、それでも未知のものへの畏れがあったが…現代社会は…
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能楽を元にした時代小説短編集。 「やま巡り」『山姥』 「小狐の剣」『小鍛冶』 「稚児桜」『花月』 「鮎」『国栖』 「猟師とその妻」『善知鳥』 「大臣の娘」『雲雀山』 「秋の扇」『班女』 「照日の鏡」『葵上』 の8編収録。 元の能楽が示されているので、能を知らない自分も検索してあらすじを見ました。 幽玄的なイメージのある能ですが、本作では人間ドラマとして再構成されています。 登場人物や設定などは元のモチーフに沿っているのですが、解釈が現代的という感じです。 能楽ものがたりは続編シリーズ化もありではないでしょうか。
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能の曲目をベースにした8編の短編集。 どの話も“人の業”が炙りだされてくるような話で、ゾッとする部分もありますが、全体的に幽玄な雰囲気が漂い、それが余韻に繋がる感があります。各話の長さも、“もうちょい読みたい”と思わせる程度の絶妙な分量で心憎いです。 個人的には、表題作「稚児桜...
能の曲目をベースにした8編の短編集。 どの話も“人の業”が炙りだされてくるような話で、ゾッとする部分もありますが、全体的に幽玄な雰囲気が漂い、それが余韻に繋がる感があります。各話の長さも、“もうちょい読みたい”と思わせる程度の絶妙な分量で心憎いです。 個人的には、表題作「稚児桜─花月」が印象的で、実力で“稚児界”をのし上がってきた花月とメンタルが弱く稚児に不向きの百合若の対比があっての、ラストの花月の行動が胸にグッときました。 あと、“壬申の乱”の一場面を描いたと思われる「鮎――国栖」。こちらは、かなり以前に知人から借りて読んでいた「天上の虹」という漫画を思い出した次第です。
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能を題材にした短編八話。奈良時代、平安時代あたりか。不安な運命に生まれながらも、逞しく生きる決意を書いたものや、転んでもタダでは起きない女の底力、嫉妬を書いた物など、どれも30ページ程にも関わらず、グイグイ引き込まれる。最後の光源氏の妻、葵の上を書いた話などはとても印象的。能楽が...
能を題材にした短編八話。奈良時代、平安時代あたりか。不安な運命に生まれながらも、逞しく生きる決意を書いたものや、転んでもタダでは起きない女の底力、嫉妬を書いた物など、どれも30ページ程にも関わらず、グイグイ引き込まれる。最後の光源氏の妻、葵の上を書いた話などはとても印象的。能楽が元という先入観もあるかもしれないけど、とても味わい深い短編集でした。
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能を下敷きにした短編集。 表題作の「稚児桜」はくしくもこないだ読んだ「じんかん」に出てくる”衆道”の話でした。主人公の一人である稚児の花月という名前はどうしても大阪の劇場を連想してしまうのだが、思えば、花月園とか花月嵐とかいろいろなところで使われていて風流なようでちょっと俗っぽい不思議なワードです。
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