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奈落 の商品レビュー

3.5

48件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2020/02/19

なんて、残酷な物語り。 ページを進める中「そろそろ一筋の光が見えるのかなぁ~」って思ったら最後まで残酷だった。 悲しみとか怒りとか、そんな言葉で表現出来ないくらいの、そんな安っぽい言葉で片付けられない彼女の魂の感情は読んでいる私も苦しくて・・・。 何もかも見据えた上で受け止め...

なんて、残酷な物語り。 ページを進める中「そろそろ一筋の光が見えるのかなぁ~」って思ったら最後まで残酷だった。 悲しみとか怒りとか、そんな言葉で表現出来ないくらいの、そんな安っぽい言葉で片付けられない彼女の魂の感情は読んでいる私も苦しくて・・・。 何もかも見据えた上で受け止めて諦めて生き続ける彼女は強いのか・・・強いなんて事さえも必要ないような、ただ現実を生きて行くしかない彼女に何て言っていいやら。 見たくもない知りたくもない家族の本性とか、本当に読んでて嫌だった!! 一筋の光があるとばかりに読み進めていたので、どぉぉーんと気分の落ち込みを引きずってしまっています。 古市さんの作品を初めて読んだ。 読みやすかった。 体は動かないし意思疎通が出来ないのに思考だけは、ハッキリしているという、この残酷さが何とも言葉になりませんでした。 家族って他人・・・って・・・他人以下だろっ!!て感じ。 他作品は、どんな感じなのか気になってきました。 絶望の中、死ぬ事も出来ず逃げる事も耳を塞ぐ事も出来ずに生かされ続けて行くって・・・どんなに辛いか色々と考えてしまいました。

Posted byブクログ

2020/02/12

どこまでも奈落。 最後には何か救いがあるのかと期待したけど、最後まで奈落。奈落の底をひたすらに掘り進めた話。 古市さんのヤバめの性癖が感じられた。 正直、読んだ満足感はない。 身体が自由に動くことに感謝して、今を精一杯生きよう。

Posted byブクログ

2020/02/09

3日前に読み終わったというのに未だ物語を反芻している。主人公の最大の不幸は全身不随になったことではなく家族に利己的な人間しか居ないことではないか。 最後のシーンは希望なのか絶望なのか。実は現実ではなく夢のようにも思えた。残酷すぎる。

Posted byブクログ

2020/02/09

昔テレビで見た閉じ込め症候群みたいだと思った。結局どうなったのか知りたい。針治療は効いたのかな?とか。古市さんの小説の中ではピカイチ面白かった。

Posted byブクログ

2020/01/30

「奈落の底に落とされる」という比喩表現がある。これは、比喩ではなく文字どおりステージから奈落への転落事故により、すべての栄光を失った元歌姫・香織の6552日の物語である。 身動き一つ出来ない身体の中に「ロックドイン」された彼女に残されたのは、鮮明な意識と上下僅かに動かせる眼球そ...

「奈落の底に落とされる」という比喩表現がある。これは、比喩ではなく文字どおりステージから奈落への転落事故により、すべての栄光を失った元歌姫・香織の6552日の物語である。 身動き一つ出来ない身体の中に「ロックドイン」された彼女に残されたのは、鮮明な意識と上下僅かに動かせる眼球そして、最低な家族だった。声も出せない、指一本動かせない状況で、意識だけは以前のままを保っているという状況は、意識不明で生きながらえるよりも残酷というしかない。 どんな些細なことでも、意思表示ができないということがどれほど辛いことかと戦慄する。どうせわかってないからと、目の前で見せられるあれこれにいっそのこと死にたいとさえ思う香織の絶望。読んでいる間中どんよりとした気持ちに囚われ、一気に読めない。香織の意識を通して、人間に対する辛辣な言葉の数々が吐き出されるのが古市さんらしい。 そんな状態にありながら17年間も希望を棄てずに生き、やっと意識があることを周りに理解してもらえたと思った矢先、香織が最後に選んだ道が切なすぎる。 人は何のために生き、何ゆえに死ぬのだろう。香織の絶望のその先にあったものは何だったんだろう・・・辛すぎる

Posted byブクログ

2020/03/29

わたしとはまるで違う。 欲しいものも、美しいと感じるものも、生き方も。 窮屈でたまらないこの家族と町から 一日も早く逃れたい。 わたしが居るべき場所はここじゃない。 音楽が救ってくれた。 歌手として生きる道を選んだ。 ついに手に入れた、自由。 みんながわたしを求めている。 わたし...

わたしとはまるで違う。 欲しいものも、美しいと感じるものも、生き方も。 窮屈でたまらないこの家族と町から 一日も早く逃れたい。 わたしが居るべき場所はここじゃない。 音楽が救ってくれた。 歌手として生きる道を選んだ。 ついに手に入れた、自由。 みんながわたしを求めている。 わたしはいま、生きている。 念願のステージだった。 そこから、落ちた。 ー 目を覚ましたとき、 わたしに残されていたのは、 動かない身体と、鮮明な意識。 そして、大嫌いな家族。 その日から、わたしは、 死んだように生きている。 生きているのに死んでいる。 伝えたいことばも感情も、 歌いたいメロディもたくさん浮かぶのに、 口は動かない。 声も出ない。 目も指も動かない。 食事もできない。 なんにも、できない。 当たり前にできていたことが、 なにひとつ、できない。 それでもわたしは、生きています。 だれか、わたしを、 ここから救い出して。 ・ ・ “最後まで救われないらしい…” 覚悟して読み始めたけど。。 他人事とも思えないから、こわい。 自分に起きないとは言い切れないから、こわい。 結果、 いまを、精一杯生きるしかないという境地に。 すきもきらいも、 ごめんもありがとうも、 いま、伝えないと。 いまを、生きないと。 明日も同じだなんて保証は、どこにも無いから。

Posted byブクログ

2020/01/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

ひどく残酷なストーリーだった。 死ぬより怖い世界を見せてもらった感じ。 色々な立場、かたちの残酷さがあった。 淡く想いあっていた男の子との、排泄中のキス、それ以上にざくろの腐った匂いを印象付けてしまったこと センスを磨いて、ファッションに、こだわってた彼女が上下ヨレヨレのしまむらを着せられてかつてのファンの前に晒されること わざわざ固形の食事を見せてから、それをドロドロのミキサーにかけたものを食べさせられること なにより、最後変わり果てた姿を鏡で見せられること。 主人公の香織自身も、姉の結婚式で無自覚に主役を奪うなどの残酷なことをしていた、という事実もありで 多層的。 世の中には色々な絶望、残酷さがあるけど、美しかったものがその美しさを失うって もっとも残酷なことの一つだと思う。 古市さんは飄々としてるけど、意地悪で徹底した観察眼と繊細な感性両方があるんだな、と感じた一冊。またこの人の本を読んでみたい。

Posted byブクログ

2020/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後まで救われなくて悲しくなった。実際にあり得そうなお話で、とても自分本意で、意思を伝えられないことで、こんな悲劇になるなんて、人間に心底飽き飽きした。 途中出てきた嫌なことがあったときの解決策は成る程なと思った。嫌だと思うことを要素分解するか、期待を止めてしまうこと。 他人なな対して嫌なことがあれば、期待をやめてしまうのが一番。大切な人なら、自分と同じく要素分解して嫌を突き止める、そうやって考えていこうかな、と思った。

Posted byブクログ