数字と科学から読む音楽 の商品レビュー
第ニ、三部が面白いです。 特に第三部のピタゴラス音階から平均律までの流れが面白かったです。 細かい数字がたくさん並びますが、無視して進んでいってもだいたい理解できます。 (私は無視しました……) 平均律が生まれるまでは調によってそれぞれの調の個性がありました。 しかし、平均律によ...
第ニ、三部が面白いです。 特に第三部のピタゴラス音階から平均律までの流れが面白かったです。 細かい数字がたくさん並びますが、無視して進んでいってもだいたい理解できます。 (私は無視しました……) 平均律が生まれるまでは調によってそれぞれの調の個性がありました。 しかし、平均律によってそれが失われたのです。 そのことを「音の帝国主義」と言うところは、なるほどとと思うと同時に、「何かを得るには何かを失わないといけないのだな」と感じました。 そして、平均律によって生まれる絶対音感の話も面白いです。 平均律が生まれるまでは絶対音感なんてものは存在しなかったそうです。 それもそのはずで、平均律がうまれるまでは同じラでも調によってヘルツ数が異なるからです。 (もしかしたら、これはハ長調のラ!これはヘ長調のラ!なんて聞き分けられる超人がいたかもしれませんが……) そして音楽をやる人でも絶対音感は不便でしかないことを話ししています。 絶対音感ってなんだか憧れを感じてしまうものですが、なっても良いものではないんですね。 専門的な内容が多い本ではありますが、平均律までの移り変わりを詳しく知っていきたい人にはオススメです。 尚、この本は最初から順番に読まないほうが良いと個人的には思います。 第一部の内容はキリスト教の聖数と音楽の数字に共通点があることを語っているのですが、私にはこじつけにしか見えなかったです。 読まなくても特に第ニ、三部に影響はありません。
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