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花嫁のあやまち の商品レビュー

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2020/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まず本書に興味を持ったのは「胸を打つ名告白」シリーズの一冊だと紹介されていたからでした。 契約結婚から始まった仮面夫婦の間に、いつしか本物の愛情が芽生えるー。 ロマンス小説では王道的なストーリーではあるのですが、ヒロインのコロンバインことコリーの何とも純真で素直、優しい性格には同性でさえ好感を持つこと請け合いです。 ヒロインが誰からも好かれるキャラであるがゆえに、便宜結婚をした形だけの「夫」を愛し始め、その事実に戸惑い激しく揺れるプロセスには読者も悩めるヒロインと同様にハラハラするでしょう。 かなり早い段階から、読者にはヒーロー、サイラスもまたコリーと同じように彼女を愛しているのだと気づきます。 分からないのは当事者の二人ばかり、、、という実にもどかしい状態で話は進んでゆきます。 ラストのサイラスの告白こそが、まさに胸を打つ名台詞なのでしょう。 書籍のあらすじ紹介には、どの台詞がとは特に書いていませんでしたが、私的には ーこれまでずっと君を追い詰めないように気をつけてきたつもりだ。でも、やっぱり知りたいんだよ。君がどこまで僕を好きになってくれそうか。 この辺りでしょうか。 このシーンで、ヒロインもヒーローもお互いにひとめ惚れに近い状態で「結婚」、ヒーローもコリンに契約結婚の話を持ちかけたときから、既に彼女に心奪われていたことがやっと分かります。 ー心配しなくていい。君がその気になるまで待つつもりだ。仕事につくための勉強がしたいなら、それでもいい。ただ、僕は心から君を愛しているから、近い将来、本物の夫婦になりたいんだ。 そして ー僕と一緒に暮らして妻になってほしい。 と、続きます。 ヒーローは大企業の跡取り御曹司、まさに女性なら幾つになっても夢見るシンデレラストーリーです。 結末も展開も容易に相続がつくと知りながらも、ついつい先が気になり読まずにはいられませんでした。 しかも、ハーレのヒーローの典型的な強引、傲慢俺様タイプではなく、時には他の男性と一緒にいるヒロインに焼き餅を見せつつも、常にヒロインの気持ちを最優先するサイラス。 考えてみれば、「夫婦」でありながらラストシーンまで一線を越えないー結局、物語内では二人の関係はプラトニックのまま終わります、おそらくラストシーンの次には名実ともに夫婦になることは暗示させて終わりますがー展開はハーレには珍しいのではないでしょうか。 とても素敵な二人の純愛物語に、読む人はキュンキュンしっ放しかもしれませんね。 おすすめの作品です。

Posted byブクログ