1,800円以上の注文で送料無料

どこからお話ししましょうか の商品レビュー

4

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/09/13

朝日新聞への連載を書籍化したものに書籍化に際して加筆した、とのこと。そのためか、章立てや話の進みが体系的でなく、やや読みづらい。もっとも、これはこれでじっくり読むためと思えばよいのかもしれない。 両親、特に母親との関係や、談志さんや一之輔さんの評価が個人的には興味深かった。

Posted byブクログ

2022/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おなじみのマクラのような語り口(平易な日本語に文字起こしをした編集者も)が最高だが、話す内容は忖度のない真っ正直なもの。 【秘中の秘】 くり返しやっているから、慣れて、飽きてきます…で、落語をおもしろくやるコツ… 「客もよく知ってる。はなし手もよく知ってる。だけど、噺の中に出てくる登場人物は、この先どうなるのか、なにも知らない。」そう思ってやると、いつもやってる噺じゃなくなる。なぞることをしなくなる。しゃべるっていうより、その人にまずなるわけ……。 閑話休題。ボウリングに凝っていたころ、志ん朝にゴルフに誘われ、「自分のうちに庭がないからって、人のうちの庭借りて喜んで歩き回っている」と毒づいたら、「お前んちなんか、自分ちに廊下がねえから、人のうちの廊下借りて玉ころがしてんじゃねえか」と言い返された逸話は傑作。

Posted byブクログ

2021/12/11

先日、小三治が亡くなった頃、偶然、本屋でこの本を見かけました。どこからお話ししましょうか、という題なので、こちらは、どこから読みましょうか、とカバー写真の小三治さんに声を掛け、パラパラと拾い読み。小三治曰く、闘ってれば、そのうち答えが出てくるんですよ。闘わないやつは何も出てこない...

先日、小三治が亡くなった頃、偶然、本屋でこの本を見かけました。どこからお話ししましょうか、という題なので、こちらは、どこから読みましょうか、とカバー写真の小三治さんに声を掛け、パラパラと拾い読み。小三治曰く、闘ってれば、そのうち答えが出てくるんですよ。闘わないやつは何も出てこない、と私は信じているのですけどねえ。小三治は、なかなかシブトイ(芯の強い)落語家でもありました。(合掌)★三つ半、四捨五入で四つです。

Posted byブクログ

2021/03/14

話したものを書き取っての出版かな。平易だけど芸の神髄のようなものが伺えて貴重な書だと思う。 『全部受けようとしちゃあいけない。ちょっと受けたなと思ったら、次、ここは受けるはずだと思うところは受けさせないようにスーッと通り過ぎろ「お前のは受け過ぎだ。ただの漫談になっちゃう。どうい...

話したものを書き取っての出版かな。平易だけど芸の神髄のようなものが伺えて貴重な書だと思う。 『全部受けようとしちゃあいけない。ちょっと受けたなと思ったら、次、ここは受けるはずだと思うところは受けさせないようにスーッと通り過ぎろ「お前のは受け過ぎだ。ただの漫談になっちゃう。どういう噺か、なぜこの噺がおもしろいのかっていう、いちばん肝心なことをお前は飛ばしてしまう。』 森山良子との対談でプロデュース-さから「どうしてあんなに歌をうまく歌っちゃうんですか」と聞くように言われた話。 『私はその意味がわかんなかった。その後、だんだんわかるようになってきた。歌はうまく歌っちゃいけない。感じた通り素直に歌えばいいんだ、ってことがわかってくる。歌ばかりじゃない。文筆であれ、絵であれ、みんなそうだよ。役者なんかとくにそう。うまく演じようとした人に感心したことは一度もない。それをはぎ取ってくんねえかと思う。その奥に素晴らしいものがあるのにねえ。』 『うまくやろうとしないこと。それが、難しい。とても難しい。じゃあ、下手なまんまでいいのかっていうと、そうじゃないんだよねえ。心を理解しなきゃ、人の心をしなきゃ。人が生きるっていうのはどういうことか。それをどうやって理解していくかっていうと、音楽を聞き、絵を見、小説を読み、人の話を聞き、芝居を見、もちろん映画も見て。つまり、自分以外のものから発見していく。なにを発見していくかっていうと、自分を発見していくんですね。そういう鏡に照らし合わせて、ええっ、おれってこんななの?って。その映す鏡は他人じゃない。自分の中にある自分の鏡だ。難しいよ。いつかそういう鏡を持てる自分になれるだろうか。』 『みんなは志ん朝さんの口調に注目するけど、私は口調の奥にあるものを見ようとした。これは、だんだんその後になって気がついていくことですけど、芸の本域、芸の奥の院、神髄っていいますか、中身は結局、そこなんです。表面に表れているところより、その奥にあるものがなにかっていうことです。』 『「客もよく知ってる。はなし手もよく知っている。だけど、噺の中に出てくる登場人物は、この先どうなるのか、なにも知らない。」これには勇気をもらいました。そう思ってやると、いつもやってる噺じゃなくなる。なぞることをしなくなる。しゃべるっていうより、その人にまずなるわけでしょう?今日の八っつぁん、今日の熊さん、どう?って。』 『パペットの晩餐会』について 宝くじのお金で晩餐を開いて 「私たちのためにお金を全部使っちゃったの」「はい」「貧乏になっちゃったじゃない」って言うと、「芸術家に貧乏はいませんわ」ってパペットはこたえます。 私にとって、こんな力強い言葉がありますか?まさしく私が噺家になった理由じゃないですか。噺家になったときに、どうやって食っていこうとか、そんなことは考えなかった。死んででもいいと思って、なったわけですから。』

Posted byブクログ

2020/10/15

前口上 の後に、柳家小三治のまくらが、 十五編楽しめる。 3番目にして唯一の現役人間国宝の落語家だ。 やっぱり味がある芸風だ。 日本経済新聞の私の履歴書には収まりきらないかな。 岩波書店も落語の出版に力を入れている。 日本の良き伝統を伝えるのも出版社の大事な役目。 岩波なら紛...

前口上 の後に、柳家小三治のまくらが、 十五編楽しめる。 3番目にして唯一の現役人間国宝の落語家だ。 やっぱり味がある芸風だ。 日本経済新聞の私の履歴書には収まりきらないかな。 岩波書店も落語の出版に力を入れている。 日本の良き伝統を伝えるのも出版社の大事な役目。 岩波なら紛い物を出さないと言う安心感がある。 一、父と母のこと   映画  グロリア  観なきゃ   さだまさし/グレープ 無縁坂 知っとぉ 二、野菊の如き君なりき   伊藤左千夫/野菊の墓 映画の題名は、二章のタイトルどおり 彼の人生体験を追体験したくなる様な仕掛けが、 入っている。

Posted byブクログ

2020/12/25

「本の雑誌」8月号の特集、「落語本で笑おう」を見て購入。 生い立ちや両親のことなどから説き起こしている。小さん師匠が稽古をつけないとか、へ~と思う処が多かった。 志ん朝が表面的な口調の巧さではなく、噺の中の人物の心で進めて行くと評しているのに感心する。談志に対する評価も、まあ、...

「本の雑誌」8月号の特集、「落語本で笑おう」を見て購入。 生い立ちや両親のことなどから説き起こしている。小さん師匠が稽古をつけないとか、へ~と思う処が多かった。 志ん朝が表面的な口調の巧さではなく、噺の中の人物の心で進めて行くと評しているのに感心する。談志に対する評価も、まあ、そうだよなと思う。 圓生に習いに行っていたけど、だんだん離れたということは初めて知った。 蒟蒻問答は、圓生からベースを習ったが、正蔵はほんとうはこうやるんだと仕草を教えてくれる。小さんはまた、別のことを言う。末廣亭でこの噺をかけていたら、楽屋で三師匠が黙ーって腕組んで聞いている。師匠の「まくら」にもあった話だけど、なんとも贅沢で大変困ったエピソード。 バイクやスキー、クラシック音楽の話も出てきた。 飄々としているけど、芸に対する気持ちなど知ることが出来て、この本読んで良かった。 師匠の「小言念仏」のCD探そうかな。あと、映画「バベットの晩餐会」も見てみたい。

Posted byブクログ

2020/03/06

落語好きには堪らない一冊。 途中に出てくる噺をYoutubeで聴きながら読み進めたが、師匠らしい語り口が随所に出てきて、とにかくいい❗️

Posted byブクログ

2020/02/17

人間国宝柳家小三治の自伝。上手いにとどまらぬ落語。森山良子との対談の際に「どうしてあんなにうまく歌っちゃうのか」と問いかけたことに端を発する考察が秀逸。「うまく演じようとした人に感心したことはない/うまくやろうとしないこと/じゃあ,下手なまんまでいいのかっていうと,そうじゃない/...

人間国宝柳家小三治の自伝。上手いにとどまらぬ落語。森山良子との対談の際に「どうしてあんなにうまく歌っちゃうのか」と問いかけたことに端を発する考察が秀逸。「うまく演じようとした人に感心したことはない/うまくやろうとしないこと/じゃあ,下手なまんまでいいのかっていうと,そうじゃない/カラヤンには「本音で歌えよ」って思いますね」。

Posted byブクログ