オカシナ記念病院 の商品レビュー
離島の病院にやってきた若い研修医の物語。ユーモアを交え読みやすい文章ですが、非常に深い、考えさせる物語でした。 この病院で彼が目にしたのは、積極的な治療をせず、時には患者に違法とも思えるような行動をとる医師や看護婦たち。憤る研修医だが、島の住民たちも皆そういう治療を望ん...
離島の病院にやってきた若い研修医の物語。ユーモアを交え読みやすい文章ですが、非常に深い、考えさせる物語でした。 この病院で彼が目にしたのは、積極的な治療をせず、時には患者に違法とも思えるような行動をとる医師や看護婦たち。憤る研修医だが、島の住民たちも皆そういう治療を望んでいたのです。 不安ばかり煽る現代の現在の医療への問題提起のような内容で、癌患者や喫煙者、健康診断に対しても積極的な治療や禁止や勧奨を押し付けない院長。確かに辛い治療をしても癌が完治することはない。自分の最期くらい死ぬ権利を認めてほしいかも。 毎年、がん検診に行っていたけど、これを読んだら今後はちょっと考えてしまいます。
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軽く読める短編だが、全ての話が現実の問題で、しかも最先端医療と昔ながらの医療の比較もあり考えさせられる内容。今を充実させるか、100年時代のために我慢、運動、健康でいるためのノウハウ、精神面など重点に置き縛るのか。。。楽しんで死にたいと思う。でも健康や老後の心配はしてしまうのだろ...
軽く読める短編だが、全ての話が現実の問題で、しかも最先端医療と昔ながらの医療の比較もあり考えさせられる内容。今を充実させるか、100年時代のために我慢、運動、健康でいるためのノウハウ、精神面など重点に置き縛るのか。。。楽しんで死にたいと思う。でも健康や老後の心配はしてしまうのだろいあなぁ
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「赴任」「臨終」「自由」「検診」「青年」「嫌煙」「縮命」「離任」 8話収録の連作短編集。 主人公は、離島の医療を学びに『岡品記念病院』にやってきた研修医の新実一良。 このオカシナ記念病院では患者が求めなければ重症でも治療を施さない。 リアルな現実世界では、定期的な検診や人間...
「赴任」「臨終」「自由」「検診」「青年」「嫌煙」「縮命」「離任」 8話収録の連作短編集。 主人公は、離島の医療を学びに『岡品記念病院』にやってきた研修医の新実一良。 このオカシナ記念病院では患者が求めなければ重症でも治療を施さない。 リアルな現実世界では、定期的な検診や人間ドッグの推奨、早期発見の意義などが、これでもかというくらい唱えられているが、それとは真逆とも言える方針がフィクションでありながらメッセージ性を持って伝わって来る。 『出来るだけ何もしない医療』『患者の意志を尊重した程良い医療』など常識が覆される。
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研修医が南の離島の病院に赴任する。島民も病院も、何もしないことがいいこと、ありのままを受け入れて積極的な治療をしない。
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研修医が後期研修のために、南の離島にある設備だけは立派な病院に赴任してくるところから話は始まる。真面目に一人前の医師になろうと奮闘するも、医療の欺瞞や不条理に向き合うこととなり、果たして研修終了後、一良はどうするのか――。8つのエピソードからなり、TVドラマを1クール見た気分です...
研修医が後期研修のために、南の離島にある設備だけは立派な病院に赴任してくるところから話は始まる。真面目に一人前の医師になろうと奮闘するも、医療の欺瞞や不条理に向き合うこととなり、果たして研修終了後、一良はどうするのか――。8つのエピソードからなり、TVドラマを1クール見た気分ですね。テンポ良く、必要最小限な記述なのでするすると読めます。著者が現役の医師であるだけにリアリティがあるし、南国らしく明るい描写ですが、なかなかに深く考えさせられる内容です。"縮命治療"はあってもいいと思うけどなぁ。
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研修医・新美一良の離島での後期研修2年間を描く。物語は Episode1 : 赴任 からEpisode8 : 離任 までの8話からなる。 * * * * * 当初の予想とは違い、ギャグ要素の強くないコメディ仕立てで現代医療に一石を投じる作品でした。 岡品記...
研修医・新美一良の離島での後期研修2年間を描く。物語は Episode1 : 赴任 からEpisode8 : 離任 までの8話からなる。 * * * * * 当初の予想とは違い、ギャグ要素の強くないコメディ仕立てで現代医療に一石を投じる作品でした。 岡品記念病院の医療スタンスにはなるほどと頷けるところが多い。 終末期の過剰医療、診療報酬を上積みするためとしか思えない過剰検査、患者の訴えを十分聴かず規定路線の医療措置を押しつけてくるだけのお仕着せ診療。 そんな問題医療は現実に見聞きしているだけにリアリティのある描写でした。 新美が島に残る選択をしなかったラストシーン。「できるだけ何にもしない」医療が絶対的に正しいのかどうかについて、作者はわざと明言を避けたのだと思います。 現代医療に対するスタンスは、患者自身も確立しておくべきですよ。 医師でもある久坂部氏からの我々に対する宿題なのではないでしょうか。
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この話が堅い書き方でなくちょっとゆるくした書き方だからスッと入ってくる。高齢になった時を考えようと思った
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外からの問題がふりかかるたび 岡品院長の味方をしてる自分が居る。 善悪は置いておいてこんな病院あったら 最期のおりには入院したい。
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医療に考えさせらる事が、多い。 コロナ禍で、今は、こんな悠長な話を読んでいる場合でないけど。 死生観というか、人生100年の時代に、何も病気も持たず、介護も無しで、ピンピンの老人がいるだろうか?と、思ってしまう。 身体からスパゲッティのような管を繋がれた医療は、必要なのか?と、...
医療に考えさせらる事が、多い。 コロナ禍で、今は、こんな悠長な話を読んでいる場合でないけど。 死生観というか、人生100年の時代に、何も病気も持たず、介護も無しで、ピンピンの老人がいるだろうか?と、思ってしまう。 身体からスパゲッティのような管を繋がれた医療は、必要なのか?と、問われているかのようである。 又、今の時代、全て処方箋の薬が、患者に有効に効き目があるのか? この本で、離島に赴任した研修医の主人公 真実一良。 きれいごと、そして今まで、習った医療体制は、有効に、患者へ奉仕できるのか? 長生きだけが、人生ではないという事をつくづく感じさせられる。 何十年前に、脳死判定か、心臓停止を死と、するか???という記事を読んだ時に、臓器移植出来るのに、出来ない事が、日本医療では、何処まで、線引きが、出来るのか? 安楽死問題も、・・・ 老々介護の時代を目の前に迎える日本。 近代医学も、縮命という、観点は、無いだろう。 「宿命」迄、待つのだろうか???と、思いながら、自分は、管に繋がれて延命するよりか、麻酔をかけて貰って、痛みのない状態で、死を迎えたい気になった。 さてさて、主人公は、日本本土に帰って、このオカシナ記念館で、学んだ事を反映出来るのであろうか?疑問である。
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