ありのままがあるところ の商品レビュー
正しさを求めてしまう自分を見つめ直しながら読んだ。障がい者の違いを認めケアをするというと素晴らしいことに聞こえるが、「健常者」のエゴな気もしてしまう。はたして「ケア」で良いのか。障がいに限らず、人との違いに、どのように向き合えば良いのかと考えさせられた。 この施設は成功例の様に見...
正しさを求めてしまう自分を見つめ直しながら読んだ。障がい者の違いを認めケアをするというと素晴らしいことに聞こえるが、「健常者」のエゴな気もしてしまう。はたして「ケア」で良いのか。障がいに限らず、人との違いに、どのように向き合えば良いのかと考えさせられた。 この施設は成功例の様に見えるが、常に同じ方法で正解というわけにはいかないだろう。自分の生き方について答えは出ないが、新しい考え方で面白かった。
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自分の価値基準を押し付けない、 相手がどんなことを考えているのか言葉や行動から、そしてこれまでの経験と傾向から考え、より良い環境を作り上げていった福森さんの「しょうぶ学園」。 いつか必ず訪れてみたい。
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ノーマルに近づくことが、障害のある人にとって本当に良いことなのか? ふと、糸賀一雄氏の「この子らを世の光に」という言葉を想起した。彼らの行為には偽りがなく、その一途で純粋な無心さは、我々が理想を求めすぎて見失いつつあるものなのだと思う。
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鹿児島県にある福祉施設「しょうぶ学園」がどのように入所者たちと向き合っているのか。彼らの暮らしぶりを通して「普通」の人間の生き方についても問いを投げかける。
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"私たちは数えきれないほどの情報を知らないと自由な選択は行えないし、幸福につながらないと思っている。そこで、これでもかこれでもかと新しいことや新しいものを生み出していくのだが、彼らは、自分がすでに持ち合わせている情報だけを頼りに生きている。メニューに迷わずサッと適当に指...
"私たちは数えきれないほどの情報を知らないと自由な選択は行えないし、幸福につながらないと思っている。そこで、これでもかこれでもかと新しいことや新しいものを生み出していくのだが、彼らは、自分がすでに持ち合わせている情報だけを頼りに生きている。メニューに迷わずサッと適当に指差すというプリミティブな感覚でいられる姿を見ると、人が生きていく上で必要なものはそれくらいでいいのではないかと思わされる。"(p.97)
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自分や社会の価値観ではなく、相手の求めていることに合わせて支援すること。 当たり前だけど、環境や慣れによって簡単にブレてしまえることなので、気をつけないといけないと改めて思う。 選択肢を広げることが必ずしも本人にとっていいことなのか?と考えるのも、自分の価値観で動いていないか見極...
自分や社会の価値観ではなく、相手の求めていることに合わせて支援すること。 当たり前だけど、環境や慣れによって簡単にブレてしまえることなので、気をつけないといけないと改めて思う。 選択肢を広げることが必ずしも本人にとっていいことなのか?と考えるのも、自分の価値観で動いていないか見極めるためのひとつの指標になるように感じた。私は「選択肢は多ければ多い方がよい」と考えがち。
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小さい頃から、何かをつくることが好きでした。絵を描いて物語にしたり、布で服やバックを作ったり…手を動かして何かを生み出すことだけに集中する時間は生きていることを実感できる、かけがえのない時間だったように思います。 だけど、働くようになって、自由な時間が希少なものとなった現在は、た...
小さい頃から、何かをつくることが好きでした。絵を描いて物語にしたり、布で服やバックを作ったり…手を動かして何かを生み出すことだけに集中する時間は生きていることを実感できる、かけがえのない時間だったように思います。 だけど、働くようになって、自由な時間が希少なものとなった現在は、ただものをつくることに意味を求める様になっていたと気がつきました。 この本では、しょうぶ学園の方の創作に向き合う姿勢や作品が紹介されています。 自己の衝動のまま手を動かし、生きているこの瞬間を結晶化したものたちはただそれだけで尊いと感じました。 「こうあるべき」と障がいを持つ方の幸せを定義してしまう思考の狭さ、危うさに気付かされ、違う角度からものごとを見る視点をもらった様な、貴重な読書体験ができました。
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声の大きい人が信じている「正しいこと」を全員一丸となってなぞるのは、もうおしまい。言うこと聞かなくたっていい。聞かなくたっていいんだ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは、生き方、在り方、価値観を揺さぶられる一冊だ。 「あるがままがあるところ」を読み始めて、 新年早々、自分自身の他人に対する態度を振り返り、何を基準にして生きているかを見直すことになった。 子育てをしている方、教育に携わっている方、指導や支援に携わっている方、 組織の中で管理職をされている方には、ぜひ、読んでほしい。 大人が子どもに対して、 職員が障害のある利用者に対して、 社会の中で生きていくために、「必要なこと」を身につけさせようとする。 それは、相手の「幸せ」を願ってのことだ。 しかし、その「幸せ」は、本当にそうか? その「必要なこと」について、本当にそうか? と、著者の福森伸さんは問いを投げかける。 障害のない人が、組織の中で、居心地の悪さを感じたり、息苦しさを感じるのはなぜか。 不安に駆られて、何かを求めて、行動するのはなぜか。 重度の知的障害者の生き方、在り方を見て、問い直してみると、見えてくるものがある。 #しょうぶ学園 #鹿児島
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しょうぶ園は、鹿児島県にある知的障がい者支援施設で、アート制作事業に取り組まれている。 木を彫ってもらったら、すべて木屑になっていて途方に暮れた。 でも、木屑になるまで、途方もない時間をかけて削り続けられるのだ。 それをアートに見立てるのは健常者の仕事。 大好きなエピソード。...
しょうぶ園は、鹿児島県にある知的障がい者支援施設で、アート制作事業に取り組まれている。 木を彫ってもらったら、すべて木屑になっていて途方に暮れた。 でも、木屑になるまで、途方もない時間をかけて削り続けられるのだ。 それをアートに見立てるのは健常者の仕事。 大好きなエピソード。 私たちは色んなことをすぐに手に入れられる。なのになぜか自信が持てないし、全然自由ではない。むしろ生きづらさを抱えている人は増えている。 "それが私たちの姿なのだとすれば、いったいどちらが障がいを持っているのだろうか。"
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