〈現実〉とは何か の商品レビュー
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んー……難しい……。 部分部分は理解できたんだけど、正直本旨が全くつかめなかった。 結局『現実』とは何だったのか…? 例えば数学や物理学における『現実』とかは、ある種の簡略化(モデル化)ってのはわかる。蜜柑を2個と林檎を3個で合計何個?という問いは、その問いの前提として「個数」という括りを用いているわけだ。蜜柑と林檎は別物だし、同じ蜜柑でも2個の間には違いがある。けれどその違いを「曖昧に」し、数という枠に落とし込んでしまうことこそ、本書で云う「置き換え可能性」に他ならない。 実際それは正しいし、数学/物理学の問いに隠された前提なんだろう。で、その「置き換え可能性」を突き詰めると、(ベルクソンを想起させる)自由の議論に繋がってくる。 だけどなぁ、そもそもそれは数学/物理学の『現実』という枠であって、それありきで議論を進めてしまうのはどうなのかな…。哲学というのなら「夢と現実」の違いに言及してくれても良かったし、まずそもそも本書の云う『現実』ってのは「感覚与件」的な部分なのかどうかとか…。 あと倫理や自由についても、この枠の『現実』を拡張しすぎてなぁ。決定論だって「物事が法則が完全に決まっているなら」という前提ありきの問いなんだから、それを否定するならデメリットとかじゃなくその前提を科学的に否定しなくちゃ。パスカルの賭けじゃあるまいし…。 まぁけど勉強になる部分もあったり。ちょっと言葉を変えているけど「問いは答えの形式を(隠れて)指定する」というのは割としっくり来る話だった。
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読むことができて、本当によかった。 現実とは何か。これまで、考えても全然整理できた気がしなかった。なんとなくそれ自体に本質的なところがあるだろうと予感は感じながら。 定まり、それと同時に解体されていく。見ることで見え、また見えなくなる。普遍は一つの動きから得られるが、無数で入れ子...
読むことができて、本当によかった。 現実とは何か。これまで、考えても全然整理できた気がしなかった。なんとなくそれ自体に本質的なところがあるだろうと予感は感じながら。 定まり、それと同時に解体されていく。見ることで見え、また見えなくなる。普遍は一つの動きから得られるが、無数で入れ子である。 あらためて悟りを得た人は、やはりすごいと思う。倫理についての理解も深められた。
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『『維摩経』を読む』を読みながら読んだ(たまたま)が、理論と現実との往還と向上と向下のくだりなど、いろいろ共通する考えがあるように思う。 現象学と圏論に共通する発想があるとは思ってもみなかったが、興味深い。時期をおいてまた読み直してみようと思う。
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