瓦礫の死角 の商品レビュー
とことん私小説。北町貫太の短編集。何のその、どうで死ぬ身の人踊り。最後の章「崩折れるにはまだ早い」には、騙された。えっと思って読み直した。
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まこといつもの様に現代性の特化した作風では無いけれど、普遍的な人間の業を描いてくれて安定して耽溺で出来た。人生に影を落とした犯罪者の父の出所に怯えながらも、そのひぐらしを繰り返す主人公の様が心地い。4篇の短編集として最後に編まれた「崩折れるにはまだ早い」のこの作者には珍しいロマン...
まこといつもの様に現代性の特化した作風では無いけれど、普遍的な人間の業を描いてくれて安定して耽溺で出来た。人生に影を落とした犯罪者の父の出所に怯えながらも、そのひぐらしを繰り返す主人公の様が心地い。4篇の短編集として最後に編まれた「崩折れるにはまだ早い」のこの作者には珍しいロマンチズムも良かった。
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西村賢太ファンとしては、いずれの短編も面白く読めましたが、10代から20代前半の頃の貫多をもっと読みたいと思いました。思考が歪曲していた過去の自分を、客観的に私小説として書く作者は冷静なのだろうかと想像するしかない内容でもあり、文体の古臭さも好きです。 そして全ては一人の男の物語...
西村賢太ファンとしては、いずれの短編も面白く読めましたが、10代から20代前半の頃の貫多をもっと読みたいと思いました。思考が歪曲していた過去の自分を、客観的に私小説として書く作者は冷静なのだろうかと想像するしかない内容でもあり、文体の古臭さも好きです。 そして全ては一人の男の物語であるところに西村氏の思考の壮大さを感じます。
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本のタイトルである「瓦礫の死角」の貫太と母親のコントのような掛け合いは西村賢太ならではで最高。破天荒キャラ全開の貫太を堪能できる。 その他の収録話については、あまりぱっとしておらず、評価としてはまぁまぁな作品。
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