オスカー・ワイルドとコーヒータイム の商品レビュー
ヴィクトリア朝時代のロンドンで伊達男として名をはせたワイルド。 軽妙でウィットにとんだ会話を得意とした彼ですが、愚かともいえる名誉毀損訴訟を起こしたことで、逆に破滅に追い込まれ、悲劇的な最期を遂げることとなりました。 彼の死後、イギリスではオスカーと名付けられる赤ん坊は何年間も...
ヴィクトリア朝時代のロンドンで伊達男として名をはせたワイルド。 軽妙でウィットにとんだ会話を得意とした彼ですが、愚かともいえる名誉毀損訴訟を起こしたことで、逆に破滅に追い込まれ、悲劇的な最期を遂げることとなりました。 彼の死後、イギリスではオスカーと名付けられる赤ん坊は何年間もいなかったほど、ワイルドは人々から見放されていましたが、彼の遺した作品は、反対にヨーロッパ大陸で人気が上がっていったそう。 彼について、包括的によく研究されており、本当にワイルド自身がインタビューに答えているようです。 あとがきで知りましたが、著者はワイルドの孫娘。 彼の後半の人生については、かなり切なく思っていることでしょう。 最終シーンでは、ワイルドは記者である著者に金の無心までしています。 祖父にお金をたかられる孫の悲哀たるや、いかなるものでしょうか。 コーヒータイム人物伝、ほかの作家のものも面白そうですね。 一つ難を言えば、質のいい集めの紙が使われているため、ページめくりが薄い紙よりもうまくいかないところが少々不便だという、贅沢な悩みが生じた本です。
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