料理通異聞 の商品レビュー
八百善といえば江戸一番の料理屋。 名前は知っているが内実はあまり知らなかった。 八百善、本来の屋号は福田屋。4代目の善四郎の一代記。 福田屋は仏事の際の御斎で使われる、精進料理を出す料理屋だった。 それを善四郎がさまざまな出会いを通して江戸一番の料理屋に押し上げる。野心が旺盛な人...
八百善といえば江戸一番の料理屋。 名前は知っているが内実はあまり知らなかった。 八百善、本来の屋号は福田屋。4代目の善四郎の一代記。 福田屋は仏事の際の御斎で使われる、精進料理を出す料理屋だった。 それを善四郎がさまざまな出会いを通して江戸一番の料理屋に押し上げる。野心が旺盛な人物ではなく、人が喜ぶのが嬉しいちょっとおせっかいな、江戸っ子らしい善四郎がとてもいい。 善四郎は化政期に「料理通」という本をものす。当時著名な酒井抱一や太田南畝なども筆を寄せる。一流の人々もの交流もわかる。 もっと評価されて良い作品だと思う。 とても興味深かった。
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江戸時代の実在の料理屋「八百善」がモデルで、その店主善四郎の人生を描いた一冊。 全体的に淡々と進んでいった印象で、八百善が困難を乗り越えて大きくなっていく爽快感はあまりない。着実に一歩一歩進んでいく。 メインは、善四郎の人生に起こる色んな人との出会いや出来事のドラマで、それら...
江戸時代の実在の料理屋「八百善」がモデルで、その店主善四郎の人生を描いた一冊。 全体的に淡々と進んでいった印象で、八百善が困難を乗り越えて大きくなっていく爽快感はあまりない。着実に一歩一歩進んでいく。 メインは、善四郎の人生に起こる色んな人との出会いや出来事のドラマで、それらが丁寧に描かれている。 登場人物らの言葉がよかった。 が、個人的に勢いがもう少し欲しかった。 ☆2.5
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料理屋「福田屋」の跡取り息子善四郎の、元服前から主人となり店を切り盛りするようになってからも姿を描く。 あまり世界観に入り込めなかったな。
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読了後、幻冬舎文庫であったことに気がついた…。 松井今朝子さんは好きだから、まあいいようなものの。 「記録」の偉大さを実感する一冊。 しかし、個人的には、芸妓冨吉のくだりが引っ掛かった。 都合よすぎだな。 こんな時代に生まれなくて良かった。 そして、お栄が気の毒すぎる。
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